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第13章 プロポーズ
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「坂井さん。行ってやれよ。んで、ちゃんと、プロポーズ、し直してこい。言葉、ちゃんと選んで。いい言葉なんか言わなくていいから、素直な気持ち、伝えればいいんだ。もう、俺があいつを守ってやらなくていいだろ?幼馴染みはそろそろ、卒業、かな」
「ばーか。幼馴染みは、卒業なんてないよ。雪ねぇの親友第一号でしょ?」
美夜は無邪気にそう言って笑うと、
「私もお風呂はいってくるから。はい。鍵ね。私は滋と祐にぃと一緒に寝る」
と言って、二人は寄り添いながら向こうに歩いて行ってしまった。俺は唇を噛み締めると、雪子のいる部屋へと駆け出した。
部屋の鍵を開けて中に入ると、電気は付いていなくて真っ暗だった。3つ布団を並べて、その真ん中がこんもりと山になっている。もぞもぞ動いていて、そこに雪子が寝ているのだろう。
俺は手前の布団の上に胡座をかいて座り、
「雪子」
と話しかけると、布団から雪子が顔を出して、
「理?なんでここに」
と小さな声で言った。俺は頭をかきながら、
「美夜がさ」
とだけ言って、雪子を見つめた。
雪子は少し目を伏せてから、ゆっくりと起き上がって布団を剥がして正座した。俺もハッとして胡座から足を組み直して正座して、お互いに向かいあわせになって俯いている。
「ばーか。幼馴染みは、卒業なんてないよ。雪ねぇの親友第一号でしょ?」
美夜は無邪気にそう言って笑うと、
「私もお風呂はいってくるから。はい。鍵ね。私は滋と祐にぃと一緒に寝る」
と言って、二人は寄り添いながら向こうに歩いて行ってしまった。俺は唇を噛み締めると、雪子のいる部屋へと駆け出した。
部屋の鍵を開けて中に入ると、電気は付いていなくて真っ暗だった。3つ布団を並べて、その真ん中がこんもりと山になっている。もぞもぞ動いていて、そこに雪子が寝ているのだろう。
俺は手前の布団の上に胡座をかいて座り、
「雪子」
と話しかけると、布団から雪子が顔を出して、
「理?なんでここに」
と小さな声で言った。俺は頭をかきながら、
「美夜がさ」
とだけ言って、雪子を見つめた。
雪子は少し目を伏せてから、ゆっくりと起き上がって布団を剥がして正座した。俺もハッとして胡座から足を組み直して正座して、お互いに向かいあわせになって俯いている。
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