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第2部 萌未の手記
夜遊びサイト
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「僕な、情報を取るためにいろいろネットの夜遊びサイトに目を通してるんやけどな、そこで若名のオモロイ記事見つけてな」
雅子ママ口座の瀧内さんがなぜ自分を指名したのか気になって聞くと、彼はそう言ってニヤッとした顔を向けた。夜遊びサイト…そういうものがあるのか、とあたしは続きに耳を傾けた。
「なんや香里奈っちゅうホステスが悪さして、他のホステスを辞めさせてるらしいやないか」
香里奈の名前が出て、あたしは一瞬目を見開く。ちょうど、失礼します、と店員さんが暖簾を開けて頼んだ日本酒とお通しを置いていく。
「ささ、どうぞ」
瀧内さんがあたしのおちょこにお酒を注ぎ、あたしも注ぎ返して乾杯する。吟醸のフルーティーな香りが口の中に広がった。
「ほんでね、雅子ママに尋ねたんや。そんないけずなホステスがあんたの店にいるんかって。ほんなら、ちょうど今その香里奈っちゅうホステスとクビをかけて同伴を張り合ってるホステスがいるっちゅうやないか。どんなホステスが一回顔見てみたい思うてな、そんでこの席を設けさせてもらいましたんや」
「こんな顔です」
あたしはおどけた顔を作った。
「わはは、顔はべっぴんさんやけど、やってることはオモロイがな。そんで首尾はどうですのや?」
「いっぱいいっぱいです」
今度は口を目一杯曲げて見せる。
「いや僕もな、そういう正義感強いのは好きや。もし負けそうなんやったら言いや。僕も応援させてもらいますわ」
「わあ~ありがとうございます」
正義感が強いわけではなかったが、着物を売りつけられるわけではなかったのでホッとした。それにしても、誰が夜遊びサイトなるものにそんな記事を書いたんだろう?
それに関しては一つ思い当たることがあった。
(さくらね、香里奈さんに爆弾投下しちゃったん)
きのうのさくらの言葉だ。さくらの言う爆弾って、もしかしてこういうことだった?
8時半が近づき店に入ると、荷物を置く間もなく席から呼ばれた。
「同伴やでぇ!早すぎるんちゃう?」
雅子ママが怒って呼びに来た林マネージャーに噛みつく。雅子ママは黒生地に色とりどりと花を散りばめた着物を着ていて、着物のことは詳しくないけど、それがフォーマルなものだということくらいは分かった。きっと瀧内さんから買ったものなのだろう。
「ええがなええがな、萌未ちゃんも同伴勝負のためにいろんな席回らなあかんやろから、行っといで」
貫禄のある雅子ママのドスの利いた声に怯んだ林マネージャーだったが、瀧内さんの言葉に頭を下げた。
移った先はかんなママの長谷部さんの席だった。
「いよ!めぐっちゃん!おいであそばせ!」
かんなママのテンション高い声が響き、席から拍手が湧き上がった。
「君が萌未か。長谷部いいます。どうぞよろしく」
君が…
ここでも話題になってるみたい…
長谷部さんは白髪の混じったグレーの髪をバックに流し、恰幅のいい体に髪と同じグレーの質の良さそうなスーツを着込んだ紳士だった。席には社員さんだろうか?二人のスーツ姿の男性を付き従え、店でも一番大きなボックス席に陣取っていた。
「ママ、いい子やないか。こんな子辞めさせたら、あかんで」
「分かってますよぉ。私もこの店でママ張ってる一人として、あんなんにいつまでもでかい顔させますかいなぁ」
あんなん、が綺羅ママのことであることは、ニュアンスで何となく分かった。
かんなママはママたちの中ではサバサバとした、側頭部と後頭部を短く刈ったいわゆるピクシーカットにモード系のファッションを着込んだ、学生時代に団体球技に打ち込んでましたって感じのボーイッシュなママだ。若名で働くことになった当初、なっちゃんにママの特徴を教えてもらったとき、弥生ママとかんなママは若名では10年選手なのだと聞いていた。
ただ、それにしても、店中に同伴勝負のことが広がり過ぎている気がする。
夜遊びサイトというワードが頭に浮かぶ。
それがどういうものなのかは分からないが、お客さんみんながそれを見ているとも思えない。
誰がこんなに広げてるんだろうか……
当初は綺羅ママ陣営がそれを広め、あたしを他の席に着かせない戦略だと思っていたが、どうもそうではなさそうだ。いや、そういう戦略だったが蓋を開けてみると違う方向に向いてしまったのだろうか……?
真意はどうあれ、今や昔馴染みのお客さんの中にあたしを応援する声が増えてきているのが実感として感じられた。
一方、香里奈サイドには不穏な風が吹き始めていた。
この日の同伴が引き、後半のお客さんが押し寄せる合間にトイレに向かったとき、
「あんたらええ加減にしぃやあ!」
という綺羅ママの甲高い声が聞こえた。若名はエレベーターを降りてエントランスを入るとレジさんが二人座っているカウンターがあり、その後ろにお客さんの荷物を預かるスペース、そしてその奥にホステス用のトイレがある。綺羅ママはそのレジ前に陣取っていて、そこにいる黒田店長に怒鳴っていた。
「あんたら、寄ってたかってうちを潰すつもりなんか!?どないやねん!」
「いや、ママ、イベント中はママも協力してもらわんと、そんな全部が全部ママの言う通りに女の子を回せません…」
「それがナンバー1のママに言うことかあ?ああ!?」
レジ横にはお客さん用のトイレがあるし、いつエレベーターでお客さんが上がってくるとも分からない。綺羅ママの声はお客さんに聞こえることにはお構いなしに響き渡っていた。
そのママの横をすり抜けてトイレに入ろうとする。
じぃ~っと見られる視線を感じる。
横目に見ると綺羅ママが睨んでいる。
「何見てんねん!」
「いえ…」
そそくさとトイレに入る。
出るとまた視線を感じる。
じぃ~っと…
いつもはトイレ前で化粧直しをするんだけど、いたたまれずにホールの奥の階段へと向かった。ホールを抜けて入り口とは反対側のドアを開けると非常階段があり、そこの段に腰掛けてよく席に着いていないホステスが携帯を見たりしている。踊り場には足の長い灰皿が立ててあり、そこに寒さに身を震わせながら煙草を吸っているなっちゃんを見つけた。
「聞いた?」
なっちゃんはあたしが近寄ると口を耳に寄せて言った。さっきの綺羅ママのことだと思い、うんうんと頷く。
「同伴のお客さんを怒って帰らせたらしいよ」
「こわかったよ~」
あたしがなっちゃんに抱きつくと、
「お、あったかくていいねぇ、ちょっとそのままでいて」
と残りの煙草を吸った。
「やっぱり無理してるんと違うかなぁ?こういうイベントのときはただでさえお客さんが立て込むから思ったように女の子が席に揃わないでしょ?そこに加えて同伴勝負で強引に動員かけるから、ああいうことになるのよねぇ。めぐちゃんみたいにいろんな口座に振ってもらえたら口座の負担は少ないけど、香里奈は綺羅ママオンリーでしょ?今まで独占してた付けが回ってんのよ」
「あ、負担って言った。やっぱりなっちゃん、しんどかった?」
「私の場合はほら、ちゃんとお客さんを手なづけてますから?みんなイベントの時はかえって気を使ってくれるのよ」
そういえばきのうの牛戸さんをはじめ、稲垣さんも岡村さんも山本先生も、みんな気を使って早めに帰って行った。クラブは時間制ではないけど、こういうイベントの時に気を使ってくれるというのはきっと、普段のなっちゃんの心づかいの賜物なんだろうな、と思った。
この日の営業終わり、さくらとご飯を食べに行った。夜遊びサイトのことが気になっていたので、さくらに思い当たることはないかと尋ねた。すると、
「ん?それね、さくらが書いたん」
と、あっけらかんと答える。
「え?さくらちゃん、パソコンとかやるんだ…」
「さくらね、ネットサーフィンが趣味なん。掲示板に書き込むくらい簡単だよ」
うん、何となく、頷ける趣味だ。ひとつ、疑問が解けてちょっとスッキリした。
「そうそう、あたしね、紀香さんに会って来たよ」
「そうなん?紀香さん、元気やった?」
「うん…紀香さんね、さくらちゃんのこと、お客さんのこと癒やしてあげられるいいホステスさんやって言ってはったよ」
「ほんと?嬉しい。さくらね、紀香さんがいなかったらきっとすぐに若名を辞めてたよ。でもこうやってめぐみちゃんとも会えたんやもん、辞めなくてよかったよ。めぐみちゃん、香里奈さんに勝って、紀香さんの敵打ってね、絶対」
「うん。さくらちゃんのお陰でね、同伴一つ出来たしね。ありがとうね」
「ううん、さくらなんてそんなことしか出来なくて…」
そう言うとさくらはじっとあたしの顔を覗き込んできた。
「めぐみちゃん?」
「ん?何?」
「さくらのこと、気持ち悪くない?」
「え?何で?」
「だって…女の子が女の子を好きになるなんて…さくらね、玲緒さんが始めてやったんよ。さくら、それまではそんなことなかったん」
「気持ち悪くなんかないよ、全然」
気持ち悪いといえばあたしなんて中学の頃におやじ狩りなんてしてたし、今も整形して年も顔も偽って、虎視眈々と志保姉の仇討ちのためだけに生きている。純情なさくらと違って、そっちの方がよっぽど気持ち悪い生き方に思える。
「そっか、よかったあ!さくらね、今はめぐみちゃんが1番好き!あ、変な意味やないよ、友達として。めぐみちゃん見てるとさくらもがんばらなきゃって思えるん。めぐみちゃん、これからもよろしくね」
「うん、こちらこそよろしく。あたしもさくらちゃん、好きよ」
満面の笑みを浮かべるさくらの頭を、よしよしと撫でたい衝動にかられた。
あたしの方が2つ年下だけど…。
雅子ママ口座の瀧内さんがなぜ自分を指名したのか気になって聞くと、彼はそう言ってニヤッとした顔を向けた。夜遊びサイト…そういうものがあるのか、とあたしは続きに耳を傾けた。
「なんや香里奈っちゅうホステスが悪さして、他のホステスを辞めさせてるらしいやないか」
香里奈の名前が出て、あたしは一瞬目を見開く。ちょうど、失礼します、と店員さんが暖簾を開けて頼んだ日本酒とお通しを置いていく。
「ささ、どうぞ」
瀧内さんがあたしのおちょこにお酒を注ぎ、あたしも注ぎ返して乾杯する。吟醸のフルーティーな香りが口の中に広がった。
「ほんでね、雅子ママに尋ねたんや。そんないけずなホステスがあんたの店にいるんかって。ほんなら、ちょうど今その香里奈っちゅうホステスとクビをかけて同伴を張り合ってるホステスがいるっちゅうやないか。どんなホステスが一回顔見てみたい思うてな、そんでこの席を設けさせてもらいましたんや」
「こんな顔です」
あたしはおどけた顔を作った。
「わはは、顔はべっぴんさんやけど、やってることはオモロイがな。そんで首尾はどうですのや?」
「いっぱいいっぱいです」
今度は口を目一杯曲げて見せる。
「いや僕もな、そういう正義感強いのは好きや。もし負けそうなんやったら言いや。僕も応援させてもらいますわ」
「わあ~ありがとうございます」
正義感が強いわけではなかったが、着物を売りつけられるわけではなかったのでホッとした。それにしても、誰が夜遊びサイトなるものにそんな記事を書いたんだろう?
それに関しては一つ思い当たることがあった。
(さくらね、香里奈さんに爆弾投下しちゃったん)
きのうのさくらの言葉だ。さくらの言う爆弾って、もしかしてこういうことだった?
8時半が近づき店に入ると、荷物を置く間もなく席から呼ばれた。
「同伴やでぇ!早すぎるんちゃう?」
雅子ママが怒って呼びに来た林マネージャーに噛みつく。雅子ママは黒生地に色とりどりと花を散りばめた着物を着ていて、着物のことは詳しくないけど、それがフォーマルなものだということくらいは分かった。きっと瀧内さんから買ったものなのだろう。
「ええがなええがな、萌未ちゃんも同伴勝負のためにいろんな席回らなあかんやろから、行っといで」
貫禄のある雅子ママのドスの利いた声に怯んだ林マネージャーだったが、瀧内さんの言葉に頭を下げた。
移った先はかんなママの長谷部さんの席だった。
「いよ!めぐっちゃん!おいであそばせ!」
かんなママのテンション高い声が響き、席から拍手が湧き上がった。
「君が萌未か。長谷部いいます。どうぞよろしく」
君が…
ここでも話題になってるみたい…
長谷部さんは白髪の混じったグレーの髪をバックに流し、恰幅のいい体に髪と同じグレーの質の良さそうなスーツを着込んだ紳士だった。席には社員さんだろうか?二人のスーツ姿の男性を付き従え、店でも一番大きなボックス席に陣取っていた。
「ママ、いい子やないか。こんな子辞めさせたら、あかんで」
「分かってますよぉ。私もこの店でママ張ってる一人として、あんなんにいつまでもでかい顔させますかいなぁ」
あんなん、が綺羅ママのことであることは、ニュアンスで何となく分かった。
かんなママはママたちの中ではサバサバとした、側頭部と後頭部を短く刈ったいわゆるピクシーカットにモード系のファッションを着込んだ、学生時代に団体球技に打ち込んでましたって感じのボーイッシュなママだ。若名で働くことになった当初、なっちゃんにママの特徴を教えてもらったとき、弥生ママとかんなママは若名では10年選手なのだと聞いていた。
ただ、それにしても、店中に同伴勝負のことが広がり過ぎている気がする。
夜遊びサイトというワードが頭に浮かぶ。
それがどういうものなのかは分からないが、お客さんみんながそれを見ているとも思えない。
誰がこんなに広げてるんだろうか……
当初は綺羅ママ陣営がそれを広め、あたしを他の席に着かせない戦略だと思っていたが、どうもそうではなさそうだ。いや、そういう戦略だったが蓋を開けてみると違う方向に向いてしまったのだろうか……?
真意はどうあれ、今や昔馴染みのお客さんの中にあたしを応援する声が増えてきているのが実感として感じられた。
一方、香里奈サイドには不穏な風が吹き始めていた。
この日の同伴が引き、後半のお客さんが押し寄せる合間にトイレに向かったとき、
「あんたらええ加減にしぃやあ!」
という綺羅ママの甲高い声が聞こえた。若名はエレベーターを降りてエントランスを入るとレジさんが二人座っているカウンターがあり、その後ろにお客さんの荷物を預かるスペース、そしてその奥にホステス用のトイレがある。綺羅ママはそのレジ前に陣取っていて、そこにいる黒田店長に怒鳴っていた。
「あんたら、寄ってたかってうちを潰すつもりなんか!?どないやねん!」
「いや、ママ、イベント中はママも協力してもらわんと、そんな全部が全部ママの言う通りに女の子を回せません…」
「それがナンバー1のママに言うことかあ?ああ!?」
レジ横にはお客さん用のトイレがあるし、いつエレベーターでお客さんが上がってくるとも分からない。綺羅ママの声はお客さんに聞こえることにはお構いなしに響き渡っていた。
そのママの横をすり抜けてトイレに入ろうとする。
じぃ~っと見られる視線を感じる。
横目に見ると綺羅ママが睨んでいる。
「何見てんねん!」
「いえ…」
そそくさとトイレに入る。
出るとまた視線を感じる。
じぃ~っと…
いつもはトイレ前で化粧直しをするんだけど、いたたまれずにホールの奥の階段へと向かった。ホールを抜けて入り口とは反対側のドアを開けると非常階段があり、そこの段に腰掛けてよく席に着いていないホステスが携帯を見たりしている。踊り場には足の長い灰皿が立ててあり、そこに寒さに身を震わせながら煙草を吸っているなっちゃんを見つけた。
「聞いた?」
なっちゃんはあたしが近寄ると口を耳に寄せて言った。さっきの綺羅ママのことだと思い、うんうんと頷く。
「同伴のお客さんを怒って帰らせたらしいよ」
「こわかったよ~」
あたしがなっちゃんに抱きつくと、
「お、あったかくていいねぇ、ちょっとそのままでいて」
と残りの煙草を吸った。
「やっぱり無理してるんと違うかなぁ?こういうイベントのときはただでさえお客さんが立て込むから思ったように女の子が席に揃わないでしょ?そこに加えて同伴勝負で強引に動員かけるから、ああいうことになるのよねぇ。めぐちゃんみたいにいろんな口座に振ってもらえたら口座の負担は少ないけど、香里奈は綺羅ママオンリーでしょ?今まで独占してた付けが回ってんのよ」
「あ、負担って言った。やっぱりなっちゃん、しんどかった?」
「私の場合はほら、ちゃんとお客さんを手なづけてますから?みんなイベントの時はかえって気を使ってくれるのよ」
そういえばきのうの牛戸さんをはじめ、稲垣さんも岡村さんも山本先生も、みんな気を使って早めに帰って行った。クラブは時間制ではないけど、こういうイベントの時に気を使ってくれるというのはきっと、普段のなっちゃんの心づかいの賜物なんだろうな、と思った。
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「ん?それね、さくらが書いたん」
と、あっけらかんと答える。
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「さくらね、ネットサーフィンが趣味なん。掲示板に書き込むくらい簡単だよ」
うん、何となく、頷ける趣味だ。ひとつ、疑問が解けてちょっとスッキリした。
「そうそう、あたしね、紀香さんに会って来たよ」
「そうなん?紀香さん、元気やった?」
「うん…紀香さんね、さくらちゃんのこと、お客さんのこと癒やしてあげられるいいホステスさんやって言ってはったよ」
「ほんと?嬉しい。さくらね、紀香さんがいなかったらきっとすぐに若名を辞めてたよ。でもこうやってめぐみちゃんとも会えたんやもん、辞めなくてよかったよ。めぐみちゃん、香里奈さんに勝って、紀香さんの敵打ってね、絶対」
「うん。さくらちゃんのお陰でね、同伴一つ出来たしね。ありがとうね」
「ううん、さくらなんてそんなことしか出来なくて…」
そう言うとさくらはじっとあたしの顔を覗き込んできた。
「めぐみちゃん?」
「ん?何?」
「さくらのこと、気持ち悪くない?」
「え?何で?」
「だって…女の子が女の子を好きになるなんて…さくらね、玲緒さんが始めてやったんよ。さくら、それまではそんなことなかったん」
「気持ち悪くなんかないよ、全然」
気持ち悪いといえばあたしなんて中学の頃におやじ狩りなんてしてたし、今も整形して年も顔も偽って、虎視眈々と志保姉の仇討ちのためだけに生きている。純情なさくらと違って、そっちの方がよっぽど気持ち悪い生き方に思える。
「そっか、よかったあ!さくらね、今はめぐみちゃんが1番好き!あ、変な意味やないよ、友達として。めぐみちゃん見てるとさくらもがんばらなきゃって思えるん。めぐみちゃん、これからもよろしくね」
「うん、こちらこそよろしく。あたしもさくらちゃん、好きよ」
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