吾輩は駒である

夜美神威

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ネオショートショート

第二十四話「コードレスヘッドホン」

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私はしがないサラリーマン
何の取り得も無い
私の趣味はラジオを聴く事
家族は妻と高校生になる娘と小学生の息子
最近は家族での会話も無くなり寂しくなった

娘にラジオの音がうるさいと言われる始末
私は電気街に足を運びヘッドホンを物色していた
有線ではなくコードレスが良いな
電波で飛ばして聞く

赤外線?Bluetooth?
お店の人に選んで貰い5000円位の今時のヘッドセットを購入
あと旅行会社に行き家族で行く夏の旅行の打ち合わせ
あとは家族とまたあの頃のように仲良くできるか心配だ

家に帰り旅行の話を切り出した
パンフレットを見せるが家族は乗り気じゃない

私はソファーに座り買ってきたヘッドホンでラジオを聴いた
よく聴くラジオ番組は「ファミリーでショー」
家族の話題をリスナー同士話し合うらしい
今週は一組の家族が出演
チューニングを合わせヘッドホンを耳に当てた

ん?もう始まってる


「旅行だって~メンドクサイ!第一家族で旅行行ってもつまんない」
息子
「うん友達と言ったほうが楽しいね」

「でもねお父さんどんな思い出この旅行企画したか分かる?
滅多に取れない有給とって・・・家族の時間を作りたくてね
お父さんね
仕事しか取り得の無い人だけどそのおかげで私達生活出来てるのよ
仕事場で嫌な事があってもグッと耐えてね
家族の事一番大切に思ってるのお父さんよ」


「お父さん・・・」
息子
「僕行くよ旅行!おみやげいっぱい買ってもらう!」

「(笑)楽しみにしてましょうね」

良いな・・・この家族・・・
私は羨望を覚えた
しかし何か耳に違和感を覚えていた
ん?ヘッドホンのスイッチ入ってない・・・グスッ(泣)
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