上 下
1 / 5

彼女を初めて家に呼んでみた

しおりを挟む

「今日、俺ん家来る?」
「え、行っていいの?」
「うん、誰も居ないから全然いいよ。」
「じゃあ、お邪魔させてもらおうかなっ♪」
「おっす…。(笑)」


そうニヤけ顔で話しているのは俺、丸山 旭(アサヒ)と、
HRも終わり一緒に帰る約束をしていた彼女の寺尾 ナルミ。
同じクラスで仲良くなり、俺から告白して付き合うことになった。

そんな彼女を今日は初めて自分の家に呼ぶ。
やましいことがしたい訳じゃなく(したくないとは言っていない)
ファミレスでだべるより、家でのんびり過ごしたいと思い提案した。

自分の家までは学校からそれほど離れていはいないため、
彼女としゃべりながら自転車をこいでいたらすぐに到着した。



「ここに自転車停めといて。」
「うん、ありがと。なんか緊張しちゃう(笑)」
「誰もいないから大丈夫(笑)」
「初めて彼氏の家にお邪魔するからさ…!」
「そうなの?」
「うん。」


ナルミの初めてになれたことが嬉しい俺。
ニヤつく表情を必死に抑え、平然を装って玄関のドアを開ける。



ガチャッ


「この階段上がったすぐの部屋が俺の部屋だから。」
「はぁい。」
「ちょっと小腹を満たせるもの調達してくる(笑)」
「うん、じゃあ待ってるね(笑)」


そう言ってナルミを玄関に待たせてキッチンに向かう。



…そしたら予想外。二個上の兄貴の葵(アオイ)がいた。

しおりを挟む

処理中です...