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第5章 涼夜祭
イトとの対決
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西の空から頬をオレンジに染め上げられながら、セリは一人ノワールから駅までの坂道を下りる。駅に着いた頃には、今日中に石神絃と対峙することを決めていた。現状指輪の持ち主、福生芽衣が使っている化粧水や日焼け止めスプレーに含まれるアルコールがイトの机の引き出しから検出されたことしか証拠は無いが、のんびりしているとその証拠さえも消されてしまう可能性もある。
駅に着くと電車を待つ間、まずは安奈に電話した。アンナと同室の先輩、古市細音に、夕食後イトを部屋に呼び出してもらうよう頼むためだ。アンナのアクセサリーボックスに指輪を仕込んだのはイトだと目星がつけられたのは、彼女がサザネに会いに部屋をよく訪れているというサザネからの情報のお陰だった。部屋に滞在するうちに、イトはアンナのアクセサリーボックスの位置を把握していたのだろう。
イトはサザネを慕っているようなので、きっとサザネに呼ばれれば部屋へやって来る。そこからが勝負だ。セリは寮に帰る間にその時話す内容をシミュレートしながら、夕食時に他の仲間たちとも打ち合わせようと思った。
「彼女、内気なところあるからさあ、大勢で取り囲むと返って口を閉ざしちゃうんじゃない?」
寮の食堂で出来るだけ隅のテーブルを確保して、セリとアンナ、ヒヨリ、ハナミが顔を寄せ合って話をする。日曜の食堂は平日ほどの込み具合ではなかったが、そこそこの数の生徒たちが集まっていた。
ヒヨリのもっともな提案に、部屋には最低限の人数が詰めることにする。アンナがキラキラ系グループに取り入ろうとしていたように、四人の中でガリ勉グループに一番近いのはヒヨリだった。実際、イトと話をしたことがある回数はヒヨリが一番多い。セリに至っては図書室で事務的なやり取りをするだけで、この前彼女の方から話しかけられたのがほぼ初めての会話だった。いや、あれも一方的に敵意を向けられただけで、会話にはほど遠かったが……。
四人の中では中学までバスケ部だったというハナミが一番スポーツができ、そのせいか文武両道グループから一目置かれている雰囲気がある。そう考えると、セリがクラスで一番孤立している感じがして少し寂しさが胸に過った。
「まずはセリは必須でしょ。あと一人ってとこじゃない?アンナはさ、やっぱり当事者だから外した方がいいと思うんだよ。となると、やっぱ石神さんが話しやすいヒヨリ一択ってとこ?」
ハナミがそう意見を述べ、アンナがうんうんと頷く。ヒヨリも同意し、ガンバロ、と言ってセリの肩をポンと叩いた。例えクラスで一番孤立してようとも、仲間たちは自分を信頼してくれる。そのことが嬉しかった。
それから…
セリは頭の中に思い描いた話の持って行き方を披露した。さすがセリ、と三人が褒め、大雑把ではあったがそれで打ち合わせを終えた。セリとヒヨリがサザネの待つ部屋に向かい、アンナとハナミはセリの部屋で結果を待つことにした。セリの部屋には桐嶋依茉がいて、ハナミは同じ弓道部の部長と過ごせるのが嬉しそうだった。
それから約30分後、部屋の真ん中に置かれた渋い漆黒の座卓を挟んで、セリとヒヨリ、それにイトがカーペットに座っていた。座卓はサザネの物だろう。アンナがそんな渋い物を持っているとは思えない。サザネは自分の勉強机に着き、離れた位置で見守ってもらっていた。
「ごめんなさいね、騙すようなことして。この子たちがね、どうしてもあなたと話たいと言うものだから」
セリとヒヨリに遅れて部屋を訪れたイトは思わぬクラスメイトの来訪に戸惑っていたが、サザネがそう申し訳なさそうに謝ったので、仕方なくといった感じで座卓に着いた。
「この中にね、盗まれたはずの福生さんの指輪が入ってたの。あたしたちはね、それを仕込んだのは石神さん、あなただと思ってる」
座卓の上にはアンナのアクセサリーボックスが置いてあり、セリはその中を指差してストレートに切り出した。おそらくイトにしてもどんな要件なのか予測はついていることだろう。セリにはイトが犯人だと分かっているので、後はどうやって彼女を落とすかで、不必要な前置きは一切省いた。
「どうして、私だと、思うの?」
イトが眉間を寄せ、途切れ途切れに聞く。セリの切り口があまりにもストレートだったからか、若干の動揺が伺えた。シミュレーション通りだと思い、セリは座卓の上にジップロック付きビニールに入った黄色い布を出す。それを見て、イトが小声であっと言った。よしよしと内心思い、セリがイトに答える。
「福生さんの指輪に付いていた翡翠ってね、アルコールの吸着率が他の石より高いの。このアクセサリーボックスにもね、その翡翠と同じアルコールが検出されたの。これがその、アルコール検出キット」
セリはアンナの机の上に置いていた薬箱のような木箱を取り、上蓋を開けて中をイトに見せる。箱の中には様々な液体やスプレー瓶や耳かきの後ろのような綿の付いた棒などが入っている。だが、翡翠と同じアルコールと言ったのは正確には出任せで、本当は同じエタノールならその違いまでは判別できない。ここは何とか誤魔化し切れますようにと願うところだった。
「こっちの黄色い布は何か、分かるよね?」
イトにそう聞いたが、彼女は首を傾げて見せた。そこをヒヨリがここぞとばかりに、
「え、さっき、あって声だしてたよ?分かってるんでしょ?」
と突っ込んだ。イトが口を噤んだままなので、セリは説明を続ける。
「これはね、あなたの眼鏡入れに入ってたメガネクロスなの。ごめんなさい、あなたが部屋にいない間に、古市先輩に頼んで取らせてもらったの」
ここも、危ない論理の持って行き方だった。アンナのアクセサリーボックスに指輪を入れたということは、それまで自分で持っていたということだ。ではどこに隠していたか、普段眼鏡をかけているイトは何種類か眼鏡を持っていて、きっとその眼鏡入れの中だと当たりをつけた。そして実際、空だった眼鏡入れの中のメガネクロスからアルコールが検出されたのだ。だがそれを勝手に持ち去ることは例え布一枚といえど泥棒になってしまう。千草の嗅覚の後押しによってイトが犯人に間違いないと思っているからこその振る舞いだった。そこで、ごめんなさい、とサザネが口を挟む。
「私としてもね、イトちゃんの濡れ衣が晴れたらと思ったの。勝手に持ち出しを許して、本当に申し訳ありませんでした」
サザネは椅子から下り、直接カーペットに正座して丁寧に頭を下げた。イトが慌てて腰を浮かせ、そんなそんなと手を振る。そしてサザネが顔を上げるとセリに向き、あははと笑う。その顔にはもう動揺の色は無かった。
「あなたたち、そんな乱暴な理論でよく叡明に入れたわね。アルコールなんて眼鏡クリーナーにも入ってましてよ?だからその布にアルコールが付いてるのは当たり前でしょ?」
嘲るように笑うイトだったが、彼女がそう言うのもセリの予想の範疇だった。
「この眼鏡ケースのロゴのメーカーはね、セルロイドの眼鏡が専門なの。セルロイドはアルコールに弱いのは、普段から眼鏡をかけている石神さんなら知ってるよね?もし知らないと言うなら、さっきの言葉、そのままお返しするわ」
翡翠はアルコールをよく吸着し、セルロイドはアルコールに弱いというのは理数系に強いハナミから提供された情報だった。セリにそう切り返され、イトは笑顔を消して眉間に深い溝を作る。そしてせわしなく、眼鏡のフレームを摘んで上下させた。その今かけている眼鏡も、べっ甲色のセルロイド眼鏡だった。
「お見事ね、首藤さん。あなた、きっと優秀な検事になれるわよ」
しばし訪れた合間をぬって口を挟んだのは古市だった。彼女はセリたちが座る座卓から少し離れた位置に正座したまま、話を伺っていた。彼女が続ける。
「でもね、首藤さんの話の持って行き方には大きな穴があるわ」
古市がそう言った時、今度はセリの眉間にシワが寄る。セリ自身も実はその穴を把握していて、ここが大きなヤマ場だったのだ。古市の言葉をイトは吟味するように黒目を目の右端に寄らせる。そして、ゆっくりと口角を上げた。
駅に着くと電車を待つ間、まずは安奈に電話した。アンナと同室の先輩、古市細音に、夕食後イトを部屋に呼び出してもらうよう頼むためだ。アンナのアクセサリーボックスに指輪を仕込んだのはイトだと目星がつけられたのは、彼女がサザネに会いに部屋をよく訪れているというサザネからの情報のお陰だった。部屋に滞在するうちに、イトはアンナのアクセサリーボックスの位置を把握していたのだろう。
イトはサザネを慕っているようなので、きっとサザネに呼ばれれば部屋へやって来る。そこからが勝負だ。セリは寮に帰る間にその時話す内容をシミュレートしながら、夕食時に他の仲間たちとも打ち合わせようと思った。
「彼女、内気なところあるからさあ、大勢で取り囲むと返って口を閉ざしちゃうんじゃない?」
寮の食堂で出来るだけ隅のテーブルを確保して、セリとアンナ、ヒヨリ、ハナミが顔を寄せ合って話をする。日曜の食堂は平日ほどの込み具合ではなかったが、そこそこの数の生徒たちが集まっていた。
ヒヨリのもっともな提案に、部屋には最低限の人数が詰めることにする。アンナがキラキラ系グループに取り入ろうとしていたように、四人の中でガリ勉グループに一番近いのはヒヨリだった。実際、イトと話をしたことがある回数はヒヨリが一番多い。セリに至っては図書室で事務的なやり取りをするだけで、この前彼女の方から話しかけられたのがほぼ初めての会話だった。いや、あれも一方的に敵意を向けられただけで、会話にはほど遠かったが……。
四人の中では中学までバスケ部だったというハナミが一番スポーツができ、そのせいか文武両道グループから一目置かれている雰囲気がある。そう考えると、セリがクラスで一番孤立している感じがして少し寂しさが胸に過った。
「まずはセリは必須でしょ。あと一人ってとこじゃない?アンナはさ、やっぱり当事者だから外した方がいいと思うんだよ。となると、やっぱ石神さんが話しやすいヒヨリ一択ってとこ?」
ハナミがそう意見を述べ、アンナがうんうんと頷く。ヒヨリも同意し、ガンバロ、と言ってセリの肩をポンと叩いた。例えクラスで一番孤立してようとも、仲間たちは自分を信頼してくれる。そのことが嬉しかった。
それから…
セリは頭の中に思い描いた話の持って行き方を披露した。さすがセリ、と三人が褒め、大雑把ではあったがそれで打ち合わせを終えた。セリとヒヨリがサザネの待つ部屋に向かい、アンナとハナミはセリの部屋で結果を待つことにした。セリの部屋には桐嶋依茉がいて、ハナミは同じ弓道部の部長と過ごせるのが嬉しそうだった。
それから約30分後、部屋の真ん中に置かれた渋い漆黒の座卓を挟んで、セリとヒヨリ、それにイトがカーペットに座っていた。座卓はサザネの物だろう。アンナがそんな渋い物を持っているとは思えない。サザネは自分の勉強机に着き、離れた位置で見守ってもらっていた。
「ごめんなさいね、騙すようなことして。この子たちがね、どうしてもあなたと話たいと言うものだから」
セリとヒヨリに遅れて部屋を訪れたイトは思わぬクラスメイトの来訪に戸惑っていたが、サザネがそう申し訳なさそうに謝ったので、仕方なくといった感じで座卓に着いた。
「この中にね、盗まれたはずの福生さんの指輪が入ってたの。あたしたちはね、それを仕込んだのは石神さん、あなただと思ってる」
座卓の上にはアンナのアクセサリーボックスが置いてあり、セリはその中を指差してストレートに切り出した。おそらくイトにしてもどんな要件なのか予測はついていることだろう。セリにはイトが犯人だと分かっているので、後はどうやって彼女を落とすかで、不必要な前置きは一切省いた。
「どうして、私だと、思うの?」
イトが眉間を寄せ、途切れ途切れに聞く。セリの切り口があまりにもストレートだったからか、若干の動揺が伺えた。シミュレーション通りだと思い、セリは座卓の上にジップロック付きビニールに入った黄色い布を出す。それを見て、イトが小声であっと言った。よしよしと内心思い、セリがイトに答える。
「福生さんの指輪に付いていた翡翠ってね、アルコールの吸着率が他の石より高いの。このアクセサリーボックスにもね、その翡翠と同じアルコールが検出されたの。これがその、アルコール検出キット」
セリはアンナの机の上に置いていた薬箱のような木箱を取り、上蓋を開けて中をイトに見せる。箱の中には様々な液体やスプレー瓶や耳かきの後ろのような綿の付いた棒などが入っている。だが、翡翠と同じアルコールと言ったのは正確には出任せで、本当は同じエタノールならその違いまでは判別できない。ここは何とか誤魔化し切れますようにと願うところだった。
「こっちの黄色い布は何か、分かるよね?」
イトにそう聞いたが、彼女は首を傾げて見せた。そこをヒヨリがここぞとばかりに、
「え、さっき、あって声だしてたよ?分かってるんでしょ?」
と突っ込んだ。イトが口を噤んだままなので、セリは説明を続ける。
「これはね、あなたの眼鏡入れに入ってたメガネクロスなの。ごめんなさい、あなたが部屋にいない間に、古市先輩に頼んで取らせてもらったの」
ここも、危ない論理の持って行き方だった。アンナのアクセサリーボックスに指輪を入れたということは、それまで自分で持っていたということだ。ではどこに隠していたか、普段眼鏡をかけているイトは何種類か眼鏡を持っていて、きっとその眼鏡入れの中だと当たりをつけた。そして実際、空だった眼鏡入れの中のメガネクロスからアルコールが検出されたのだ。だがそれを勝手に持ち去ることは例え布一枚といえど泥棒になってしまう。千草の嗅覚の後押しによってイトが犯人に間違いないと思っているからこその振る舞いだった。そこで、ごめんなさい、とサザネが口を挟む。
「私としてもね、イトちゃんの濡れ衣が晴れたらと思ったの。勝手に持ち出しを許して、本当に申し訳ありませんでした」
サザネは椅子から下り、直接カーペットに正座して丁寧に頭を下げた。イトが慌てて腰を浮かせ、そんなそんなと手を振る。そしてサザネが顔を上げるとセリに向き、あははと笑う。その顔にはもう動揺の色は無かった。
「あなたたち、そんな乱暴な理論でよく叡明に入れたわね。アルコールなんて眼鏡クリーナーにも入ってましてよ?だからその布にアルコールが付いてるのは当たり前でしょ?」
嘲るように笑うイトだったが、彼女がそう言うのもセリの予想の範疇だった。
「この眼鏡ケースのロゴのメーカーはね、セルロイドの眼鏡が専門なの。セルロイドはアルコールに弱いのは、普段から眼鏡をかけている石神さんなら知ってるよね?もし知らないと言うなら、さっきの言葉、そのままお返しするわ」
翡翠はアルコールをよく吸着し、セルロイドはアルコールに弱いというのは理数系に強いハナミから提供された情報だった。セリにそう切り返され、イトは笑顔を消して眉間に深い溝を作る。そしてせわしなく、眼鏡のフレームを摘んで上下させた。その今かけている眼鏡も、べっ甲色のセルロイド眼鏡だった。
「お見事ね、首藤さん。あなた、きっと優秀な検事になれるわよ」
しばし訪れた合間をぬって口を挟んだのは古市だった。彼女はセリたちが座る座卓から少し離れた位置に正座したまま、話を伺っていた。彼女が続ける。
「でもね、首藤さんの話の持って行き方には大きな穴があるわ」
古市がそう言った時、今度はセリの眉間にシワが寄る。セリ自身も実はその穴を把握していて、ここが大きなヤマ場だったのだ。古市の言葉をイトは吟味するように黒目を目の右端に寄らせる。そして、ゆっくりと口角を上げた。
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