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第1部 高級クラブのお仕事
ドルチェの面接
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クローク前から細い通路を通って店のホールに入ると、その広さに圧倒された。クラブ若名の二倍はあるだろうか…若名が黒を基調にしたシックな感じなのに対し、ドルチェの壁は白くヨーロッパ風で、ベージュのカーペットに同じ色調のソファーがゆったりとした間隔で並んでいる。ホールの真ん中には黒光りしたグランドピアノがどっしりと腰をおろし、壁は高そうな抽象画や生け花で装飾されている。
涼平の前を歩いていた桂木部長は一番手前のボックスのソファにどっかりと座ると、すぐ横のガラスのパーテーションに写った自分の顔を見ながら髪の毛を弄りだす。涼平は直立したまま、所在なさげに店内を見回した。ホールの奥には大きな壺のような花瓶が据えられ、その前で生け花の先生らしき初老の女性がそこにどう花を生けるかをお弟子さんたちに指示を出している。ふと、その先生と目が合った気がしてお辞儀をすると、女性も丁寧にお辞儀を返してくれた。
その所作を目の端で捉えた桂木部長が、まるで今涼平の存在に気づいたかように、はよ座れやと前のソファに手をかざす。涼平はおずおずと、そこに座って居住まいを正した。
「学生って聞いたけど、ちゃんと時間いっぱいまで働けるんか?」
桂木部長は涼平に視線を向けず、セットとして置いてあった灰皿を手繰り寄せて煙草に火を点ける。高級料亭で皿として出されても遜色ないようなシックな瀬戸物の灰皿だった。
「はい、大学は辞めるんで大丈夫です」
「ほんでも何でまたこの仕事なんや?大学出たらちゃんとした仕事に就けるやろうに」
きつねのような尖った顔に、にんじんの葉っぱをつけたような薄毛が乗っかっている、そんな彼の風貌を見ながら、涼平は新喜劇でよく老婆の役をやっているガリガリのコメディアンに似ているなと思った。
「黒田さんの頼みやから面接引き受けたけどなあ~実はうちは今男の子いっぱいでなあ~」
また横のパーテーションに向いて髪の毛を弄りながら、桂木部長は残念そうな声色で言う。ダメならダメで仕方がない、涼平は早くこの場を去りたくて腰を浮かそうとした時、いつの間に近くに来たのか、さっきのお花の先生が後ろから声をかけてきた。
「この方、うちに来てくださるの?」
その声には幾分喜色が含まれている。それを聞いた桂木部長はさっと直立し、お疲れ様です、とさっきまでの投げ槍な態度とは正反対のきびきびとした口調で挨拶した。
「はい!明日から来てくれます!」
(え?明日て…そんな話ぜんぜんしてないやん!)
桂木の言葉に目を見開いた涼平に、お花の先生と思われた女性はにっこりと微笑みかける。
「そう。よろしくお願いしますね」
その表情に一瞬、涼平は祖母の面影を見た。隠居されているお金持ちのご婦人、そんなイメージの優しいおっとりとしたしゃべり方だった。和服のことはよく分からないが、洗練された着こなしが決して特別な日にだけ和装にしているのではないことを伺わせた。
「はい!よろしくお願いします!」
気がつくと涼平も直立し、そう返していた。それが、新地の女帝と言われたクラブドルチェのオーナーママとの出会いだった。
その後、明日からではなくバイトの最後のシフトの次の日から出勤したい旨を伝え、渋々といった感じで桂木部長の了承を得て店を出た。桂木はよほど涼平を入店させたくなかったのか、オーナーが去ってからは始終渋面で、ろくに入店してからの注意事項を述べることもなく涼平を帰らせた。
ドルチェを出た涼平は通りに立ち、思いっきり息を吸って吐き出した。きのうからの急展開に若干の戸惑いもあったが、新しい世界へ足を踏み入れるワクワク感も同時に感じていた。夕暮れ前の新地は酒屋などの業者が行き交い、店々も開店準備で忙しくしていてそれなりに慌ただしいが、そこにはこれから活動を始めようとする朝の街のような気怠さと活気があった。
涼平はそのまま街を離れる気になれず、取り敢えず借りたジャケットを返そうと、ドルチェのある上通りから一本北の本通りに移って準備中のシャレードの扉を開けた。カウンターの中で何かの下ごしらえをしていたマスターは涼平の姿を見ると、やあ、と気さくに声をかけてくれた。
「クラブ初体験はどうやった?」
「いやあ~最後は酔い潰れてしまいました。だからこれ、すぐに返しに来れなくてすみません」
「え?初体験のクラブで酔い潰れたの?それはなかなかの逸材やねぇ…」
「いやあ~あはは…そして、何と俺、北新地で働くことになりました!」
「え、何その驚き展開……それはちょっとその顛末を聞きたいなあ」
さすがこの新地で店舗を構えているマスターだけあって、驚きながらもテンポよく涼平の話に付き合ってくれた。涼平は萌未と一泊したところは伏せながらも、ドルチェで働くことになるまでの経緯を簡潔に話した。
「ドルチェかあ、それはすごいところで働くことになったね」
「マスターはドルチェのこと知ってるんですか?」
「あはは、あの店の名前知らんやつは新地ではもぐりやねえ」
「へぇ~有名なんですね。どんな店ですか?」
「う~ん、それは働いてからのお楽しみやねぇ」
マスターはにんまりとした笑顔でごまかした。そして、涼平がジャケットを脱いで渡すと、奥から取り出したきれいな紙袋にそれを畳んで入れ、
「就職祝いとして涼平くんにあげるよ」
と改めて手渡してくれた。
「え、いいんですかあ!?ありがとうございます。このジャケット着ると俺もこの街の住人の仲間入りした気分になります」
「そんなお古でよかったらやけどね」
「やったあ!俺、仕事終わったらちょくちょく飲みに来ますね」
「おお、かわいい子もいっぱい連れて来てや」
「う~ん、それはどうでしょ…」
そう言って笑い合ったが、萌未以上にかわいい女性を連れてこの店に来る自分の姿を想像できなかった。ただ、また三人でこの店で笑い合っている姿は容易に想像でき、ちょっと新地での生活が楽しく思えてきた。
シャレードを出てから、萌未にも報告しようと電話したが、彼女は出なかったのでメールで報告する。すると、
『おめでとう。部屋は自由に使っていいけど、あたしの私物や鍵のかかっている部屋には絶対に近づかないでね』
というメールがすぐに返ってきた。文面では昼間の怒りは感じられず、涼平はホッとした。
それから登録していたバイト先に電話して辞める旨を伝えた。寮からも出ないといけなかったので、荷物を引き上げるために一旦神戸まで戻った。寮の仲間たちに今回の決意を打ち明けると、お前はあほや、と腐しながらも、門出祝いの酒盛りを開いてくれた。結局寮を出たのは次の日の昼過ぎになっていた。
涼平はまず荷物を萌未のマンションに運び込んだ。次に、店で着るための黒いスーツを紳士服店で買い揃え、交通手段に中古の自転車を購入した。マンションから新地まで自転車で約15分といったところだった。
出勤時間は夕方の3時からと意外に早かったが、水商売には珍しく土日祝が休みなのは嬉しかった。仕事の上がりは最後の客が帰り、閉店作業が終わるまでは拘束されるが、それでも遅くとも夜中の3時までには解放されるとのことだった。
月給は固定で25万、しかも皆勤賞三万が別途支給されるという。身体だけは丈夫な涼平にとっては毎月30万弱の給料が保証されたようなものだった。初任給としては決して低い額ではない。少々ハードな仕事内容でも頑張れる気がした。贅沢さえしなければ萌未のマンションの家賃も払えるかもしれない…そんな大雑把な計算のもとに、涼平はそれからの生活に期待を膨らませた。
そうしていよいよ黒服になるという日を迎えるまで、萌未が部屋に戻ってくることはなかった。一体どこで寝泊まりしているのか不安だったが、この部屋で生活する条件の一つとして彼女の個人的なことには一切口出ししないというのがあり、涼平は一人ぼっちの夜を耐え忍んだ。いつ戻って来たのか、入るなと言われた萌未のお姉さんの部屋には、涼平が荷物を運び入れた日にはご丁寧にも外鍵が取り付けられていた。萌未に会うためだけのことを考えたならあのまま大学に通っていた方が機会が多かったかもしれないが、水商売への郷愁にも似た憧れが、涼平の胸を高ぶらせていた。
涼平の前を歩いていた桂木部長は一番手前のボックスのソファにどっかりと座ると、すぐ横のガラスのパーテーションに写った自分の顔を見ながら髪の毛を弄りだす。涼平は直立したまま、所在なさげに店内を見回した。ホールの奥には大きな壺のような花瓶が据えられ、その前で生け花の先生らしき初老の女性がそこにどう花を生けるかをお弟子さんたちに指示を出している。ふと、その先生と目が合った気がしてお辞儀をすると、女性も丁寧にお辞儀を返してくれた。
その所作を目の端で捉えた桂木部長が、まるで今涼平の存在に気づいたかように、はよ座れやと前のソファに手をかざす。涼平はおずおずと、そこに座って居住まいを正した。
「学生って聞いたけど、ちゃんと時間いっぱいまで働けるんか?」
桂木部長は涼平に視線を向けず、セットとして置いてあった灰皿を手繰り寄せて煙草に火を点ける。高級料亭で皿として出されても遜色ないようなシックな瀬戸物の灰皿だった。
「はい、大学は辞めるんで大丈夫です」
「ほんでも何でまたこの仕事なんや?大学出たらちゃんとした仕事に就けるやろうに」
きつねのような尖った顔に、にんじんの葉っぱをつけたような薄毛が乗っかっている、そんな彼の風貌を見ながら、涼平は新喜劇でよく老婆の役をやっているガリガリのコメディアンに似ているなと思った。
「黒田さんの頼みやから面接引き受けたけどなあ~実はうちは今男の子いっぱいでなあ~」
また横のパーテーションに向いて髪の毛を弄りながら、桂木部長は残念そうな声色で言う。ダメならダメで仕方がない、涼平は早くこの場を去りたくて腰を浮かそうとした時、いつの間に近くに来たのか、さっきのお花の先生が後ろから声をかけてきた。
「この方、うちに来てくださるの?」
その声には幾分喜色が含まれている。それを聞いた桂木部長はさっと直立し、お疲れ様です、とさっきまでの投げ槍な態度とは正反対のきびきびとした口調で挨拶した。
「はい!明日から来てくれます!」
(え?明日て…そんな話ぜんぜんしてないやん!)
桂木の言葉に目を見開いた涼平に、お花の先生と思われた女性はにっこりと微笑みかける。
「そう。よろしくお願いしますね」
その表情に一瞬、涼平は祖母の面影を見た。隠居されているお金持ちのご婦人、そんなイメージの優しいおっとりとしたしゃべり方だった。和服のことはよく分からないが、洗練された着こなしが決して特別な日にだけ和装にしているのではないことを伺わせた。
「はい!よろしくお願いします!」
気がつくと涼平も直立し、そう返していた。それが、新地の女帝と言われたクラブドルチェのオーナーママとの出会いだった。
その後、明日からではなくバイトの最後のシフトの次の日から出勤したい旨を伝え、渋々といった感じで桂木部長の了承を得て店を出た。桂木はよほど涼平を入店させたくなかったのか、オーナーが去ってからは始終渋面で、ろくに入店してからの注意事項を述べることもなく涼平を帰らせた。
ドルチェを出た涼平は通りに立ち、思いっきり息を吸って吐き出した。きのうからの急展開に若干の戸惑いもあったが、新しい世界へ足を踏み入れるワクワク感も同時に感じていた。夕暮れ前の新地は酒屋などの業者が行き交い、店々も開店準備で忙しくしていてそれなりに慌ただしいが、そこにはこれから活動を始めようとする朝の街のような気怠さと活気があった。
涼平はそのまま街を離れる気になれず、取り敢えず借りたジャケットを返そうと、ドルチェのある上通りから一本北の本通りに移って準備中のシャレードの扉を開けた。カウンターの中で何かの下ごしらえをしていたマスターは涼平の姿を見ると、やあ、と気さくに声をかけてくれた。
「クラブ初体験はどうやった?」
「いやあ~最後は酔い潰れてしまいました。だからこれ、すぐに返しに来れなくてすみません」
「え?初体験のクラブで酔い潰れたの?それはなかなかの逸材やねぇ…」
「いやあ~あはは…そして、何と俺、北新地で働くことになりました!」
「え、何その驚き展開……それはちょっとその顛末を聞きたいなあ」
さすがこの新地で店舗を構えているマスターだけあって、驚きながらもテンポよく涼平の話に付き合ってくれた。涼平は萌未と一泊したところは伏せながらも、ドルチェで働くことになるまでの経緯を簡潔に話した。
「ドルチェかあ、それはすごいところで働くことになったね」
「マスターはドルチェのこと知ってるんですか?」
「あはは、あの店の名前知らんやつは新地ではもぐりやねえ」
「へぇ~有名なんですね。どんな店ですか?」
「う~ん、それは働いてからのお楽しみやねぇ」
マスターはにんまりとした笑顔でごまかした。そして、涼平がジャケットを脱いで渡すと、奥から取り出したきれいな紙袋にそれを畳んで入れ、
「就職祝いとして涼平くんにあげるよ」
と改めて手渡してくれた。
「え、いいんですかあ!?ありがとうございます。このジャケット着ると俺もこの街の住人の仲間入りした気分になります」
「そんなお古でよかったらやけどね」
「やったあ!俺、仕事終わったらちょくちょく飲みに来ますね」
「おお、かわいい子もいっぱい連れて来てや」
「う~ん、それはどうでしょ…」
そう言って笑い合ったが、萌未以上にかわいい女性を連れてこの店に来る自分の姿を想像できなかった。ただ、また三人でこの店で笑い合っている姿は容易に想像でき、ちょっと新地での生活が楽しく思えてきた。
シャレードを出てから、萌未にも報告しようと電話したが、彼女は出なかったのでメールで報告する。すると、
『おめでとう。部屋は自由に使っていいけど、あたしの私物や鍵のかかっている部屋には絶対に近づかないでね』
というメールがすぐに返ってきた。文面では昼間の怒りは感じられず、涼平はホッとした。
それから登録していたバイト先に電話して辞める旨を伝えた。寮からも出ないといけなかったので、荷物を引き上げるために一旦神戸まで戻った。寮の仲間たちに今回の決意を打ち明けると、お前はあほや、と腐しながらも、門出祝いの酒盛りを開いてくれた。結局寮を出たのは次の日の昼過ぎになっていた。
涼平はまず荷物を萌未のマンションに運び込んだ。次に、店で着るための黒いスーツを紳士服店で買い揃え、交通手段に中古の自転車を購入した。マンションから新地まで自転車で約15分といったところだった。
出勤時間は夕方の3時からと意外に早かったが、水商売には珍しく土日祝が休みなのは嬉しかった。仕事の上がりは最後の客が帰り、閉店作業が終わるまでは拘束されるが、それでも遅くとも夜中の3時までには解放されるとのことだった。
月給は固定で25万、しかも皆勤賞三万が別途支給されるという。身体だけは丈夫な涼平にとっては毎月30万弱の給料が保証されたようなものだった。初任給としては決して低い額ではない。少々ハードな仕事内容でも頑張れる気がした。贅沢さえしなければ萌未のマンションの家賃も払えるかもしれない…そんな大雑把な計算のもとに、涼平はそれからの生活に期待を膨らませた。
そうしていよいよ黒服になるという日を迎えるまで、萌未が部屋に戻ってくることはなかった。一体どこで寝泊まりしているのか不安だったが、この部屋で生活する条件の一つとして彼女の個人的なことには一切口出ししないというのがあり、涼平は一人ぼっちの夜を耐え忍んだ。いつ戻って来たのか、入るなと言われた萌未のお姉さんの部屋には、涼平が荷物を運び入れた日にはご丁寧にも外鍵が取り付けられていた。萌未に会うためだけのことを考えたならあのまま大学に通っていた方が機会が多かったかもしれないが、水商売への郷愁にも似た憧れが、涼平の胸を高ぶらせていた。
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過去、一番真面目に書いた作品となりました。
ラストは結構ややこしいので前半からの「フラグ」を拾いながら読んでいただくと楽しんでもらえると思います。
全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それでは「よろひこー」!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
追伸
まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。
(。-人-。)
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