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第16話「対人戦闘開始(前編)」
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「な、なんなんあな、なんだぁ?!」
「ぎゃああああ!! あじぃぃいい!!」
突然の爆発に、男達が慌てふためく。
「狼狽えるな!! 早く火を消せ、ガキを守れッ!」
そこに奥から飛び出してきた、細身の男が指揮を執り始める。
腕の刺青から盗賊ギルドの、上位のものだと分かる。
「か、かかかか、カシラぁ! ば、爆発が、爆発で、爆発した!」
「アホォ! 見ればわかる───魔法使いの強襲かもしれんぞ。早くガードを固めろッ」
カシラの指揮の元、ワタワタと動き始める盗賊ギルドの面々。
一方で比較的冷静だったのは、やはり暗殺ギルドの手練れ達だろう。
雇い主であるギルドマスターの首根っこを掴んで素早く距離を取り、闇に身を沈める。
「───何が起こった?」
頭領と呼ばれた上位の暗殺者が、表で警戒していて負傷した部下に問うていた。
そいつは、外で運悪く爆発に巻き込まれ腕を失っていた。
「わ、わかりません───な、何かが街からやって来て突然倉庫が爆発したとしか……ぐふッ」
「ちっ!」
それきり事切れた部下を放り捨てると、
「───おい、貴様。他に、どこに声をかけた? アルガスとやらが魔法を使えるとは聞いていないぞ?」
今度は頭領が胸倉をつかんでギルドマスターを脅す。
彼の中では、別勢力が攻撃を仕掛けてきたと思っているのだろう。
「し、知らん! そりゃ、保険くらいは打っているが……自分がまきこまれるようなことを、するわけがないだろうが!」
それもそうだ。
「ふん! どうだか」
ギルドマスターを放り出すと、頭領は首をコキコキと鳴らす。
「ち……。まぁいい。どこのどいつか知らんが落とし前を付けてやる」
シュラン……! と鞘引く音を立て、頭領を始め居並ぶ暗殺者たちが毒に塗れた短剣を引き抜く。
「お、おい! それよりも、アルガスはどうするんだ?! おい、聞いてんのか?!」
「うるさい。お前の始末はあとだ。ま……安心しろ、アルガスは最高の暗殺者が───」
ドルドルドルドルドルドルドルドル……!
メリメリメリ───!!
突然変形し、音を立てて崩れていく倉庫の壁。
そして、爆炎を潜り抜けて来た鉄の塊が、男達の前に乱入した。
『───最高の暗殺者ってのはこいつか?』
怒気を孕んだ声。
そのまま破壊の大音響が響いたかと思うと、死体をぶら下げた鉄の塊がついに全身を表す。
まるでパンでも引き千切るかのように、圧倒的なパワーでバリバリバリと、倉庫の壁を破って突撃してきた。
「うひゃあ!!」
その勢いに、暗殺者も盗賊たちも慌てて飛び退る。
「な、なんだぁ?!」
「ど、どこのバカが破城槌持ち出しやがった!」
「た、建物が崩壊するぞ?!」
しかし、騒ぎなど聞いてもいないかのようにギャラギャラギャラ! と、けたたましい騒音と共に巨大な鉄の塊が堂々と倉庫に乗り込んできた。
「あ、アルガスさん!!」
『よう。無事だったか!』
檻の格子に縋りつくミィナ。
彼女は、あの鉄の塊に向かって話しかけたらしいのだが……───アルガス?
アルガスだって?!
「あ、あの中にアルガスがいるだと?!」
頭領が呆気に取られていると、
『テメェがコイツらの上司か? 鬱陶しいからぶっ飛ばしてやったぜ』
アルガスが戦車砲をウィィンと動かすと、その上にぶら下がっていた全身穴だらけになって事切れた、ボロクズのようになった暗殺者がいた。
「な?! わ、ワシの手練れが?!」
その死体を見て驚愕に目を染める頭領。
『は? 手練れ?……とんだ雑魚だったぞ』
ボト……。
無造作に捨てられた手練れ(笑)はブチッと、アルガスに轢き潰され地面の染みになった。
「な、なんてことを!?」
あまりの出来事に、冷静沈着だったはずの頭領がブルブルと震えている。
よくよく見れば、ぶち破られた壁の向こうには暗殺者たちの死体が点々と───……。
どうやら、死体がここまで導いてきたようだ。
それにしたって、足の速いはずの暗殺者がこうも一方的に?
いや、そんなことはどうでもいい!!
「やってくれたな、アルガス! もう、依頼などどうでもいい! 我らの誇りのために貴様をズタズタにしてくれるわ!!」
───行けぇぇええ!!
頭領の合図を元に、一斉にアルガス───もとい、重戦車ティーガーⅠに殺到する暗殺者たち!
彼らはどこかに隙間があるはずと、短剣を手に次々に襲い掛かるが───。
『効くわけねぇだろ、ターーコ』
ガキガキガキィィイン!!
一斉に振り下ろされた短剣が全て防がれる。
「て、鉄だとぉ?!」
「か、硬い!」
必殺の一撃は全て防がれ、暗殺者どもの短剣がぶち折れる。
そして、
『───ミィナ伏せてろッ! 異次元収納袋《アイテムボックス》からドロップ品の盾を出して隠れるんだ!』
「は、はいです!!」
ニュウーと、異次元収納袋を展開したミィナが、オーガナイトの盾を取り出しその下に身を隠す。
その瞬間アルガスが叫んだ!
『Sマイン投射!! ぶっ飛べ、暗殺者ども!!』
ポンポンポンッポォン!!
軽い発射音とともに、車体の四隅にあった車外発射装置からSマインが発射された。
突然の爆音に警戒していた暗殺者達だったが、特に何も起こらないことに─────。
「な、なんだ?」
「ビビらせやがって!」
「単なる、こけおどしだ!!」
暗殺者たちの目の前には、中空に放出された小さな鉄の筒が───。
バババッバァァァアアン!!
──────炸裂した。
「ぎゃああああ!! あじぃぃいい!!」
突然の爆発に、男達が慌てふためく。
「狼狽えるな!! 早く火を消せ、ガキを守れッ!」
そこに奥から飛び出してきた、細身の男が指揮を執り始める。
腕の刺青から盗賊ギルドの、上位のものだと分かる。
「か、かかかか、カシラぁ! ば、爆発が、爆発で、爆発した!」
「アホォ! 見ればわかる───魔法使いの強襲かもしれんぞ。早くガードを固めろッ」
カシラの指揮の元、ワタワタと動き始める盗賊ギルドの面々。
一方で比較的冷静だったのは、やはり暗殺ギルドの手練れ達だろう。
雇い主であるギルドマスターの首根っこを掴んで素早く距離を取り、闇に身を沈める。
「───何が起こった?」
頭領と呼ばれた上位の暗殺者が、表で警戒していて負傷した部下に問うていた。
そいつは、外で運悪く爆発に巻き込まれ腕を失っていた。
「わ、わかりません───な、何かが街からやって来て突然倉庫が爆発したとしか……ぐふッ」
「ちっ!」
それきり事切れた部下を放り捨てると、
「───おい、貴様。他に、どこに声をかけた? アルガスとやらが魔法を使えるとは聞いていないぞ?」
今度は頭領が胸倉をつかんでギルドマスターを脅す。
彼の中では、別勢力が攻撃を仕掛けてきたと思っているのだろう。
「し、知らん! そりゃ、保険くらいは打っているが……自分がまきこまれるようなことを、するわけがないだろうが!」
それもそうだ。
「ふん! どうだか」
ギルドマスターを放り出すと、頭領は首をコキコキと鳴らす。
「ち……。まぁいい。どこのどいつか知らんが落とし前を付けてやる」
シュラン……! と鞘引く音を立て、頭領を始め居並ぶ暗殺者たちが毒に塗れた短剣を引き抜く。
「お、おい! それよりも、アルガスはどうするんだ?! おい、聞いてんのか?!」
「うるさい。お前の始末はあとだ。ま……安心しろ、アルガスは最高の暗殺者が───」
ドルドルドルドルドルドルドルドル……!
メリメリメリ───!!
突然変形し、音を立てて崩れていく倉庫の壁。
そして、爆炎を潜り抜けて来た鉄の塊が、男達の前に乱入した。
『───最高の暗殺者ってのはこいつか?』
怒気を孕んだ声。
そのまま破壊の大音響が響いたかと思うと、死体をぶら下げた鉄の塊がついに全身を表す。
まるでパンでも引き千切るかのように、圧倒的なパワーでバリバリバリと、倉庫の壁を破って突撃してきた。
「うひゃあ!!」
その勢いに、暗殺者も盗賊たちも慌てて飛び退る。
「な、なんだぁ?!」
「ど、どこのバカが破城槌持ち出しやがった!」
「た、建物が崩壊するぞ?!」
しかし、騒ぎなど聞いてもいないかのようにギャラギャラギャラ! と、けたたましい騒音と共に巨大な鉄の塊が堂々と倉庫に乗り込んできた。
「あ、アルガスさん!!」
『よう。無事だったか!』
檻の格子に縋りつくミィナ。
彼女は、あの鉄の塊に向かって話しかけたらしいのだが……───アルガス?
アルガスだって?!
「あ、あの中にアルガスがいるだと?!」
頭領が呆気に取られていると、
『テメェがコイツらの上司か? 鬱陶しいからぶっ飛ばしてやったぜ』
アルガスが戦車砲をウィィンと動かすと、その上にぶら下がっていた全身穴だらけになって事切れた、ボロクズのようになった暗殺者がいた。
「な?! わ、ワシの手練れが?!」
その死体を見て驚愕に目を染める頭領。
『は? 手練れ?……とんだ雑魚だったぞ』
ボト……。
無造作に捨てられた手練れ(笑)はブチッと、アルガスに轢き潰され地面の染みになった。
「な、なんてことを!?」
あまりの出来事に、冷静沈着だったはずの頭領がブルブルと震えている。
よくよく見れば、ぶち破られた壁の向こうには暗殺者たちの死体が点々と───……。
どうやら、死体がここまで導いてきたようだ。
それにしたって、足の速いはずの暗殺者がこうも一方的に?
いや、そんなことはどうでもいい!!
「やってくれたな、アルガス! もう、依頼などどうでもいい! 我らの誇りのために貴様をズタズタにしてくれるわ!!」
───行けぇぇええ!!
頭領の合図を元に、一斉にアルガス───もとい、重戦車ティーガーⅠに殺到する暗殺者たち!
彼らはどこかに隙間があるはずと、短剣を手に次々に襲い掛かるが───。
『効くわけねぇだろ、ターーコ』
ガキガキガキィィイン!!
一斉に振り下ろされた短剣が全て防がれる。
「て、鉄だとぉ?!」
「か、硬い!」
必殺の一撃は全て防がれ、暗殺者どもの短剣がぶち折れる。
そして、
『───ミィナ伏せてろッ! 異次元収納袋《アイテムボックス》からドロップ品の盾を出して隠れるんだ!』
「は、はいです!!」
ニュウーと、異次元収納袋を展開したミィナが、オーガナイトの盾を取り出しその下に身を隠す。
その瞬間アルガスが叫んだ!
『Sマイン投射!! ぶっ飛べ、暗殺者ども!!』
ポンポンポンッポォン!!
軽い発射音とともに、車体の四隅にあった車外発射装置からSマインが発射された。
突然の爆音に警戒していた暗殺者達だったが、特に何も起こらないことに─────。
「な、なんだ?」
「ビビらせやがって!」
「単なる、こけおどしだ!!」
暗殺者たちの目の前には、中空に放出された小さな鉄の筒が───。
バババッバァァァアアン!!
──────炸裂した。
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