社畜くんは人外サロンで癒される

たなぱ

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近所にサロンができた






近所に名前の読めない?頭に残らないサロンが開店した
その日から少しだけおかしな事が起きている
新店オープン期間だからなのか知らないが、毎日深夜まで残業を熟し、アパートへ帰宅するとドアポストに、このサロンの広告が毎日の様に入っているのだ




『新感覚リラクゼーションサロン ※※※※※
現実では感じられない程心地よい、夢の様なリラクゼーションを貴方に…
マッサージも同時に行えるプロの技術で全身を隈無くしっかりとケアしてみませんか?』



そんな内容のチラシがアパートのドアポストに毎日毎日…入っている
なんで野郎の表札が掛かってるドアポストに入れるんだ?と数日は不思議に思ったが、結局何処の業界も客取りに必死なのだと思い納得した


いくらオレのアパートに広告をオレには関係ないし
忙しすぎて何とかギリギリ休めた日は死ぬように寝てるだけのオレには本当に関係ない


まさかのブラック企業に入社してしまってから早十年くらい…
毎日深夜まで残業、朝からハードなデスクワーク…
休みすらほぼ強制休日出勤させられているオレにはリラクゼーションなんて無縁の言葉だ
現実では感じられない心地よさ?知るかそんな暇なんてねぇんだよこっちは


常に寝不足、日々食欲不振、コンビニ飯ばっかりで味覚も何かおかしくなってる気もするし
パワハラクソ上司と終わらない仕事で精神的にもギリギリの崖っぷちで日々を生きている…体重だって何キロ減ったことか…もうわからん
転職すればいいと、顔すら見る余裕の無い友人は言うが、クソ上司という壁を乗り越えて転職する事の辛さを分かってない
転職したいなって言葉を自宅で呟くだけで精一杯なんだ


目の前で馬鹿かって怒鳴られながら辞表をその場で破かれてみろ?人の心は簡単に折れるんだよ…
言うのは簡単だ、体験してから言いに来い、そう思う

逃げ出したいけど逃げ出してしまえば次など無いって言われ続けた人間は辛くても逃げられない臆病になっちまうんだよ…おれが自ら体験してるから!ほんとに体験談を言える!!


そんな訳で、今日もギリギリ生きて呼吸してるだけで偉いと、自分を褒め称えなんとか毎日を必死に生きているオレ、田中賢人にとってリラクゼーションとかマッサージとか…サロン等、夢の中でさえ関わることのない異質な空間だった………のだが






何故かその頭に残らない名前のサロンに現在入店してしまう事態に陥っているのだ






「今日も遅くまでお仕事だったんですよね?本当にお疲れ様です田中様
私は本日、施術を担当しますアミドです、よろしくお願いします!初めてのご利用と言うことで先ずはカウンセリングを行いますのでコチラへどうぞ」


「あ、はい…?すいませんこんな夜中に…まさか開いてるなんて…はは…………えっと失礼します…?」




外人みたいな恐ろしく整った顔の良さで、受付をしてくれた男…アミドとかいうイケメンは笑顔を振りまきながらオレを案内する
そんなクソイケメンの後に続き初めてのサロンという名の店内に進む…

ブラウンとオフホワイトを基調としたおしゃれーな店内はどう考えても社畜が好き好んで来る場所ではない…明らかに場違い感がとんでもない…



現在深夜2時…なんで自分には全く関係ないと思っていたリラクゼーションサロンに…こんな所にいるか、それはアパートの風呂がせいだ壊れしまったからだ

明日も仕事なのに風呂にも入れないなんて困る、臭いとパワハラクソ上司に言われるのも嫌だが、同じ社畜である周囲から不潔と思われるのも嫌だ

オレは綺麗好きなんだよ!睡眠より風呂を選ぶくらいにな!!風呂だけがオレの癒し!そんな気もする!
しかし、仕事が終わり自宅に帰ったのが深夜…そんな時間にいざ、風呂に入ろうとしたらアパートの風呂が壊れ水すら出ない…と言うか変な音もする…そんな大事件が起きてしまった


オレは絶望した…日付がとうに変わったこの時間…銭湯とかなんてやってる筈もなく…唯一営業中のラブホには風呂が付いているが!!!風呂の為とはいえ絶対行きたくない
他人がエロいことをしてる部屋なんて掃除したとしてもお断りだ、なんか嫌だ、絶対に嫌だ!!



風呂に入りたいのに!!!神はオレを見放したのかーー!と本気で絶望し、どうしたらいいんだとて途方に暮れていた時…このサロンを思い出したのだ
何時間営業なのか不明だが、いつもオレが仕事を終えてくる時間にも必ずOPENの文字が店の前に出ていたこのサロンの事を…

何故か店名は全然思い出せないが、中身は思い出した…!前に見たチラシで入浴からマッサージまでセット!全身すっきり、スペシャルリラクゼーションコースがあるという事を…!!!


もう、これはオレのための風呂だと思ったよ
オレ以外にこの時間ご利用する?しないね
そんな謎のテンションで、オレの風呂を見つけたって気持ちでダメ元で店の前に向かったら…本気でちゃんとOPENしている素晴らしいサロンだったという訳だ


そんなこんなで現在、オレは初のリラクゼーションサロンに風呂を利用しに来るというとんでもない変な客として入店している








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