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この100円玉が強すぎる

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 コンビニでもらった釣銭のなかに、異様なオーラを放つ100円玉があった。
 紫色の炎のように燃え立つものが見える。
 僕は奇妙に思いながら、ほかの釣銭とともに財布へしまおうとした。

 すると100円玉は独りで飛び立ち、顔面に体当たりしてきた。
 僕は思わず悶え、釣銭を床に撒いてしまう。
 100円玉が与えた痛みは、骨まで響くようだった。
 奴はなおもパンチのように、僕の顔面へ何度も当たってくる。
 僕はパニックになりながら、コンビニを飛び出し、無我夢中で逃げた。100円玉は空中を突き進む形で僕を追ってきた。

 僕は観念して、100円玉と戦うことにした。
 奴はまたも僕の顔面めがけて突進をかけてきた。
 僕はその軌道を読み、右手でしっかりとつかむと、近くの自販機の硬貨投入口に入れてやった。
 500mlペットボトルのミネラルウォーターを買っている間も、自販機の中からはコインがぶつかる音が響き続けた。
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