5 / 49
ホームズの概要
ホームズの誕生日
しおりを挟む
【ホームズの誕生日が1月6日となる根拠】
ホームズの誕生日は1月6日として定着しています。本頁を読んでいる人の中でも、かなり知っている人が多いでしょう(前々頁を読んだ人は覚えていますね)。しかし、ホームズの誕生日が1月6日というのは、少々こじつけがましいのです。ホームズの誕生日が1月6日となっている理由を言えば、必ずと言っていいほど『それだけの理由!?』となることでしょう。私もそうなりました。しかし、他に決定打となり得る説もなく、結局『ホームズの誕生日を1月6日とする説』が定説となってしまっているのです。
ホームズは短編『空き家の冒険』の中でセバスチャン・モラン大佐に『悪魔! このちょこざいな悪魔めがッ!』と罵られたため、『旅路の終りは愛人のめぐりあいと古い芝居の科白にはあるけれど、とんとしばらくお目にかかれませんでしたな。(後略)』と言い返しています。古い芝居とはシェイクスピアの戯曲『十二夜』で、ホームズはシェイクスピアの『十二夜』のセリフを短編『赤い輪』でも引用しています。
このことから、ホームズは『十二夜』に強い思い入れがあるのではないか、と言われるようになります。
十二夜はキリスト生誕の12月25日から数えて12日目なので、1月6日。つまり、ホームズは1月6日に強い思い入れがあったのではないか、というだけでホームズの誕生日は1月6日とされるようになったんです。
そこの読者様。今『それだけの理由!?』と思いましたね(笑)。他にも理由があります。
アメリカのシャーロック・ホームズ研究団体であるベーカー・ストリート・イレギュラーズ(通称『BSI』)の会長だったクリストファー・モーリーは1月6日という日付を占星術をもとに割り出しました。
そこの読者様。また『それだけの理由!?』と思いましたね(笑)。はい、これだけの理由なんです。そこで質問です。この説を信じますか?
私は信じたくないです。しかし、他に有力な説もないのです。今のところは、このこじつけがましい『1月6日』説を信じるしかありません。
ですが、時代は進み、いつか『1月6日』説以外の有力な説が現れるかもしれません。それまで、待ちましょう。それか、自分で新説を唱えてみませんか? シャーロキアンになりましょう! そして、新たな説を生み出すんです!
【『十二夜』はドイルのお気に入り】
これは余談になりますが、ドイルはシェイクスピアの『十二夜』をかなり気に入っていたのだとわかります。『十二夜』にはセバスチャンという人物が登場しますが、これは正典だとセバスチャン・モラン大佐のファーストネームです。
また、サー・トビー・ベルチなる者も登場し、この人物の名前である『トビー』は、長編『四つの署名』でホームズが犯人追跡に使用したスパニエルとラーチャーの雑種犬と同じ名です。
シェイクスピア『十二夜』で登場するオーシーノ公爵家の家臣であるヴァレンタインという名前は、短編『ブルース・パティントン設計書』のヴァレンタイン・ウォルター大佐と一緒です。
同じ名前ではなく、似た名前の人物も正典に多数登場しています。『十二夜』の主人公である『ヴァイオラ』の名前と似た『ヴァイオレット』という名前の人物は、正典で複数人登場しています。短編『椈屋敷』では、依頼人の名前がヴァイオレット・ハンター、短編『美しき自転車乗り』ではヴァイオレット・スミス、短編『高名な依頼人』ではヴァイオレット・ド・メルヴィル、短編『ブルース・パティントン設計書』ではヴァイオレット・ウエストベリーら『ヴァイオレット』の名の付く四人が登場します。
また、ヴァイオレット(紫)色も正典でよく登場します。短編『花婿失踪事件』では依頼人メアリー・サザーランド嬢の手袋に付いていたインク、短編『ボスコム谷の惨劇』では依頼人アリス・ターナーの眼、長編『バスカヴィル家の犬』での空の描写、長編『恐怖の谷』では一輪咲いたスミレ、短編『赤い輪』では太い鉛筆がいずれもヴァイオレット色だと書かれています。
他にもドイルは、シェイクスピアから引用をさせています。短編『フランシス・カーファクス姫の失踪』では、シェイクスピアの『ヘンリー六世』から引用がされていて、ドイルはシェイクスピアの作品が好きなのだということです。
シェイクスピアの作品以外にも、ドイルは様々な文芸作品を愛読しました。そういう文芸作品に影響を受けている作品は正典にも存在します。知らぬ人はいない『ロミオとジュリエット』に影響されているのが、短編『ボスコム谷の惨劇』です。
なぜドイルは文芸作品の影響を受けた作品を書いているのか。それは幼少期の母メアリーからの影響です。メアリーは幼いドイルに中世の騎士物語や英雄伝説などをくり返し話して聞かせていました。ドイルは、自分が歴史や文学に興味を持つようになったのは、クライマックスに差し掛かるとぐっと声を落として恐怖に打たれたようにささやく母の話術に引き込まれた、と話しています。
また、メアリーに図書館の使い方を教えてもらい、本を読む楽しさを知ったようです。一日に三回も本を取り替えに来てはいけないと図書館から注意されたほど、ドイルは本をたくさん読み、その本の内容を記憶していました。メアリーがドイルを本好きにさせたのです。
話しを戻して、これらのことから、ドイルは『十二夜』を気に入っていて、ホームズに『十二夜』から二度もセリフを引用させたのではないでしょうか。それがいつしかホームズの誕生日の根拠となるとは、ドイル自身思いも寄らぬことでしょう。
ホームズの誕生日は1月6日として定着しています。本頁を読んでいる人の中でも、かなり知っている人が多いでしょう(前々頁を読んだ人は覚えていますね)。しかし、ホームズの誕生日が1月6日というのは、少々こじつけがましいのです。ホームズの誕生日が1月6日となっている理由を言えば、必ずと言っていいほど『それだけの理由!?』となることでしょう。私もそうなりました。しかし、他に決定打となり得る説もなく、結局『ホームズの誕生日を1月6日とする説』が定説となってしまっているのです。
ホームズは短編『空き家の冒険』の中でセバスチャン・モラン大佐に『悪魔! このちょこざいな悪魔めがッ!』と罵られたため、『旅路の終りは愛人のめぐりあいと古い芝居の科白にはあるけれど、とんとしばらくお目にかかれませんでしたな。(後略)』と言い返しています。古い芝居とはシェイクスピアの戯曲『十二夜』で、ホームズはシェイクスピアの『十二夜』のセリフを短編『赤い輪』でも引用しています。
このことから、ホームズは『十二夜』に強い思い入れがあるのではないか、と言われるようになります。
十二夜はキリスト生誕の12月25日から数えて12日目なので、1月6日。つまり、ホームズは1月6日に強い思い入れがあったのではないか、というだけでホームズの誕生日は1月6日とされるようになったんです。
そこの読者様。今『それだけの理由!?』と思いましたね(笑)。他にも理由があります。
アメリカのシャーロック・ホームズ研究団体であるベーカー・ストリート・イレギュラーズ(通称『BSI』)の会長だったクリストファー・モーリーは1月6日という日付を占星術をもとに割り出しました。
そこの読者様。また『それだけの理由!?』と思いましたね(笑)。はい、これだけの理由なんです。そこで質問です。この説を信じますか?
私は信じたくないです。しかし、他に有力な説もないのです。今のところは、このこじつけがましい『1月6日』説を信じるしかありません。
ですが、時代は進み、いつか『1月6日』説以外の有力な説が現れるかもしれません。それまで、待ちましょう。それか、自分で新説を唱えてみませんか? シャーロキアンになりましょう! そして、新たな説を生み出すんです!
【『十二夜』はドイルのお気に入り】
これは余談になりますが、ドイルはシェイクスピアの『十二夜』をかなり気に入っていたのだとわかります。『十二夜』にはセバスチャンという人物が登場しますが、これは正典だとセバスチャン・モラン大佐のファーストネームです。
また、サー・トビー・ベルチなる者も登場し、この人物の名前である『トビー』は、長編『四つの署名』でホームズが犯人追跡に使用したスパニエルとラーチャーの雑種犬と同じ名です。
シェイクスピア『十二夜』で登場するオーシーノ公爵家の家臣であるヴァレンタインという名前は、短編『ブルース・パティントン設計書』のヴァレンタイン・ウォルター大佐と一緒です。
同じ名前ではなく、似た名前の人物も正典に多数登場しています。『十二夜』の主人公である『ヴァイオラ』の名前と似た『ヴァイオレット』という名前の人物は、正典で複数人登場しています。短編『椈屋敷』では、依頼人の名前がヴァイオレット・ハンター、短編『美しき自転車乗り』ではヴァイオレット・スミス、短編『高名な依頼人』ではヴァイオレット・ド・メルヴィル、短編『ブルース・パティントン設計書』ではヴァイオレット・ウエストベリーら『ヴァイオレット』の名の付く四人が登場します。
また、ヴァイオレット(紫)色も正典でよく登場します。短編『花婿失踪事件』では依頼人メアリー・サザーランド嬢の手袋に付いていたインク、短編『ボスコム谷の惨劇』では依頼人アリス・ターナーの眼、長編『バスカヴィル家の犬』での空の描写、長編『恐怖の谷』では一輪咲いたスミレ、短編『赤い輪』では太い鉛筆がいずれもヴァイオレット色だと書かれています。
他にもドイルは、シェイクスピアから引用をさせています。短編『フランシス・カーファクス姫の失踪』では、シェイクスピアの『ヘンリー六世』から引用がされていて、ドイルはシェイクスピアの作品が好きなのだということです。
シェイクスピアの作品以外にも、ドイルは様々な文芸作品を愛読しました。そういう文芸作品に影響を受けている作品は正典にも存在します。知らぬ人はいない『ロミオとジュリエット』に影響されているのが、短編『ボスコム谷の惨劇』です。
なぜドイルは文芸作品の影響を受けた作品を書いているのか。それは幼少期の母メアリーからの影響です。メアリーは幼いドイルに中世の騎士物語や英雄伝説などをくり返し話して聞かせていました。ドイルは、自分が歴史や文学に興味を持つようになったのは、クライマックスに差し掛かるとぐっと声を落として恐怖に打たれたようにささやく母の話術に引き込まれた、と話しています。
また、メアリーに図書館の使い方を教えてもらい、本を読む楽しさを知ったようです。一日に三回も本を取り替えに来てはいけないと図書館から注意されたほど、ドイルは本をたくさん読み、その本の内容を記憶していました。メアリーがドイルを本好きにさせたのです。
話しを戻して、これらのことから、ドイルは『十二夜』を気に入っていて、ホームズに『十二夜』から二度もセリフを引用させたのではないでしょうか。それがいつしかホームズの誕生日の根拠となるとは、ドイル自身思いも寄らぬことでしょう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる