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6,予見の結果は
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神の申し子は、こちらの世界に来る際に自身の半身を見失った状態で降りてくるというのが通説である。そして例外なくどの神の申し子も半身を見失っているので、今回の神の申し子も通説通りであった。半身を見失っている神の申し子は、体の芯に揺らめく命の灯火がパックリがぱっくりと割れて、半分の炎の形が揺らめいている状態にある。半身を探し出すことが出来た神の申し子は、寵愛を受けてその命の灯が正式な形を作るようになる。神の申し子の半身とは二束三文の恋愛小説ではないが、言ってしまえば愛する人のことである。神が遣わした申し子だなんだと聞こえは良いが、実際のところは神の申し子にそこまでを期待はしてはいないのが本音だ。だが、神の申し子の愛する人がいる国は栄えるという言い伝えもあるため、無下には扱えない。
「神の申し子に違いありませんね」
「そうか」
ディーンの言葉に団長が頷く。
「それから、白い灯火ですので光魔法の適正者かと思われます。能力の高さは赤子同然ですが、魔力量はそれなりにありますので、ご自分の身を守る術を会得するもの早いかと」
「ほう…。光魔法とは珍しいな」
団長にその他報告すべきことを口にすると、団長は静かに頷きながら光魔法という単語に口角を上げる。その顔は嬉しいことを隠す気もないなとディーンは思った。
「神の申し子は、団長のお眼鏡にかなったようですね」
ちょっとした悪戯心で団長を茶化すが、本当はディーンも心のなかで喜んでいた。
神の申し子の護衛は、王族から任免されて適した者を王都騎士団と近衛騎士団から選抜という形で数名の編成グループが作られる。そこに任命される者は王族から信頼されているに違いないが、王族による強引な編成部隊を組まされるのは嫌だと団長はいつか来る神の申し子の降臨を思い、ツラツラと話していたことがある。それを知っていたディーンも今回の神の申し子が光魔法であることで、対となる闇魔法を使用する第二騎士団団長のユーラウスが護衛に選ばれることはないと分かり、自分の仕事量に今後も変化はないと信じ、安心した。
第二騎士団の団長が護衛の仕事などに駆り出されでもしたら、今までの仕事内容が下の人間に割り振られたり、配属先や職務内容が変更になる可能性も考えられたからだ。ディーンはほっと胸を撫で下ろした。
「俺の好みではないな」
ディーンの考えを読み取った団長は鼻で笑う。それはそうだろうと思ったが、口には出さなかった。
「今後の予定はどうなりますか」
「第二騎士団がこの件に関わることはない。お前の配置もそのままだ」
「ありがとうございます」
ディーンは目に集めた魔力を納めて、予見の能力を終わらせた。ディーンのすべき仕事はこれ以上はない。団長を伺うと、先に教会の外に出ておけという許しを頂けたので、ディーンは大人しくそれに従った。
「神の申し子に違いありませんね」
「そうか」
ディーンの言葉に団長が頷く。
「それから、白い灯火ですので光魔法の適正者かと思われます。能力の高さは赤子同然ですが、魔力量はそれなりにありますので、ご自分の身を守る術を会得するもの早いかと」
「ほう…。光魔法とは珍しいな」
団長にその他報告すべきことを口にすると、団長は静かに頷きながら光魔法という単語に口角を上げる。その顔は嬉しいことを隠す気もないなとディーンは思った。
「神の申し子は、団長のお眼鏡にかなったようですね」
ちょっとした悪戯心で団長を茶化すが、本当はディーンも心のなかで喜んでいた。
神の申し子の護衛は、王族から任免されて適した者を王都騎士団と近衛騎士団から選抜という形で数名の編成グループが作られる。そこに任命される者は王族から信頼されているに違いないが、王族による強引な編成部隊を組まされるのは嫌だと団長はいつか来る神の申し子の降臨を思い、ツラツラと話していたことがある。それを知っていたディーンも今回の神の申し子が光魔法であることで、対となる闇魔法を使用する第二騎士団団長のユーラウスが護衛に選ばれることはないと分かり、自分の仕事量に今後も変化はないと信じ、安心した。
第二騎士団の団長が護衛の仕事などに駆り出されでもしたら、今までの仕事内容が下の人間に割り振られたり、配属先や職務内容が変更になる可能性も考えられたからだ。ディーンはほっと胸を撫で下ろした。
「俺の好みではないな」
ディーンの考えを読み取った団長は鼻で笑う。それはそうだろうと思ったが、口には出さなかった。
「今後の予定はどうなりますか」
「第二騎士団がこの件に関わることはない。お前の配置もそのままだ」
「ありがとうございます」
ディーンは目に集めた魔力を納めて、予見の能力を終わらせた。ディーンのすべき仕事はこれ以上はない。団長を伺うと、先に教会の外に出ておけという許しを頂けたので、ディーンは大人しくそれに従った。
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