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凍てつく心に安らかな温もりを

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「よし、明日だ…明日間に合わせないと…」
ゲルダ達と遊んだあの屋敷の中に多くの荷物を運んでいる、理由は勿論一人ででも北の国に行くから。
「屋敷の中に荷台あるっての知ってて良かったな…。なけりゃ八方ふさがりだ」
食料や水などをできるだけ壺に詰め、一週間は持つ量が引っ張っていけるギリギリの重さ。迷わず行けば5日で着くはず。
「父さん達には迷惑かけるけど…父さんなら僕を必ず信じてくれるはず、問題はネーラだ…。僕までいなくなって大丈夫かな」
……一年位は沈んでいるだろうな。だとしても僕は行くと決めたんだ。明日必ず僕は行かなければならないんだ。
ここの北にある商人の町で北の国に行く商団で働かせて貰いながら北の国まで運んで貰う…これしか僕が出来る方法はない。
「さてと、後はこれとこれを…」


  

「いってきます」
置き手紙は僕の机に置いた、干し肉もある、よし行こうか…。
「おいカイ」
「っ!?と、父さんかなんだい?」
「そろそろ寒くなるだろう、毛糸の帽子かなんか買ってきな」
「父さん、これは」
「んじゃちゃんと
「…うん分かってる必ず帰ってくるよ」
「分かってるなら気を付けて行ってこい。温かい飯母ちゃんと作ってからな」
「うん、行ってきます」
父さん…この村に毛糸の帽子なんか買えないし、金貨なんて麦を納める時にしか使わない。分かってるんだ父さんも母さんも…。やっぱり敵わないな…2人には。行ってきます。


「行ったよ」
「そう…。やっぱり心配だわ…あの子1人だけでなんて」
「大丈夫だあいつを信じてやれ。なんたってあいつはお前と俺の自慢の息子なんだから」
「ええ、そうね。あの子が何時帰ってきても良いように私達がしっかりと待ってないとね」
「んじゃ俺は畑見に行ってくるよ。冬麦の状態見ないといけねえしな」
「あ、ちょっと待って!」
「うん?どうしたんだ?」
「あ、あのね、ほらカイが生まれてきてから…その…ご無沙汰だったじゃない?その、あの久しぶりに…どうかしら///」
「……早めに帰ってきます///」
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