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真実の鏡に映るのは、咲き誇った白百合 一輪

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これは、暗殺に失敗した白雪姫の義母のお話。

義母……サラ・ブラッドリー
ララの美貌に憎しみを募らせ、毒殺しようとする。ララが9歳のときに嫁いできた。15歳年上。

白雪姫……ララ・ブラッドリー
サラ大好き人間。ララが自分の父に嫁いだときから何かあったら、お義母様お義母様とサラの所へと行く。父親は15のときに病で床についた。18歳。







「罪人、サラ・ブラッドリー。王女殺害計画発案の罪を認めるか?」
絞首台の上に立たされながら問われる。
「ええ、認めます」
私、サラ・ブラッドリーはあの忌忌しい娘、ララ・ブラッドリー、通称白雪姫を毒殺しようとして今処刑される直前である。
「では、王家反逆罪によりしけ「その必要はないわ!」
「!?姫様!?」
「お義母様を処刑する必要はないわ。あと、お義母様の罪は私が決めます。良いですね?」
驚いたわ。一番私のことを憎んでるはずのこの娘が、私を処刑しないなんて。
「では貴女に課する罪を言い渡します」
「あら?拷問でもなさるつもり?今まで貴女を無下に扱っていたことへの復讐かしら。良いわよ、なんでも喜んで受けましょう」
隙を見せたら殺しますが。
「そんなことするわけありませんわお義母様。私はただ、今までお義母様に無視されてきましたから、私の部屋に一生居てもらうだけですわ。そうすれば何があっても私を意識しますよね?」
えっ、ちょっと怖くなってきたわ。いくら無下に扱っていたとはいえ、私に意識して欲しいからって一生自室に閉じ込めるなんて。
「なんでも受けていただけるのですよね。なら行きましょう」
ララはそう言うと、私を絞首台から下ろした。
「しかし、姫様!このお方は貴女様を毒殺することを目論んでいたのですよ!それなのに自室に連れ込むなんて……」
「お義母様だって武器がなければ一人の女性ですの。なら問題ありませんわ。ああ、それと明日までの仕事は終わらせたから三日ばかり休みを取ります。もし何かあれば、補佐官を頼りなさい」
最後に三日間自室に近づいてはいけない。と、ララは言うと私の手を引っ張り自室へと向かった。
分からない。私がこの娘の父親に嫁いだときから異常なまでにに私に懐いてきてたのは分かる。でも、自分のことを殺そうとした人を何で?普通なら即刻死刑のはずなのに……。
考えられるとしたら……、拷問趣味でも持ってたのかしら?殿方には自分の好きな女を拷問するのが好きという方がいるくらいですものね、というよりそれ以外考えられない。
「ほらお義母様、お入り下さい」
ララに部屋に入れられると、そこには、
「貴女の部屋ってこんなに広かったかしら?この広さ、まるで謁見の間並じゃない!」
「お義母様の不自由無いように色んな物を揃えましたの。ここで料理も出来ますし、湯浴みも出来ます。他に何か必要なものがあったら言って下さいね」
やっぱり怖いわこの娘。一体どこから金を出したのかしら?民への無理な税収は破滅を招くだけですし、今年は平年と比べて農作物の収穫量が少ないことはあの娘も分かっているはず。
「ララ、この部屋を作るための金はどこから出したのです?まさかとは思いますが税をあげているわけないでしょうね?」
「それはありませんわ。父の遺産で出しましたの」
「それなら良いのです。…さて、これから私は何をすれば良いのです?慰め者にでもなれば良いのですか?それとも、私を拷問するつもりです?」
「そんな訳ないですわ!私がお義母様にそんなことをするとでも?」
……ますます訳が分からないわ。本当に何がしたいのこの娘は。
拷問趣味もなければ慰め者にするつもりも無い……。
「私は貴女が何をしたいのかが全く分からない。処刑するつもりも無い、私を痛めつけようとも思わない。いったい貴女は私に何をさせたいのですか……」
「あの、お義母様?何で私がお義母様にひどいことをするのが前提のようにお話しなさるのです?」
「えっ?」
「えっ?」
「違うのですか?」
「違います!自分の宝物を大切に保管するのと同じことですよ」
はっ?宝物?今この娘私のことを宝物って言いました?自分のことを殺そうとした人を宝物と言いました!?意味が分からないわ本当。
「意味が分からない、といった感じですわね、お義母様。私のお母様のことは父から教えられてますよね」
ララの母親……。
「ええ、貴女が4つのときに亡くなられたそうね」
「そうです。だから私は母親に甘えたことなどほとんど無いのです。だから、お義母様に甘えたいのです。」
つまり、私に一介の母親らしきことをさせようというわけですね。なるほど、
「嫌よ。私は貴女のその顔が嫌いで今もなお殺意を持っているのよ。そんな相手を甘やかすなんてそれこそ無理なは話だわ」
「ええ、分かってます。お義母様が私の顔を嫌っていることなんて。だから、これから衣食住は共にして貰います。」
「何故そこで衣食住をともにするという考えに至ったのですか!」
ああ、もう、調子が崩れるわこの娘と話してると……。
「でも、これは決定事項なのでこれからよろしくお願いしますね。お義母様♡」
……これは拷問以上に苦しいわね。
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