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第三章『家督相続』
伊達政宗、幽霊退治は伊達じゃない その陸
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会議が始まった。始まったのだが、成実は何も話そうとはしない。
「成実。お前は何がしたいんだ?」
「......」
「......以前あった不可解な事件などはお前がやったのか?」
「......」
成実はずっと黙ったままだった。小十郎は、俺に視線を向けてきた。視線を読み取ってみると、成実が犯人で決まりだと言いたいのだろう。俺は顔を横に振った。
小十郎は視線で、なぜだ、と尋ねてきた。俺は成実が犯人だとはどうしても考えられないからだ。歴史を見てみても、成実は政宗に忠実で、裏切ることなどあり得ない。
「成実。これから──」
俺が成実に話しかけたその時、部屋の扉がパパパッとと一斉に開いた。ビックリしてボーとしていたら輝宗がいることに気づいた。
「父上! なぜここに?」
「政宗、大丈夫か!? 景頼からの報告で、反旗を翻した成実が政宗と火花を散らしていたとあったが」
やられた。景頼は悪くないが、これでは成実をという一番扱いやすい伊達政宗の駒がなくなってしまう。将棋に例えるなら、王手飛車取り......。
「心配いりません、父上。成実には逆心の疑いがあるわけが」
「お屋形様!」小十郎は輝宗に平伏した。「成実殿には、明らかに敵意のようなものがございます!」
テメェ! おい、小十郎! お前も確かに右腕的な存在だが、戦で成り上がるには成実がいないとどうしようもない! 頼むから......。
「何を言っておるんだ、小十郎。もういい、下がれ」
「いや」輝宗は小十郎の報告に食いついた。「待て、政宗。小十郎、そなたは成実に敵意があると言った。その根拠はあるのか?」
「ええ、今からお屋形様の目の前で、根拠をお見せしましょう」
「うむ。見させてもらおうか」
小十郎は成実に顔を向けて、幽霊の騒動を起こしたのは貴殿ですか、などと尋ねた。また、何を企んでいるのか、という質問もしていた。成実は、終始無言だった。これにはさすがの輝宗も動揺している。成実の部下も、堪えるような顔をして口を結ぶ。
成実、このまま何も言わないと、逆心の疑いあり、と判断されてしまうぞ。お前が消えたら、俺はどうやって戦に臨めばいいのだ。
幸い、成実は言葉を発した。『一切話すことはありません』と、言ったのだ。黙秘というやつだな。こりゃ困った。
輝宗は決断した。成実の身柄を一時的に確保してしまう、というものだ。成実は輝宗によってその場で取り押さえられ、どこかへ運ばれていった。
「テメェ、何やってやがる神辺!」
「だって、怪しかったじゃん」
「じゃん、じゃねぇんだ! 成実がいないと、伊達政宗による天下統一が実現出来ないかもしれんのだ」
「やばいな」
「くそ、景頼も勝手に報告しやがって......。とにかく今は、成実を助け出す方法を考えないといけない」
「どうするんだ?」
「いつもやっていることだ。景頼と愛姫を探し出してくれ」
「わかった」
手分けをして景頼と愛姫を見つけ出すと、部屋ですぐさま会議を開始させた。成実が去っては政宗の英雄(えいゆう)譚(たん)も終わりだ。奴を何としてでも救出する手立てを熱心に議論し合った。
三十分で疲れ果て、小十郎はあることを思いついた。「まず、何で成実が無言だったんだ?」
「確かに、言われてみれば......」成実が犯人だからだ、と言えば終わる話しだが成実が犯人というのはあり得ない。つまり、成実が無言だった理由を突き止めれば逆心の疑いがないことを証明出来るということだ。「よし。成実が無言だった理由を突き止めてやるぞ!」
いつも通り、結局は頭をフル回転させなければならない。最近は慣れてきたが、戦国時代に来てからどうも推理をすることが多い気がする。
小十郎は顎に手を当てた。「成実が無言ってことは言いたくないことだってわけだ。幽霊について言いたくなかったとして、犯人じゃないなら被害者だったり真犯人を知っていてかばっている可能性もあるな」
「待てよ。被害者だったら無言になるか?」
「んー、幽霊を見て漏らしちゃったとか、そういうことじゃないか?」
「まさか、漏らすわけがないだろ」
「ということは、真犯人をかばってるってことか?」
「となると、幽霊騒動の真犯人を探してみることになるのか。結局、話しは振り出しだぜ......」
議題は成実を救う方法から幽霊騒動の真犯人になった。幽霊騒動の犯人像なら以前にも話し合ったから、誰が真犯人かも結構絞り込めてきていた。
犯人像が明瞭になってきたら、四人でそれをまとめていく。一人より四人の方が作業効率も上がるな。。前世で人望のない俺には使えなかったコミュニケーション能力ピカイチの奴らだけの秘技『人海(じんかい)戦術』とは、このことなのか。
前世の俺自身を嘲(あざ)笑ったところで、犯人のプロファイリングは完璧というまでになっていた。このプロファイリングを元に容疑者を絞っていくわけだから、これからの仕事は難しいことではないか。が、この仕事も人海戦術に頼ってみるのも一つの手だ。そうだな。自分にそう言い聞かせてから、四人で犯人探しの旅に出発した。
「成実。お前は何がしたいんだ?」
「......」
「......以前あった不可解な事件などはお前がやったのか?」
「......」
成実はずっと黙ったままだった。小十郎は、俺に視線を向けてきた。視線を読み取ってみると、成実が犯人で決まりだと言いたいのだろう。俺は顔を横に振った。
小十郎は視線で、なぜだ、と尋ねてきた。俺は成実が犯人だとはどうしても考えられないからだ。歴史を見てみても、成実は政宗に忠実で、裏切ることなどあり得ない。
「成実。これから──」
俺が成実に話しかけたその時、部屋の扉がパパパッとと一斉に開いた。ビックリしてボーとしていたら輝宗がいることに気づいた。
「父上! なぜここに?」
「政宗、大丈夫か!? 景頼からの報告で、反旗を翻した成実が政宗と火花を散らしていたとあったが」
やられた。景頼は悪くないが、これでは成実をという一番扱いやすい伊達政宗の駒がなくなってしまう。将棋に例えるなら、王手飛車取り......。
「心配いりません、父上。成実には逆心の疑いがあるわけが」
「お屋形様!」小十郎は輝宗に平伏した。「成実殿には、明らかに敵意のようなものがございます!」
テメェ! おい、小十郎! お前も確かに右腕的な存在だが、戦で成り上がるには成実がいないとどうしようもない! 頼むから......。
「何を言っておるんだ、小十郎。もういい、下がれ」
「いや」輝宗は小十郎の報告に食いついた。「待て、政宗。小十郎、そなたは成実に敵意があると言った。その根拠はあるのか?」
「ええ、今からお屋形様の目の前で、根拠をお見せしましょう」
「うむ。見させてもらおうか」
小十郎は成実に顔を向けて、幽霊の騒動を起こしたのは貴殿ですか、などと尋ねた。また、何を企んでいるのか、という質問もしていた。成実は、終始無言だった。これにはさすがの輝宗も動揺している。成実の部下も、堪えるような顔をして口を結ぶ。
成実、このまま何も言わないと、逆心の疑いあり、と判断されてしまうぞ。お前が消えたら、俺はどうやって戦に臨めばいいのだ。
幸い、成実は言葉を発した。『一切話すことはありません』と、言ったのだ。黙秘というやつだな。こりゃ困った。
輝宗は決断した。成実の身柄を一時的に確保してしまう、というものだ。成実は輝宗によってその場で取り押さえられ、どこかへ運ばれていった。
「テメェ、何やってやがる神辺!」
「だって、怪しかったじゃん」
「じゃん、じゃねぇんだ! 成実がいないと、伊達政宗による天下統一が実現出来ないかもしれんのだ」
「やばいな」
「くそ、景頼も勝手に報告しやがって......。とにかく今は、成実を助け出す方法を考えないといけない」
「どうするんだ?」
「いつもやっていることだ。景頼と愛姫を探し出してくれ」
「わかった」
手分けをして景頼と愛姫を見つけ出すと、部屋ですぐさま会議を開始させた。成実が去っては政宗の英雄(えいゆう)譚(たん)も終わりだ。奴を何としてでも救出する手立てを熱心に議論し合った。
三十分で疲れ果て、小十郎はあることを思いついた。「まず、何で成実が無言だったんだ?」
「確かに、言われてみれば......」成実が犯人だからだ、と言えば終わる話しだが成実が犯人というのはあり得ない。つまり、成実が無言だった理由を突き止めれば逆心の疑いがないことを証明出来るということだ。「よし。成実が無言だった理由を突き止めてやるぞ!」
いつも通り、結局は頭をフル回転させなければならない。最近は慣れてきたが、戦国時代に来てからどうも推理をすることが多い気がする。
小十郎は顎に手を当てた。「成実が無言ってことは言いたくないことだってわけだ。幽霊について言いたくなかったとして、犯人じゃないなら被害者だったり真犯人を知っていてかばっている可能性もあるな」
「待てよ。被害者だったら無言になるか?」
「んー、幽霊を見て漏らしちゃったとか、そういうことじゃないか?」
「まさか、漏らすわけがないだろ」
「ということは、真犯人をかばってるってことか?」
「となると、幽霊騒動の真犯人を探してみることになるのか。結局、話しは振り出しだぜ......」
議題は成実を救う方法から幽霊騒動の真犯人になった。幽霊騒動の犯人像なら以前にも話し合ったから、誰が真犯人かも結構絞り込めてきていた。
犯人像が明瞭になってきたら、四人でそれをまとめていく。一人より四人の方が作業効率も上がるな。。前世で人望のない俺には使えなかったコミュニケーション能力ピカイチの奴らだけの秘技『人海(じんかい)戦術』とは、このことなのか。
前世の俺自身を嘲(あざ)笑ったところで、犯人のプロファイリングは完璧というまでになっていた。このプロファイリングを元に容疑者を絞っていくわけだから、これからの仕事は難しいことではないか。が、この仕事も人海戦術に頼ってみるのも一つの手だ。そうだな。自分にそう言い聞かせてから、四人で犯人探しの旅に出発した。
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