ストーカー

真鉄

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ストーカー

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  男は指を抜き去ると、力の抜けた尚のから一切の服を剥ぎ取り、自らも全裸となると、小さな身体をうつ伏せに横たえた。その上に容赦なく覆い被さり、小ぶりな尻の谷間に野蛮なまでに勃起した巨大な屹立をぬるぬるとすりつける。癖毛から覗く白いうなじに口づけ、男は興奮に上擦った声で囁いた。

「俺のことイカせてくんなかったから、罰として中にたっぷり出すから」
「ひーちゃん……」
「奥の奥に溢れるぐらい種付けしてやる」
「……っ」

  耳の中に直接吹き込まれた情欲に滾る声に、ぞくりと尚は身体を震わせた。果たしてそれは伝播した興奮にだろうか、絶頂への期待にだろうか。

「挿れるよ」

  割り開かれた谷間には、慎ましやかに窄まっていた蕾は既になく、そこにあるのは赤く充血し、涎を垂らして雄を待ちわびる娼婦の唇だ。だが、それでも、このグロテスクな赤黒い肉の槍を前にすれば欲情した孔も清楚な処女にも等しい。

「ん、あああっ、はい、ってくる……っ!」

  丸く張り出した亀頭が肉蕾に押しつけられた。いかにも狭いといった様子で、ゆっくりと頭を沈めていく。窄まっていた皺を伸ばし切り、健気にも巨大な雄を受け入れんとする肉門は、時折赤い肉を見せながら捲れ、呑み込み、まるで深海の生物のようにぬめぬめと蠢いた。尚は耳まで上気させ、腰をかすかに上げ、苦しげにソファを引っ掻いている。

「ん、あっ……!」
「久しぶりだからか、すごい、キツいな……」

  張り出したエラまで何とか収めたものの、食いちぎらんばかりに締めつける肉蕾に男は呻いた。うつ伏せたまま、尚は懸命に深呼吸を繰り返している。突然、先端だけを挿入したまま男が背後からその汗ばんだ小さな身体を抱き締めた。そして、そのままゆっくりと二人して横たわる。いわゆる背面側位の形だ。

  後ろの男の浅黒い肌を背景に、尚の滑らかな陶器のような肌は余計に白く映った。そんな中、薄い下生えから勃ち上がる細身の肉茎の、ピンクから濃い肌色へのグラデーションが目を引いた。皮を被っているせいか、まるで果物のようにすんなりとした肉茎は、本当に背後の男と同じ器官なのかと首を傾げたくなるほどに愛らしい。だが、絶頂に大量の先走りを垂らして濡れ光るさまはひどく卑猥でもあった。

「尚、リラックス」

  男はそう囁くと、浅黒い手で尚のしなやかな肢体を撫で回し始めた。白く滑らかな肌をいかにも野卑で無骨な手が這い回る。かすかに上気し、桜色に染まる胸元には、触れられてもいないのに濃い褐色の乳首がぷっくりと勃ち上がっていた。男の指先が豆粒ほどもない小さな尖りに触れると、薄い胸元からしなやかな下腹にかけて、ざざざと震えが走っていくのが目に見えて分かった。あの小さく敏感な性感帯は間違いなく、腹の奥で点る快楽の火に薪をくべるだろう。

「おっぱい、気持ちいいね」
「んっ、うん、うん……」

  うなじや耳殻をしゃぶられながら乳首を爪先で弾かれ、尚は甘い快楽に繰り返し震えながら、男の戯れ言に健気に頷いた。現に、尚の肉茎からはとろとろと蜜がこぼれだしていた。細い腕を伸ばし、男の首筋を撫でながら甘えるように尚が囁いた。

「な、おっぱい、吸って……」

  その恥じらいを含んだ甘い声のなんと扇情的なことか。男は鼻の下を伸ばしていやらしく笑うと、尚の脇の下から頭を差し入れ、背後から首を伸ばして胸元にしゃぶりついた。じゅ、じゅ、と下品な甘い音を立てながら、小さな乳輪ごと男の唇が吸いたてる。

「あ、あっ、ひーちゃん……もっと、して……」

  男のごわついた髪を細い指で梳きながら尚は熱に浮かされたように懇願した。男の舌先が小さな尖りをくじるたび、持ち上げられた白い足のつま先がきゅっと丸まり、その快楽の確かさを物語っている。

  広げられた足の間では、いつの間にか男の極悪な凶器は尚の中にずっぽりとその身を収めていた。巨体を縮めて胸に吸いつきながら、男の腰が揺らめき始める。片手で尚の細い腰を押さえ、反対側の手は尚の首の下を通してやわらかな癖毛を掻き混ぜていた。その姿は黒い蜘蛛の巣に絡め取られた憐れな蝶のようであった。彼はこれから、捕食されてしまうのだ。

「ひーちゃ……、きもちい……」

  互いの髪に指を差し入れ、交わる二人。その内男は徐々に体勢を変え、白く小さな身体を完全に組み敷きながら腰を打ち据え始めた。うつ伏せになった尚の身体の上に完全に覆い被さり、じゅぷじゅぷと湿った音を立てながら犬のように腰を振り、何度も肉の槍で尚の隘路を穿った。充血した赤い蕾が皺もなくなるほどに大きく開き、グロテスクな肉杭を呑み込むさまは圧巻であった。

「尚……、ごめ、俺一回イクな……」
「あ、あっ、あっ……!」

  身勝手な男の腰の動きが速まった。その度に大振りの陰嚢が尚の会陰を激しく叩く。男の肩口から覗く尚の首が反り返る。ふっくらとした頬は薔薇色に上気し、半開きになった唇からは濡れた舌が無防備に覗いていた。激しかった男の腰の動きが一瞬止まる。

「ん、んんっ……!」
「ひー、ちゃ……!  あ、イク、イクっ、おれも……っ!」

  男の陰嚢がきゅうと迫り上がった。今まさに、尚の熟れたやわらかな泥濘の中で、男の白い汚濁が激しい勢いで噴射されているのだろう。それは尚の快楽の種子にぶち当たり、強制的に彼をも絶頂へと投げ入れたのだ。胸元まで濃い桜色に染め、虚空を仰ぐ尚のとろけきった表情。赤い唇の端から、一条の銀糸が垂れ落ちた。

  空調の音だけが響く部屋の中で、二人の虚脱した吐息だけが響いた。先に動いたのは男の方だった。汗ばんだ白い尻肉をぱっくりと開き、射精してもなお衰えぬ剛直をずろずろと引き抜いていく。真っ赤に熟した肉蕾は名残惜しそうに肉の凶器に吸いつき、健気に嘴を尖らせていた。張り出したエラの形にまで広がり切ったあと、にゅるりと窄まる。しかし、それはもう閉じ切らず、残酷にもぽっかりと口を開けたままであった。

「尚。尚……」
「んん……」

  未だ性欲の衰えぬ男は、ぐったりとした尚の小さな身体を自分の方へと向けると、欲望のままに口付けた。呼吸もままならぬままに苦しげに舌を貪られる尚の様子は可憐であり、憐れさゆえに更なる絶頂への地獄へと堕としたくなる色香を振り撒いている。

「ああっ、また……おっきい、ひーちゃ……」

  雄の情欲を掻きむしる魔性。天性の淫売。本人は果たして気づいているのだろうか、子供のように無垢でいかにも清らかな姿形の下に潜むそれが尚の本性だということを。男がその本質を削り出してしまったのだ。現に、再び押し当てられた肉の凶器を、熟れた雄膣は涙を流して悦びながらやすやすと受け入れてしまった。あの小さな身体のどこまで肉杭は貫くのだろう。男は肉欲に燃えたぎる目で尚を睨めつけ、口元を支配欲に歪ませながら、じりじりとその砲身を全て中へと収めんと腰を進めていく。

「ああああっ……!」

  まるで喉の奥から押し出されたかのような甘い、甘い嬌声だった。男の首元に絡んでいた尚の指が固く握り込まれ、しなやかな身体が男の下で弓なりに反った。挿入されただけで、絶頂へと押しやられたのだ。細い脚は逃がさないと言わんばかりに、男の逞しい腰へと絡みつき、がくがくと揺れた。男はさも楽しげに、嘲笑で唇を歪ませながら囁いた。

「……イッちゃったな」
「っ、あ……だって、腹の奥まで……来るからぁ ……」

  苦しげに呟きながらも、尚の白い指先が己が臍の下を愛しげに撫で回す。そんなに深いところにまで男の凶器は到達しているのか。もしかしたらS状結腸にまで届いているのかもしれない。そして、本来ならば痛みしかないはずの部分で溶けそうなほどの快楽を享受できるまでに、尚は男に調教されてしまっているのだ。

「あ、あっ、あ、奥、すご……っ、ひーちゃ……」

  男の腰が揺れ始めた。ぶら下がるようにその太い首筋に腕を絡めた小さな尚の身体は、荒波に翻弄される小さなボートのように危なっかしく揺すられる。細かく前後し、のの字を描き、時にほとんど抜けそうなほどにゆっくりと引き抜かれ、激しく打ちすえる男の腰使いに、尚はただ甘い声を漏らすだけの楽器となる。煌々と照らされた部屋の中、二人の身体が奏でる淫靡な音律がひそやかに響き渡っていた。

「あっ、あっ、やばい、出ちゃう……」

  絶頂に次ぐ絶頂から目覚めたかのように、ふと我に返った尚が泣きそうな顔で接合部へと手を伸ばした。尚の白い下腹は雌の快楽に萎えた肉茎が垂らした涎で既にぐちゃぐちゃになっていた。細い指は濡れそぼる肉茎とその下で震える袋ごと、きゅっと掴み上げた。まるで小さい子供がおしっこを我慢するときのような仕草だが、羞恥に頬を染めた涙目の尚が行っても、雄の嗜虐心を燃え盛らせるだけだ。

「いいじゃん、出しちゃお」
「やだよぉ……。汚れるし……、は、恥ずかしいし……っ」
「俺、尚が潮噴くとこ見たいなー。すっごいえっちなんだもん」
「あぅ……」

  案の定、煽られた男は執拗に尚に言いより、最終的にはその小さな手を握りこんで、物理的な押さえをあっさりと外させてしまった。片腕だけで尚の両腕を頭上で拘束し、男は熟れた雄膣を責め立てる。足を折り畳まれ、巨体の下に組み敷かれながら、尚の肉蕾はときおり真っ赤な媚肉をめくられながら、己を支配する雄へと健気に絡みついていた。

「あっ、あ、ほんとダメ、も、ちんぽ熱い、わかんないっ」
「出しちゃえ出しちゃえ。ほら、俺のTシャツ敷いたから、もう大丈夫だろ」
「やだって、ばか、やだ、ぁ、あああっ……!」

  男の腰が突き上げるように動いた。それと同時に、尚の震える肉茎から透明な雫が一条ほとばしり、白い腹を濡らした。男の腰が動くたびに潮を噴き、体液が漏れるたびに羞恥に目元を染めて泣く。いっそ腹立たしくなるほど、あざといほど、その姿は煽情的で、ぐちゃぐちゃに抱き潰してしまいたくなる。

  男は泣き濡れた尚に噛みつくように口づけた。太い舌で狭い口中を我が物顔で蹂躙し、絡ませ合う。漏らした羞恥に涙していた尚だったが、いつしか目をとろんと閉じ、喉を鳴らして男の唾液を啜っていた。いつの間にか解かれた腕で男の短い髪をまさぐり、自ら積極的に舌を絡ませていく。羞恥を司る理性が、快楽に屈服したのだ。

「あっ、あっ、またイク、ひーちゃ、イク……っ」

  半開きの唇からキス途中の舌を突き出したアヘ顔を晒しながら、尚が雌の絶頂を極めた。あの愛らしい顔が、一転してだらしなく尾籠びろうなアクメ顔に変わっても、劣情をそそることには何の違いもなかった。むしろ、あの綺麗な顔をイカせにイカせて、ここまで歪ませてやったという満足感すら感じるというものだ。

「尚……、俺もイクからな……っ!  一番奥に種付けしてやるっ!」
「んっ、んん、ひーちゃん……!」

  男は尚の小さな身体を完全に抱き込み、激しく腰を打ち据え始めた。見えるのは、男の腕の隙間から突き出た白い脚と、巨大な肉槍に真上から突き刺され、陰嚢でビンタされる白い尻だけだ。激しいストロークにぶじゅぶじゅとローションが泡立ちながら尻のカーブに沿って垂れ落ち、二人の身体の隙間から透明な雫が飛び散っていく。

  男の腰が一層奥へと押しつけられた。

「っ、あ、ひーちゃんの出てる……っ、奥、っ……!」

  迫り上がった男の陰嚢がびぐびぐと戦慄く。充血した肉蕾に収まりきらずにはみ出した裏筋が膨れ、さながら強力なポンプのように雄種を大量に送り込んでいるのが分かる。細い足が空を掻き、溺れる者のように男の太い胴体にしがみついた。その指先が、きゅうと丸まる――。

  指すらも届かぬ結腸の奥に、支配の印を刻みつけられながら絶頂する尚には、自分が今、どれほど憐れな存在であるか分かるまい。頭の中は分泌されたケミカルな多幸感でいっぱいで、本来ならばこの男のようなセフレではなく、尚を真に愛している者に抱かれるはずの悦びを知らないのだから。

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