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転生そして始まり
第五話 友達と家族
しおりを挟むスラムの孤児の、アンとカルロス。
二日に一回市場に行くときに、ベンチで一緒にご飯を食べて、遊ぶという関係になっていた。二人はこれまで捨てられたものや施しだけで生きてきた。それもそうだろう、やせ細ってでいて死ぬのも時間の問題なほどだ。だから二日に一回でも大喜びで食べている。毎日満足に食べられるている自分がなんだか申し訳なくなっていた。
二人に聞いてみる
「もし、毎日ごはんがたべれるようになったらどう?」
カルロスが答えた。
「うれしい。」
そう一言だけ小さく答えた。
そうして、ひと月が経ち。 両親に相談し見ることにした。二人と一緒に暮らせないかと。
怒られて「なんで孤児なんか育てにゃならん」って言われることも覚悟していた。
「父さん、お願いがあるんだけど・・・。」
「なんだい?」
「友達が・・孤児の友達がいるんだ。」
だんだんと声が小さくなってしまう。
父さんは孤児と聞いて少し眉をひそめた。いい印象なんてあるはずがない、汚いしいつ殺されるかという不安が付きまとう。やっぱり無理だと思った。
少しうなった後、父さんは言った。
「いいぞ。」
「え?」
「一緒に暮らしたいんだろ?その孤児の友達と。いいぞ。」
なぜか一緒に暮らしたいということまでわかっていた。
「母さんもいいわよ。」
「本当に?だって孤児だよ・・・」
「じゃあ、一緒に暮らしたくないの?」
「いや暮らしたいよ!ご飯を食べさせてあげたい。それにもっと仲良くなりたい。・・・けど孤児だよ?」
満足にごはんも食べられないような人間なんてほとんどいない日本という国を知っているから、よりかわいそうに見えているだけかもしれない。本当にただの自己満足かもしれない。でも、助けたいと思った、こんな気持ち初めてで前世でも感じたことが無くて、戸惑いもある。だけどこの気持ちだけは本当だ。
「いいのよ。母さんたち心配だったの。死ぬのが怖くなさそうだったり、ほかの子とあまり深くかかわろうとしなかったり。毎日が楽しそうじゃなさそうで。なんでだろうって、どうしたらいいのかなって悩んでたの。でも、なんだか最近楽しそうでしょ。市場に行くたびにどこかに走って行って。笑うことが増えて。それが嬉しかったの。楽しそうなタロウを見て幸せだった。だからいいのよ。そんなタロウを作ってくれたんだから、一緒に暮らしたらもっと楽しいでしょ?絶対。」
「うん!!!」
嬉しかった。ずっと見ていてくれたことか、一緒に暮らせるようになったことか、あるいはそのどっちもかは分からない。けど嬉しかった。
つぎの日はすぐに市場に行ってアンとカルロスに会いに行って、このことを伝えた。
「アン、カルロス。」
「なに?」
いつも通り肉串を頬張りながら返事をする。出会ったころに比べたらだいぶましになっていた。出会った頃がひどすぎたのかもしれないけど、話せるようになっただけでもいいのかもしれない。それでもまだ体は骨と皮だけで、弱弱しい。
「一緒に暮らそう。」
そう言うと二人は首を傾げた。
「一緒にご飯を食べよう、毎日おいしいご飯を。うちに来て暮らそう。」
「ほんとに・・・?」
「うん、ほんとだ母さんたちもいいって。」
二人は固まった。でも少しずつ理解してき喜んでいる。
「あ、あり、ありがとう」
どもりながらお礼を言われる。
そのあと家に連れていくときも泣きそうなほど喜んでいた。
二人と出会って一年が経った。
二人の年が分からなかったため六歳ということにした。俺の元高校生という精神年齢からしたら二人が弟妹みたいなものだからというのは内緒だ。それに二人は友達というより家族のようなものになったから。
そして最近は、身体に肉もついてきて血色もよくなってきた。
アンは透き通るような緑色のグリーンアイでカルロスはますっぐでサラサラな金髪が特徴だ。あの頃はどちらも汚くて、そんなことはわからなかった。
今日はついに二人が魔力を感知する日だ。体調も良くなりやっても大丈夫だろうということになった。
「アン、カルロス。今日は魔力を感知するよ。」
「「やったー」」
自分の時と同じように喜んでいて、去年を思い出す。
「どうやってやるんだ?」
「まずはお腹に力をいれて。次に・・・・」
そうして二人は俺の時と同じように自分の魔法を知る。アンは【感】カルロス」は【火】だ。
「カルロス!!すごいな。貴族になれるぞ!!」
「そうかな・・?」
【火】は最もわかりやすく強いといわれている魔法だ。単純に火が出せる。レベルが上がればいろんな選択しかある。【火剣】だったら剣の柄から火を出して剣にできる。わかりやす。拳にしたら、エ〇スにもなれる。
アンは俺と同じでよく分からないみたいだ。感じるって何を感じれるんだろう。
だけど、俺もいまだに自分の魔法の使い方が分かってない。
それを伝えたらアンはほっとしていた。 俺は複雑な気持ちだ。
最近は剣の練習をしている。
魔法が強い世界だから剣なんていらないと最初は思ったが、そんなことはないらしい。魔物を倒せる魔法なんて少ないため基本は魔法で補助して剣で戦うそうだ。だから多くの人間は魔力を感知できるくらい体ができてきた今くらいに剣の練習をし始めるのだ。
そして剣を教えるのは父の仕事だ。
アメリカのバーベキュー見たいなもので、一家の中でそうゆうものと決まっている。
そもそも父さんは休日に魔物を狩りに行くぐらいもともと強い人だから教わるのに不満はない。
教わり始めた時は、どんなに頑張っても勝てないことを知っていたためあまりやる気はなかった。だけど二人が来てから負けられないと思いやる気になった。今では楽しいと思えるくらいになっている。
今日の剣の練習が終わり五人で食卓を囲んでいると、父さんが言った。
「だいぶ、うまく使えるようになってきたし明日は四人で森に狩りに行こうか。」
「やった。」
思わず声が出た。だってついに魔物狩りに行けるから。
「でも、ギルドに登録しないといけないんじゃないの?」
「それは大丈夫だ、ギルドはパーティーを組んだり、依頼を受けたりするところなだけであって、近場で魔物を狩るくらいは父さんがいるから大丈夫だ」
この世界で魔法を強くするためには魔物を倒さなくてはいけない、だから魔物狩りというのは強くなるための希望でありロマンだ。ワクワクするのはしょうがない。ほかの二人もうれしそうに机の下でガッツポーズしている。
今日は興奮しすぎて眠れなかった。
(これが遠足前に興奮して眠れないという、あれか)
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