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もう少しこのまま

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「だって、そんな思いにも気づかずにのこのこ家までついてきて。
 そりゃ何かあってもおかしくないよね。
 二十過ぎた男女が二人で夜を過ごすって…そうゆうことだもんね。」
「…。」
「私もね須藤くんのこと昔から知ってたよ、なんとなくだけど…。
 蒼太の昔からの友だちで、いっつも楽しそうに話してた。
 だから初めて話しかけてきてくれた時すごく複雑だったけど、嬉しかったんだ。
 だけど、私のこと知らないっぽかったから蒼太と付き合ってたことは黙ってたの。
 でも、今となってはお互い知ってたなんてね。(笑)へんなの。」
「まじで変に気遣いすぎてたのかもね。」
「そうかも。」

「俺ら似たもの同士で相性いいんじゃね?」
「…何それ。(笑)」
「試しに付き合ってみます?(笑)」
「…え、まじで?」
「まじで。」

「…うん、いいよ。」
「まじ?」
「須藤くんがまじって言ったのに!」
「そっちじゃなくて。」

「…っ!」
「今、いいって言ったよね?」
「…いじわる。」
「なんとでも言ってくれ(笑)もう俺の彼女だし。」

「…ばか。」


そう言って私の上に再び覆いかぶさりキスをした。

今度は恋人として。

その夜は須藤くんが激しく求めてきて…私も夢中でそれに応えた。


次の日は日曜日。須藤くんの家のベッドで目が覚めた。
起き上がろうとしたら腕をつかまれて須藤くんの胸の中に倒れこんでしまった。


「っわ!」
「…ん、まだこうしてたい。」
「…!!」


寝ぼけながら言う彼が可愛くて、

今日は、君と何をしようか。

…そんなことを考えながら私も再び目を閉じた。





【終わり】
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