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やっと見つけた、私の彦星。
しおりを挟む「おかえり。…見つかった?」
「はい。それで、思いっきり振られてきました!」
「え?…大丈夫?」
「なんか私吹っ切れたみたいです。」
「そうなの?本当に無理してない?」
「そりゃちょっとは辛いなって気持ちもありますけど、
小野さんがここでずっと待っててくれたので…。」
「ならよかった。」
「…ありがとうございます。本当は不安でしたよね?」
「そりゃあね(笑)
マジで杏奈ちゃんが帰ってこなかったら明日会社欠勤してたよ(笑)」
「(笑)」
「…でも、戻ってきてくれるって信じてたから。」
「…え?」
「俺さ、こう見えても女見る目あるから♪」
「なにそれ(笑)」
「本当に大事にします。(笑)マジで好き。」
「…私もです。」
「え?!」
「…都合いい女って思うかもしれないですが…
昨日一緒に過ごしてた時から小野さんのこと
いい人だなって思ってました。だから…。」
「だから?」
「…こんな私でも良かったら、付き合ってください。」
「…。」
「…ダメですか?」
「ダメな訳ないじゃん!マジ嬉しい!」
「っきゃ…!」
そう言って小野さんは私を思いっきり抱きしめた。
周りの人は見てはいけないと思いつつも
真昼間から男女が駅で抱き合ってるもんだから、
そりゃあ注目されないわけがない。
真っ赤になって抵抗しながらも、なぜか嫌な気持ちはなく
今日が七夕だという事にふと気が付き、やっと出会えた運命の彦星は
小野さんだったのでは…と勝手に思い込み
私の心臓がドクドクと鼓動を速めていくのであった。
【おわり】
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