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最終決戦の部屋11
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考えれば考えるほど勝敗を分けた要因がインキュバスとしての能力であることを突きつけられ、勝ったにも関わらず眉間には深いシワが刻まれた。
が、ふと思い出したのは直前の会話。
『私も先程の言葉を撤回しよう。貴殿は己の力を余すところなく使い、正々堂々と戦った』
視線をうろうろと彷徨わせる。
特になんの意味もなく後頭部をかく。
そうしたところでむずがゆさは消えず、キューはそこでようやく頬を赤く染めた。
挑発でもなんでもなく、嘘偽りない評価に照れていたのである。
「自分が認めてない力を認めてもらうってのは、……あー、なんて言えばいいんだ……むず痒いもんだな」
皮肉や謙遜を返そうにも、相手は既に意識を失った。
監視カメラで覗いていた時から望んでいた会話が二言三言で終わってしまった事実に、キューは唇を尖らせる。
複雑な内心を発散することもできないため、後片付けを再開しようとして、やらなければならないことを指折り数える。
「だいぶ暴れたし、施設の破損状況の把握と修理……いやまず先にこいつらの移動が先だな。こいつは動けないだろうから俺が運ぶしかないのか、」
その時だった。
くわ、とキューの目が見開く。
「え!?」
彼は気づいてしまった。
「意識がないから俺が運ばなきゃいけない……つまり、合法的に触れられるってこと!?」
余計な事実に。
「更に言えば、意識がないから……俺が何しても、抵抗されないってこと!?」
今ここにテンリィがいたならば、『だから会わせたくなかったんですよ』と張り倒していたことだろう。
キューが忌み嫌うインキュバス節全開だった。
が、ふと思い出したのは直前の会話。
『私も先程の言葉を撤回しよう。貴殿は己の力を余すところなく使い、正々堂々と戦った』
視線をうろうろと彷徨わせる。
特になんの意味もなく後頭部をかく。
そうしたところでむずがゆさは消えず、キューはそこでようやく頬を赤く染めた。
挑発でもなんでもなく、嘘偽りない評価に照れていたのである。
「自分が認めてない力を認めてもらうってのは、……あー、なんて言えばいいんだ……むず痒いもんだな」
皮肉や謙遜を返そうにも、相手は既に意識を失った。
監視カメラで覗いていた時から望んでいた会話が二言三言で終わってしまった事実に、キューは唇を尖らせる。
複雑な内心を発散することもできないため、後片付けを再開しようとして、やらなければならないことを指折り数える。
「だいぶ暴れたし、施設の破損状況の把握と修理……いやまず先にこいつらの移動が先だな。こいつは動けないだろうから俺が運ぶしかないのか、」
その時だった。
くわ、とキューの目が見開く。
「え!?」
彼は気づいてしまった。
「意識がないから俺が運ばなきゃいけない……つまり、合法的に触れられるってこと!?」
余計な事実に。
「更に言えば、意識がないから……俺が何しても、抵抗されないってこと!?」
今ここにテンリィがいたならば、『だから会わせたくなかったんですよ』と張り倒していたことだろう。
キューが忌み嫌うインキュバス節全開だった。
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