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第2部 萌未の手記
敵との初同伴
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高ぶる神経を何とか抑えて一眠りすると(といってもほとんど眠れなかったのだけど)、昼前には起き出し、身支度を整えで名刺に書かれた宮本の職場に行ってみることにした。
あたしが生まれ、大塚のお父さんが亡くなるまで住んでいたのはどこにでもあるような近郊都市で、中学の頃に駅が高架されてからは田舎町から大都会の付属品へとシフトチェンジしようとしているような変貌を遂げていた。
どこにでもあるようなガラス張りの高架下の一角に、そのモデルルームはあった。真新しい家具やベッドの配置された区画の端に、デスクや接客用のスツールの置かれたスペースがある。ざっと目を走らせたが、宮本の姿は無かった。
ドア前に置かれたパンフレットを手に取り、すぐ横の壁にもたれてしばらく観察する。
ディベロッパーというのだろうか…普通の不動産屋と違うところは賃貸業務だけではなく、企画や開発、建設に分譲といった不動産会社が扱う仕事を手広く手掛けているようだった。
チロチロと行き来する人たちを伺っていた、そのとき…
「君は確か…」
後ろからの声にはっとして振り返る。
そこにはやつがいた!
宮本拓也!
あまりにも予期せぬ出会いに胸が大きく脈打ち、息が詰まる。
「そうそう、若名の…確か…」
咳込んで言葉がうまく発せられない。
(待ちに待ったチャンスがきているんだ、落ち着け!)
小さく深呼吸する。
「あ…こ、この前はありがとうございました。宮本さんですよね?」
「うん。君は確か、めぐみちゃんだったね。こんなところでどうしたの?」
「はい、実はあたしの実家、この近くなんです。宮本さんこそ、どうしてここに?」
何とかうまく言葉が滑り出し、立て直すことができた。
「いやあ~僕は君が見ているショールームの所長なんだよ。偶然だね。何か物件を探してるのかい?」
「え?あ、いえ、あの家具素敵だなぁ~って思って…」
適当な家具を指差す。
「う~ん、家具かあ、ごめんね、あれは売り物じゃないんだよ」
「あ、いえ、ただ見ていただけですから…」
そこで相手の出方を見る。が、宮本の方もこちらの言葉を待っているようで、しばし沈黙が流れた。あたしはショーウインドウに映る自分を見て顔がむくんでいないかチェックする…
て、おいおい、こんな可愛い子と偶然出会えたんだよ?お茶でもどう?とか言って誘えよ!
などと念を送ってみるがそういう流れにはなりそうもなく、仕方がないので一か八か、こちらからモーションかけてみることにした。
「あの……いきなりこんなこと言うと引かれるかもしれないんですが、あたし、まだ入店して間がなくて……もうすぐクリスマスじゃないですか?なんか新入店でもノルマがかかっちゃうみたいで…宮本さんみたいな素敵な方に助けていただけたらすごく嬉しいんですけど…あの、あたしの実家と宮本さんの職場が近いのも何かの縁、もしよかったら今度、あたしと同伴していただけませんか?」
言って、いたいけな少女の目で宮本を見つめる。さあ、どうする?
「う~ん、同伴かあ…実は新地の店をあまり知らなくてね、どうだろう?この辺の店で食べてから新地に向かうというのは…それでよければ、だけど……」
たぶんあたしの顔はキョトンとしていたと思う。一度宮本の言葉を反芻してみる、
「え……それって、今日ってことですか?」
「え、あれ?今日ってことじゃなかったのかな?ごめん、空気が読めなくて…」
今日かい!
正直、きのう遅くまで飲んでからのゴタゴタでちょっとゆっくりしたかったのだが……
ええい!こんなシチュエーションはもう来ないかもしれない。あたしは顔の前でブンブン手を振る。
「いえいえ、そんなにすぐにお願いきいていただけると思わなくて…すっごく嬉しいです!ぜひ、今日同伴して下さい!」
「じゃあ、僕はまだもう少し仕事があるから…6時にここに来れるかい?」
「6時ですね。あたしもお店の用意して来ます。ありがとうございます!」
両手を膝に添え、直角に頭を下げる。思いっきり清純派の演技。
簡単よ、あたしはヒロインを演じたことがあるんだから……
志保姉の顔が浮かび、チリッと胸を刺す。
「そう。じゃあ、6時に」
宮本はそのまま事務所に入って行った。
あたしは急いでミナミの家に帰り、準備を整えて新地の美容室に向かった。
とりあえず今日のところは宮本の気を惹き、あたしという存在をアピールしないといけない。
それが今日の最低限のミッションだ。
あせっちゃ、だめ。
じっくり、じっくり………
待ち合わせの6時にまたモデルルーム前で落ち合い、宮本が案内したのは、彼の働く駅前の不動産屋から歩いてすぐの割烹だった。
高級すぎず庶民的すぎず、落ち着いた感じの店の個室を予約していた。
「わぁ~素敵なお店ですね」
「ここはうちの従業員たちとよく飲みに来る店でね、何でも美味しいから好きなもの頼んで」
選ぶのがめんどうだったので、手頃なコース料理を頼む。
「えーと、めぐみちゃんは出勤前だからあまり飲まない方がいいかな?ジュースでいいよね?」
「あ、あたしもお酒飲みます。あたし、こう見えても強いんですよ」
「そうなんだ…でも、店でも飲むやろうから無理はよくないよ。ノンアルにしよう」
まじめか。
あたしは仕方なくウーロン茶を頼み、宮本のビールと乾杯した。
「あぁ~でも嬉しい。あたし、宮本さんってカッコいいなあ~って思ってたんですよ。玲緒さんが羨ましくて。お席にも着きたかったけど、玲緒さんぜんぜん呼んでくれないんだもん」
ほっぺをあざとくふくらます。
「あ、でも今日はあたしなんかと同伴していただいて、玲緒さん、焼きもち焼かないかなあ?」
わざとらしくそんなことを言う。しばらくは、もしくはもう二度と、玲緒とは同伴出来ないだろう。心の中で笑う。
「いやいや、玲緒はただの幼馴染みだよ。せがまれて仕方なく、ね」
宮本は玲緒が警察に捕まったことはまだ知らないらしく、困り顔で首を振った。
それにしてはちょくちょく来てたけど?
本命がいたとしても、別の雌犬が尻尾を振ってきたらあたかも本命には気の無い素振りをする。男ってそんなもんだ。どんどん見せてくれ、その俗物根性を。そしてあたしの決意を揺らぎのないものにしていってくれ。
「え~、じゃあ、宮本さんは今お付き合いされてる方とかいはらないんですか?」
われながら、どこから声を出してるんだ、と思う声で聞く。
さあ、どう答える?
「う~ん…今は、いないかな」
は、出た!
お前にはフィアンセがいて、それで志保姉を振ったのと違うんかい!
いや、振ったんじゃない。
殺したんだ。
いけない、目が鋭くなってしまう…
あたしは向かいの宮本から目をそらし、小さな深呼吸して気持ちを落ち着かせた。
そんなあたしに宮本がやっとアプローチしてきた。
「そんなことより、めぐみちゃんはまだ若いのに、何でまたクラブなんかで働いてるんだい?」
あんたを陥れるためよ!
ていうか、クラブなんかって、ずいぶん上から言ってくれるわね。
「あたし、クラブのお仕事好きですよ?ずっと憧れてたんです」
いけない、声が鋭くなっちゃった。
気をつけないと。
憧れてたのは本当。
母親を見てきたあたしはお水は嫌いだったけど、志保姉が働き出してから、いつか一緒に働くことができたら楽しいだろうなって思ってた。
「そっか…」
宮本はそこで黙ってしまった。
意外に無口?
このままだと話す前よりも距離が遠ざかってしまう…
そう思ったあたしは、それからは真剣になりそうな話題は避けて、その辺のホステスがやるように、当たり障りのない話でその場を盛り上げようとした。電話番号も交換し、何とかいつでも自然に連絡が取れる仲になった。
今日のところはそれでいい。
これからじっくり、攻めていってあげる。
食事が終わり、宮本はタクシーで新地まで送ってくれた。店に着くと、黒田店長に宮本とどうやってコンタクトを取ったかしつこく聞かれたので、偶然出会ったのだとだけ伝えた。
ここまでは順調に思われた。
だが、あたしにはまだ、思わぬ伏兵がいた。
その伏兵の名は、綺羅《きら》ママ。
クラブ若名は若名百合子というオーナーママの下に、四人の雇われママがいる。
綺羅ママはそのうちの一人で、売り上げは若名で1番とのこと。
その綺羅ママが、あたしが宮本と入ってくるのを待ち構えていた。
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どこにでもあるようなガラス張りの高架下の一角に、そのモデルルームはあった。真新しい家具やベッドの配置された区画の端に、デスクや接客用のスツールの置かれたスペースがある。ざっと目を走らせたが、宮本の姿は無かった。
ドア前に置かれたパンフレットを手に取り、すぐ横の壁にもたれてしばらく観察する。
ディベロッパーというのだろうか…普通の不動産屋と違うところは賃貸業務だけではなく、企画や開発、建設に分譲といった不動産会社が扱う仕事を手広く手掛けているようだった。
チロチロと行き来する人たちを伺っていた、そのとき…
「君は確か…」
後ろからの声にはっとして振り返る。
そこにはやつがいた!
宮本拓也!
あまりにも予期せぬ出会いに胸が大きく脈打ち、息が詰まる。
「そうそう、若名の…確か…」
咳込んで言葉がうまく発せられない。
(待ちに待ったチャンスがきているんだ、落ち着け!)
小さく深呼吸する。
「あ…こ、この前はありがとうございました。宮本さんですよね?」
「うん。君は確か、めぐみちゃんだったね。こんなところでどうしたの?」
「はい、実はあたしの実家、この近くなんです。宮本さんこそ、どうしてここに?」
何とかうまく言葉が滑り出し、立て直すことができた。
「いやあ~僕は君が見ているショールームの所長なんだよ。偶然だね。何か物件を探してるのかい?」
「え?あ、いえ、あの家具素敵だなぁ~って思って…」
適当な家具を指差す。
「う~ん、家具かあ、ごめんね、あれは売り物じゃないんだよ」
「あ、いえ、ただ見ていただけですから…」
そこで相手の出方を見る。が、宮本の方もこちらの言葉を待っているようで、しばし沈黙が流れた。あたしはショーウインドウに映る自分を見て顔がむくんでいないかチェックする…
て、おいおい、こんな可愛い子と偶然出会えたんだよ?お茶でもどう?とか言って誘えよ!
などと念を送ってみるがそういう流れにはなりそうもなく、仕方がないので一か八か、こちらからモーションかけてみることにした。
「あの……いきなりこんなこと言うと引かれるかもしれないんですが、あたし、まだ入店して間がなくて……もうすぐクリスマスじゃないですか?なんか新入店でもノルマがかかっちゃうみたいで…宮本さんみたいな素敵な方に助けていただけたらすごく嬉しいんですけど…あの、あたしの実家と宮本さんの職場が近いのも何かの縁、もしよかったら今度、あたしと同伴していただけませんか?」
言って、いたいけな少女の目で宮本を見つめる。さあ、どうする?
「う~ん、同伴かあ…実は新地の店をあまり知らなくてね、どうだろう?この辺の店で食べてから新地に向かうというのは…それでよければ、だけど……」
たぶんあたしの顔はキョトンとしていたと思う。一度宮本の言葉を反芻してみる、
「え……それって、今日ってことですか?」
「え、あれ?今日ってことじゃなかったのかな?ごめん、空気が読めなくて…」
今日かい!
正直、きのう遅くまで飲んでからのゴタゴタでちょっとゆっくりしたかったのだが……
ええい!こんなシチュエーションはもう来ないかもしれない。あたしは顔の前でブンブン手を振る。
「いえいえ、そんなにすぐにお願いきいていただけると思わなくて…すっごく嬉しいです!ぜひ、今日同伴して下さい!」
「じゃあ、僕はまだもう少し仕事があるから…6時にここに来れるかい?」
「6時ですね。あたしもお店の用意して来ます。ありがとうございます!」
両手を膝に添え、直角に頭を下げる。思いっきり清純派の演技。
簡単よ、あたしはヒロインを演じたことがあるんだから……
志保姉の顔が浮かび、チリッと胸を刺す。
「そう。じゃあ、6時に」
宮本はそのまま事務所に入って行った。
あたしは急いでミナミの家に帰り、準備を整えて新地の美容室に向かった。
とりあえず今日のところは宮本の気を惹き、あたしという存在をアピールしないといけない。
それが今日の最低限のミッションだ。
あせっちゃ、だめ。
じっくり、じっくり………
待ち合わせの6時にまたモデルルーム前で落ち合い、宮本が案内したのは、彼の働く駅前の不動産屋から歩いてすぐの割烹だった。
高級すぎず庶民的すぎず、落ち着いた感じの店の個室を予約していた。
「わぁ~素敵なお店ですね」
「ここはうちの従業員たちとよく飲みに来る店でね、何でも美味しいから好きなもの頼んで」
選ぶのがめんどうだったので、手頃なコース料理を頼む。
「えーと、めぐみちゃんは出勤前だからあまり飲まない方がいいかな?ジュースでいいよね?」
「あ、あたしもお酒飲みます。あたし、こう見えても強いんですよ」
「そうなんだ…でも、店でも飲むやろうから無理はよくないよ。ノンアルにしよう」
まじめか。
あたしは仕方なくウーロン茶を頼み、宮本のビールと乾杯した。
「あぁ~でも嬉しい。あたし、宮本さんってカッコいいなあ~って思ってたんですよ。玲緒さんが羨ましくて。お席にも着きたかったけど、玲緒さんぜんぜん呼んでくれないんだもん」
ほっぺをあざとくふくらます。
「あ、でも今日はあたしなんかと同伴していただいて、玲緒さん、焼きもち焼かないかなあ?」
わざとらしくそんなことを言う。しばらくは、もしくはもう二度と、玲緒とは同伴出来ないだろう。心の中で笑う。
「いやいや、玲緒はただの幼馴染みだよ。せがまれて仕方なく、ね」
宮本は玲緒が警察に捕まったことはまだ知らないらしく、困り顔で首を振った。
それにしてはちょくちょく来てたけど?
本命がいたとしても、別の雌犬が尻尾を振ってきたらあたかも本命には気の無い素振りをする。男ってそんなもんだ。どんどん見せてくれ、その俗物根性を。そしてあたしの決意を揺らぎのないものにしていってくれ。
「え~、じゃあ、宮本さんは今お付き合いされてる方とかいはらないんですか?」
われながら、どこから声を出してるんだ、と思う声で聞く。
さあ、どう答える?
「う~ん…今は、いないかな」
は、出た!
お前にはフィアンセがいて、それで志保姉を振ったのと違うんかい!
いや、振ったんじゃない。
殺したんだ。
いけない、目が鋭くなってしまう…
あたしは向かいの宮本から目をそらし、小さな深呼吸して気持ちを落ち着かせた。
そんなあたしに宮本がやっとアプローチしてきた。
「そんなことより、めぐみちゃんはまだ若いのに、何でまたクラブなんかで働いてるんだい?」
あんたを陥れるためよ!
ていうか、クラブなんかって、ずいぶん上から言ってくれるわね。
「あたし、クラブのお仕事好きですよ?ずっと憧れてたんです」
いけない、声が鋭くなっちゃった。
気をつけないと。
憧れてたのは本当。
母親を見てきたあたしはお水は嫌いだったけど、志保姉が働き出してから、いつか一緒に働くことができたら楽しいだろうなって思ってた。
「そっか…」
宮本はそこで黙ってしまった。
意外に無口?
このままだと話す前よりも距離が遠ざかってしまう…
そう思ったあたしは、それからは真剣になりそうな話題は避けて、その辺のホステスがやるように、当たり障りのない話でその場を盛り上げようとした。電話番号も交換し、何とかいつでも自然に連絡が取れる仲になった。
今日のところはそれでいい。
これからじっくり、攻めていってあげる。
食事が終わり、宮本はタクシーで新地まで送ってくれた。店に着くと、黒田店長に宮本とどうやってコンタクトを取ったかしつこく聞かれたので、偶然出会ったのだとだけ伝えた。
ここまでは順調に思われた。
だが、あたしにはまだ、思わぬ伏兵がいた。
その伏兵の名は、綺羅《きら》ママ。
クラブ若名は若名百合子というオーナーママの下に、四人の雇われママがいる。
綺羅ママはそのうちの一人で、売り上げは若名で1番とのこと。
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過去、一番真面目に書いた作品となりました。
ラストは結構ややこしいので前半からの「フラグ」を拾いながら読んでいただくと楽しんでもらえると思います。
全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それでは「よろひこー」!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
追伸
まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。
(。-人-。)
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