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第1部 高級クラブのお仕事
スカウト合戦
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2003年11月21日
その日の夕方、副社長から部長以下全員にミーティングの召集がかかっていた。涼平たちウエイターも、それぞれの作業を終えてからミーティングの行われる大きめのボックス席の末席に加わった。
「もうすぐ年末の稼ぎ時に入っていくのに、うちには最近戦力になる女性の入店がほとんどない」
谷村副社長はみんなの顔が見渡せる上座に陣取り、そう前置きするとやくざ顔負けのいかつい顔付きで全員の顔を見渡した。
谷村副社長は若い頃プロボクサーを目指していたらしく、体はがっしりとしていて、その辺の偉そうにしている社長以上に口髭を立派に生やした、眼光鋭い風貌の人だ。
「そこで、クリスマスイベントに入る前に戦力補強も兼ねて、お前らにスカウト合戦をやってもらう」
“スカウト合戦”という言葉に涼平以外の八名は顔を見合わせた。
「まあそうは言ってもスカウトの実力には差があるからな、二人一組でチームになってもらう。まあチーム戦というわけや。チームは実力が均衡するように俺が決めた」
(ん?てことは一人余るから、一番最近に入った俺は関係ないな…スカウトなんてやったことないし)
涼平はそう考えてホッと息を吐きながら、谷村副社長が何やら書いてあるノートをめくるのを眺めていた。
「まずはチーム分けやけど、桂木部長、鳴海部長、小寺次長、佐々木マネージャーにそれぞれチームリーダーになってもらう」
佐々木マネージャーがそれを聞き、え~と不満気に声を漏らす。副社長がチラッと佐々木を睨み、佐々木は肩をすくませた。
「次に組み合わせやけど、まずはこの中で一番実績のある鳴海部長にはスカウトに向いてなさそうな西口をつける」
スカウトに向いていないと言われた西口は、島根の田舎出身の素朴な人で、申し訳なさそうに鳴海部長の方を向くと、痩せた細い首をぺこんと下げた。鳴海部長は自慢の艶のある長い髪をかき揚げると、イエイ、と言って西口に親指を上げ、
「楽勝、楽勝」
と言った。鳴海部長はドルチェのスカウト隊長といったポジショニングにいる人で、営業中はほとんど店にいないか、玄関に立ったり客席に着いたりで、店内の仕事はほとんどしていない。ドルチェ在籍の綺麗所のホステスはほとんど彼が入店させたらしく、その実績からなのか、黒服にあるまじき長髪も認められているようだ。
髪の量からして対照的な桂木部長はそんな鳴海部長と犬猿の仲らしく、ふん、と聞こえよがしに鼻から息を吐いた。
「桂木部長には一番経験の浅い朝倉をつける」
副社長のその言葉に、桂木は腰を浮かせて物言いをつける。
「ちょっと待って下さい。俺はホステスの付け回しをやってるんすよ。一日中ぶらぶらしとる鳴海と張り合うにはハンデがあり過ぎますわ」
付け回しとはリストもしくはローテーションとも呼ばれ、営業中に客席にホステスを付ける役回りのことで、どの客にどの女性を付けるかでその日の営業利益が変わってくると言われるほど、営業中の黒服の仕事としては重要なポジションだ。
「いやメインは山田常務で君は補佐してるだけっしょ」
鳴海部長のツッコミに、
「ふんっお前に何が分かんねん」
と桂木部長が睨む。
「不服ならもう一人、椎原もつけたる」
二人のやり取りを見て付け足した副社長の言葉に、涼平はズルッとソファに付けた背中をずらした。自分は蚊帳の外と完全に安心しきっていた涼平だったが、いきなり水を向けられ、落ちかけた腰を浮かす。
(え~!俺もやるんかい!)
思わぬとばっちりに焦っていると、
「いらんいらん。朝倉だけでも足手まといやのに、こんなやついりませんわ」
とさらに桂木は不平を募らせ、涼平も今度ばかりは桂木のことを心の中で応援した。そんな涼平に、隣りから朝倉がピースサインを送る。その姿に、いや空気読んで、と心の中で突っ込む。桂木に副社長の言が飛ぶ。
「何や、椎原はお前が入れたそうやないか。お前が教えてやらんでどうすんねん。だいたい桂木、お前女性に対する言葉使いが悪いと聞いとるぞ。別にお前をつけ回しから外して、スカウト専門にしたってもええんやぞ。その代わり、結果出せんかったらどうなるか、分かってるやろな?」
谷村副社長のどすの利いた言葉に、桂木の顔はみるみる青くなる。
「いえ、分かりました!三人で頑張らせていただきます!」
桂木は肩を縮ませ、副社長に平服した。
(折れるん早!てことは、俺もスカウトやるんか~)
涼平はガクッと肩を落として心の中で突っ込みを入れ、鳴海部長は桂木の向かいの席からふふっと鼻を鳴らした。ゴホン、と咳を切って副社長が続ける。
「次に、小寺次長は関と組め。小寺もスカウト成績良くないぞ。事務方とはいえ、攻守出来てこそやぞ。ええな」
いつも冷静沈着な小寺次長は黒縁眼鏡を上にすり上げ、にっこり笑ったウェイター最年長の関と軽く会釈を交わした。
「最後は佐々木と河村主任のペアや。佐々木もボトル管理が忙しいかもしらんが、次期幹部候補なんやから今回はがんばって結果出してみぃ」
副社長の眼光が飛び、佐々木は、
「ほーい」
といつも通りの軽い乗りで返す。そして、
「がーんば!」
とおどけて河村に拳を突き出すと、河村は対照的な重い口調で、頑張りましょう、とがっちりその拳を両手で包んだ。
「いやここは拳を合わせるとこやから!河ちゃん、重いよ」
佐々木が突っ込みを入れながら河村の手を振りほどき、河村は周りに笑われながら仕切りに頭をかいた。
「あくまで入店させるのは戦力となる女性や。しょうもない女はいらん。目標は第一に客を持ってるホステス、第二に美女率を上げてくれるホステスや。ええな!」
谷村副社長が眼光鋭く声を張り、一同はい!と声を合わせた。
ミーティングが終わってから更衣室に上がると、事務所で作成されたと思われるスカウト合戦のルール説明の紙がすでに壁に張られていた。
・入店させたホステスが同伴1回したら1点
・自分の客を1人呼んだら1点
合計点が多かったチームの勝ちで1位のチームは賞金10万、2位は5万、三位は何も無しで、最下位は罰金5万、期間は本日よりクリスマスイベントが終わる12月25日まで、という内容だった。この内容だとただ女性を入店させるだけでは点にならず、初心者の涼平にはとうてい結果を残すことは無理なことに思われた。
「あ~あ、めんどくせーなー。負けて二人で5万はきついんでねえかい?」
詳しくは更衣室にルールが貼ってあるから見ておくように、という副社長の言葉を受けてみんなで5階の更衣室に上がってきたのだったが、ルール説明を見た佐々木マネがまず不満の声を漏らした。
「こつこつやればきっと大丈夫ですよ」
河村主任が真面目に返していたが、最後に入ってきた桂木部長がその河村の言葉を鼻で笑う。
「ふん、こつこつて…アホか。スカウトの厳しさ舐めるんやないで。おい、朝倉、椎原、チーム会議するぞ。すぐ降りてこい」
桂木部長に呼ばれ、涼平と朝倉は急いでホールに降りて奥のボックス席に座る。
「鳴海なんかに負ける訳にいかんからな。まあ小寺や佐々木たちなんてろくな女連れて来れんやろけど、念のためにお前らにも一人くらいは連れてきてもらわんとな。おい、朝倉、お前入れられそうな女おらんのか?」
「はあ…僕、ほ、ほとんど店で電話番ですから…」
「お前ここ入ってどれくらいになるねん」
「は、半年くらいです」
「半年も窓口おらんとよう生きとんなあ。今から俺と出るから準備せえ!椎原には何の期待もないけど、店終わってもすぐ帰るんやのうて、一日に一人くらいは声かけるんやで!まぐれっちゅうのもあるからなあ」
桂木部長はいつもの甲高い声で涼平たちを捲し立てると、朝倉と慌ただしく店を出ていった。手の空いている他の黒服連中も徐々にスカウトに出ていき、店には涼平と後藤店長、それにボトル管理をする佐々木マネージャーの三人だけになった。
(口座に窓口…何か銀行みたいやなあ)
涼平には桂木の言った窓口の意味が分からず、佐々木に聞こうと彼のいるボトルスペースへと向かう。
その日の夕方、副社長から部長以下全員にミーティングの召集がかかっていた。涼平たちウエイターも、それぞれの作業を終えてからミーティングの行われる大きめのボックス席の末席に加わった。
「もうすぐ年末の稼ぎ時に入っていくのに、うちには最近戦力になる女性の入店がほとんどない」
谷村副社長はみんなの顔が見渡せる上座に陣取り、そう前置きするとやくざ顔負けのいかつい顔付きで全員の顔を見渡した。
谷村副社長は若い頃プロボクサーを目指していたらしく、体はがっしりとしていて、その辺の偉そうにしている社長以上に口髭を立派に生やした、眼光鋭い風貌の人だ。
「そこで、クリスマスイベントに入る前に戦力補強も兼ねて、お前らにスカウト合戦をやってもらう」
“スカウト合戦”という言葉に涼平以外の八名は顔を見合わせた。
「まあそうは言ってもスカウトの実力には差があるからな、二人一組でチームになってもらう。まあチーム戦というわけや。チームは実力が均衡するように俺が決めた」
(ん?てことは一人余るから、一番最近に入った俺は関係ないな…スカウトなんてやったことないし)
涼平はそう考えてホッと息を吐きながら、谷村副社長が何やら書いてあるノートをめくるのを眺めていた。
「まずはチーム分けやけど、桂木部長、鳴海部長、小寺次長、佐々木マネージャーにそれぞれチームリーダーになってもらう」
佐々木マネージャーがそれを聞き、え~と不満気に声を漏らす。副社長がチラッと佐々木を睨み、佐々木は肩をすくませた。
「次に組み合わせやけど、まずはこの中で一番実績のある鳴海部長にはスカウトに向いてなさそうな西口をつける」
スカウトに向いていないと言われた西口は、島根の田舎出身の素朴な人で、申し訳なさそうに鳴海部長の方を向くと、痩せた細い首をぺこんと下げた。鳴海部長は自慢の艶のある長い髪をかき揚げると、イエイ、と言って西口に親指を上げ、
「楽勝、楽勝」
と言った。鳴海部長はドルチェのスカウト隊長といったポジショニングにいる人で、営業中はほとんど店にいないか、玄関に立ったり客席に着いたりで、店内の仕事はほとんどしていない。ドルチェ在籍の綺麗所のホステスはほとんど彼が入店させたらしく、その実績からなのか、黒服にあるまじき長髪も認められているようだ。
髪の量からして対照的な桂木部長はそんな鳴海部長と犬猿の仲らしく、ふん、と聞こえよがしに鼻から息を吐いた。
「桂木部長には一番経験の浅い朝倉をつける」
副社長のその言葉に、桂木は腰を浮かせて物言いをつける。
「ちょっと待って下さい。俺はホステスの付け回しをやってるんすよ。一日中ぶらぶらしとる鳴海と張り合うにはハンデがあり過ぎますわ」
付け回しとはリストもしくはローテーションとも呼ばれ、営業中に客席にホステスを付ける役回りのことで、どの客にどの女性を付けるかでその日の営業利益が変わってくると言われるほど、営業中の黒服の仕事としては重要なポジションだ。
「いやメインは山田常務で君は補佐してるだけっしょ」
鳴海部長のツッコミに、
「ふんっお前に何が分かんねん」
と桂木部長が睨む。
「不服ならもう一人、椎原もつけたる」
二人のやり取りを見て付け足した副社長の言葉に、涼平はズルッとソファに付けた背中をずらした。自分は蚊帳の外と完全に安心しきっていた涼平だったが、いきなり水を向けられ、落ちかけた腰を浮かす。
(え~!俺もやるんかい!)
思わぬとばっちりに焦っていると、
「いらんいらん。朝倉だけでも足手まといやのに、こんなやついりませんわ」
とさらに桂木は不平を募らせ、涼平も今度ばかりは桂木のことを心の中で応援した。そんな涼平に、隣りから朝倉がピースサインを送る。その姿に、いや空気読んで、と心の中で突っ込む。桂木に副社長の言が飛ぶ。
「何や、椎原はお前が入れたそうやないか。お前が教えてやらんでどうすんねん。だいたい桂木、お前女性に対する言葉使いが悪いと聞いとるぞ。別にお前をつけ回しから外して、スカウト専門にしたってもええんやぞ。その代わり、結果出せんかったらどうなるか、分かってるやろな?」
谷村副社長のどすの利いた言葉に、桂木の顔はみるみる青くなる。
「いえ、分かりました!三人で頑張らせていただきます!」
桂木は肩を縮ませ、副社長に平服した。
(折れるん早!てことは、俺もスカウトやるんか~)
涼平はガクッと肩を落として心の中で突っ込みを入れ、鳴海部長は桂木の向かいの席からふふっと鼻を鳴らした。ゴホン、と咳を切って副社長が続ける。
「次に、小寺次長は関と組め。小寺もスカウト成績良くないぞ。事務方とはいえ、攻守出来てこそやぞ。ええな」
いつも冷静沈着な小寺次長は黒縁眼鏡を上にすり上げ、にっこり笑ったウェイター最年長の関と軽く会釈を交わした。
「最後は佐々木と河村主任のペアや。佐々木もボトル管理が忙しいかもしらんが、次期幹部候補なんやから今回はがんばって結果出してみぃ」
副社長の眼光が飛び、佐々木は、
「ほーい」
といつも通りの軽い乗りで返す。そして、
「がーんば!」
とおどけて河村に拳を突き出すと、河村は対照的な重い口調で、頑張りましょう、とがっちりその拳を両手で包んだ。
「いやここは拳を合わせるとこやから!河ちゃん、重いよ」
佐々木が突っ込みを入れながら河村の手を振りほどき、河村は周りに笑われながら仕切りに頭をかいた。
「あくまで入店させるのは戦力となる女性や。しょうもない女はいらん。目標は第一に客を持ってるホステス、第二に美女率を上げてくれるホステスや。ええな!」
谷村副社長が眼光鋭く声を張り、一同はい!と声を合わせた。
ミーティングが終わってから更衣室に上がると、事務所で作成されたと思われるスカウト合戦のルール説明の紙がすでに壁に張られていた。
・入店させたホステスが同伴1回したら1点
・自分の客を1人呼んだら1点
合計点が多かったチームの勝ちで1位のチームは賞金10万、2位は5万、三位は何も無しで、最下位は罰金5万、期間は本日よりクリスマスイベントが終わる12月25日まで、という内容だった。この内容だとただ女性を入店させるだけでは点にならず、初心者の涼平にはとうてい結果を残すことは無理なことに思われた。
「あ~あ、めんどくせーなー。負けて二人で5万はきついんでねえかい?」
詳しくは更衣室にルールが貼ってあるから見ておくように、という副社長の言葉を受けてみんなで5階の更衣室に上がってきたのだったが、ルール説明を見た佐々木マネがまず不満の声を漏らした。
「こつこつやればきっと大丈夫ですよ」
河村主任が真面目に返していたが、最後に入ってきた桂木部長がその河村の言葉を鼻で笑う。
「ふん、こつこつて…アホか。スカウトの厳しさ舐めるんやないで。おい、朝倉、椎原、チーム会議するぞ。すぐ降りてこい」
桂木部長に呼ばれ、涼平と朝倉は急いでホールに降りて奥のボックス席に座る。
「鳴海なんかに負ける訳にいかんからな。まあ小寺や佐々木たちなんてろくな女連れて来れんやろけど、念のためにお前らにも一人くらいは連れてきてもらわんとな。おい、朝倉、お前入れられそうな女おらんのか?」
「はあ…僕、ほ、ほとんど店で電話番ですから…」
「お前ここ入ってどれくらいになるねん」
「は、半年くらいです」
「半年も窓口おらんとよう生きとんなあ。今から俺と出るから準備せえ!椎原には何の期待もないけど、店終わってもすぐ帰るんやのうて、一日に一人くらいは声かけるんやで!まぐれっちゅうのもあるからなあ」
桂木部長はいつもの甲高い声で涼平たちを捲し立てると、朝倉と慌ただしく店を出ていった。手の空いている他の黒服連中も徐々にスカウトに出ていき、店には涼平と後藤店長、それにボトル管理をする佐々木マネージャーの三人だけになった。
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「特攻隊」という「難しい題材」を扱いますので、かなり真面目に資料集めをして制作しました。
「第20振武隊」という実在する部隊が出てきますが、基本的に事実に基づいた背景を活かした「フィクション」作品と思ってお読みください。
日本を護ってくれた「先人」に尊敬の念をもって書きましたので、ほとんどおふざけは有りません。
過去、一番真面目に書いた作品となりました。
ラストは結構ややこしいので前半からの「フラグ」を拾いながら読んでいただくと楽しんでもらえると思います。
全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それでは「よろひこー」!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
追伸
まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。
(。-人-。)
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