60 / 88
準備期間
しおりを挟むヒロイン♂がとんでもない異物混入を仕掛けてきそうな学園祭は1ヶ月後…
この学院で行われる学園祭はクラスごとに出し物を決め、生徒が主体となり各々準備をして2日間行われる
出し物の種類は飲食、物販、演劇等様々だ
令嬢が主体となり特別なサロンを開くクラスも昨年度はあった
エア曰く、ゲームの世界では特別なスチルやイベントを見れる素晴らしいものだったらしいが昨年度も体験しているおれとしては、企画や経営、社交を踏まえたコミュニケーション能力を試されるものに感じた
昨年度まで、既視感の世界にいたおれには全く楽しいイベントでは無かった事は確かだ、でも今年はエアがいる…それだけで気持ちも盛り上がる
想定されるヒロイン♂のとんでもない計画が無ければもっと楽しめたかもしれない…
ヒロイン♂のクラスが飲食物…特にクッキーなど販売し始めたらアウトだと言っていい
確実にレヴィル様にも差し入れですと持って行くためには学園祭が最も自然で好都合
その前に行動を起こす確率は少ないだろう、攻略対象でない存在だからこそ、相手に違和感を持たれずに何かをプレゼントできるのは学園祭がもっとも最適だからだ
「その前に万が一動いてきたとしても俺には効果は無いから心配はしなくていい
俺は完全な人では無く精霊と人の中間、そこにドラゴンの因子を持ち合わせた稀有な存在だ
番であるラドラから洗脳されるなら抗えないが、それ以外であればなんて事ない、とんでもなく不快感だけだ」
そう、ラドラ様を抱き寄せるレヴィル様は自信に満ちている…番とはそんなにも強い存在なのかと少し羨ましくもある…おれもエアとしか惹かれ合わない楔が欲しいな
なんて考えてしまうのはしょうがない
ヒロイン♂が仕掛けてくるならこちらは何をするか、そう対策を話し合い、考えた時にエアが何かを悩みつつ話し始め、すごい案を出してきた
「僕に考えがあります…実は、学園祭で起こるイベントに悪役令息がヒロインを邪魔する奴があるんです
リナルド様にも被害が行ってしまうのであまりしたくは無いですが、これならたとえ異物混入クッキーを準備したとしてもある程度破壊する事ができます…」
それは王太子殿下でのイベント、学園祭での波乱と言うイベントストーリーを使うのだという
ゲームではヒロイン♂のクラスは喫茶店とお菓子の販売をしており、頑張って準備した飲食物を悪役令息とその取り巻きが真似するなと、ぐちゃぐちゃする展開があるらしい
その床に踏みつけられたクッキーの袋などをヒロイン♂が抱き締め、皆で作ったのに…こんなの間違ってる、酷いと悲しみ、泣いている所を王太子殿下が見つけ…慰めて材料を補填しする
皆で時間ギリギリまで諦めずに再度クッキー等を準備し迎えた学園祭で健気に頑張るヒロイン♂のクラスは大いに盛り上がり友情を深めるのだと
そして助けてくれた王太子殿下と後夜祭で心を通わせ初めてのキスをする、成人向けではヒロイン♂の肌に生クリーム乗っけて舐める展開があるストーリーなのだと…
尚、悪役令息は非道な行いがバレて個人指導だと教員から性的暴行を受ける展開付き…そんなストーリーがあるという
既に穴で繋がり合ってて今更キスとか無いだろうと思いつつ、教員までもが悪役令息にそんな事をするゲームの倫理観を疑ってしまう
だが、これなら合法的に…いや、ヒロイン♂が大好きな悪役令息のお仕事を披露しつつ、とんでもない異物混入クッキー等を盛大に処分してやれる
教員に個人指導されるつもりも勿論ない
「エア、その時のセリフ後で教えてくれ覚えるから
その作戦で行きませんか…?レヴィル様、ラドラ様
おれにも1つ考えがあります…盛大にヒロイン♂の邪魔してやりましょう?
もちろん、教員からの個人指導など受けるつもりもないですけど」
もしも、異物混入を本当にするとしたらおれには考えがある
壊すだけが全てじゃないと言う事を教えてやるよ?ヒロイン♂
…………………
……………
………
「なぁエア…うちのクラスがメイドと執事になりきるのもゲームの流れなのか…?」
「え、………はい
めちゃめちゃ可愛いメイド服のリナルド様がヒロイン♂のクラスで暴れて…個人指導だってメイド服のまま教員に厭らしいことされちゃうのが成人向けストーリーなんです…全年齢だとパンツ見られるくらいでしたが」
先程決まってしまった我がクラスの学園祭での出し物…それはメイドと執事になりきった高位貴族によるサロンスペースの設営だった
去年までの真面目な出し物は何処に行ったんだ…?何故か既視感の世界まで見えておれは有無を言わせずメイドになる事が決められていたのだから…他の女子と一緒に…ちなみに男子は執事だ
「ゲームの世界の流れに支配されるとは恐ろしいですね…まさか誰も違和感なくリナルド様だけメイドになる事を決められてしまうなんて…」
ラドラ様、そう思うなら反論してくれてもいいと思うんだが…?誰も違和感を訴えることなくトントン拍子におれだけメイドに名があるおかしな事態…レヴィル様に至っては笑っている…おい
エアは生メイドリナルド様が見れるとワクワクしてて可愛いけどなんか不服なので後でエアにも個人的に着せてお仕置きしてやると心に決めた日になった
ゲームの流れに進む世界の恐ろしさ、今までの中でこれがもっとも恐ろしいかもしれない
727
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる