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【陥穽篇】3.もうひとつの盟約
もうひとつの盟約 ☆拾壱
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統括会室に、静寂が流れている。
長テーブルの上座に座す玲子が呆気にとられた顔で、扉を背に佇む響を見ていた。
否、正確には響ではない。
響の横でふよふよと浮かんでいる〝ソレ〟を見て絶句している。
幻覚を見ているのだろうかと、玲子は最初自分の目を疑ったぐらいだ。
「ええと……一体何が、どうしたの?」
少しは落ち着きを取り戻したらしい玲子が、ようやくそれだけの言葉を発する。
玲子の疑問はもっともだ。まぁ、そうなるよなぁと思っていた。むしろ、この状況でそうならないほうがおかしい。
面倒だが、説明しないわけにはいかない。響自身も正直、この流れに対して完全に戸惑いを消しきれずにいる。
響は〝ソレ〟をちらと見やり、先ほどまでのできごとを思い返しつつ、事の次第を話し出した。
△ △
「……あー、散々な目にあった」
空がからりと晴れ渡っている。ここまではっきりと晴れたのは、随分と久しぶりな気がする。梅雨入りしてからは、ずっと雨か曇りだったのだ。
快晴とも言える天候だが、梅雨が明けたわけではない。今日は一日晴れの予報ではあるものの、明日の午後からはまたしばらく崩れた天気の日が続くのだという。
連日の雨で大地はすっかり水を吸い、吸いきれなかった分が辺りを湿らせているせいで、至る所が泥濘となっている。
土手下の川も平時の二倍ほど増水しており、土砂で濁り切った水が勢いよく流れて行っていた。
それを横目にとぼとぼと川沿いを歩く響の表情は、空模様に反してどんよりとしている。
いつものように響の頭上にでんっと乗っかっていた氷輪が、ひとつ尻尾を振った。
「しかし、おかげで怪我は完治したのだ。よかったではないか」
「それは、そうだけどさぁ……」
響はぐっぱっと左手を握ったり開いたりして調子を確かめた。つい数時間前まで、この腕はほとんど動かなかったのだ。
響が昨夜――いや正確には一昨夜に負った怪我は、現在すべて完治している。
結論からいうと、響は左腕と、肋骨を二本ほど骨折しており、一ヶ月は絶対安静しなければならないほどの重傷だった。
それを、以前も世話になった幸徳井家お抱えの病院で診断されたとき、響は言葉を失った。え、そんなやばい怪我だったのこれ、と。
たしかに、左腕はほとんど動かせなかったが、それでも痛み自体は柔らかいものだった。肋骨のほうも似たようなもので。
まぁ逆に痛みを感じられないほどの大怪我かもしれないと考えた時は、さすがにゾッとしたが。
そして、実際に診断された内容が複数部位の骨折。
響も驚いたが、医者のほうも大層驚いていた。なんでこいつはこの状態で平然と動けているんだ、とまるで化け物でも見るかのような目をしていたのが記憶に残っている。失礼な。
けれど、あまりのひどい怪我に痛覚が麻痺していた、とはどうにも思えなかった。何か別の力が働いていたような、そんな気がするのだ。根拠はないが、なぜかそう思わずにはいられない。
ともあれ、そんな状態の響は当然ながら即入院となり、丸一日泥のように眠った。
そして今朝方のことだ。目を覚ました響のもとに、一羽のアゲハ蝶を模した式鬼が来訪したのは。
響の師、土御門深晴の式鬼である。式鬼を通して深晴から告げられた言は、怪我を治すからこちらへ来い、とのことだった。
響は絶対安静にしていなければならない。それほどの重傷なのだ。けれども、師からの招集とあれば、どれだけ行きたくなくても行かないわけにはいかない。
もう身体がそうなってしまっているのだ。不本意極まりないが。
それを、ちょうどそのタイミングで響の様子を見に来ていた玲子も一緒に聞いていた。
玲子は裂傷をいくつか負った程度で、響ほど大きな怪我はなかった。それでもと一応精密検査を受けて様子を見るために一晩だけ入院していたようだ。
無事異常なしの診断を受け、今回の件で色々と後始末をしなければならない玲子は学園に戻る前に、響のもとに顔を出したのだった。
そうして、色々と話をしているところに深晴の式鬼が来た、というわけである。
玲子は、いくら怪我を治すためとはいえ怪我人を呼び出すなんて、と深晴に対していささか憤然としていた。響も怒りたかった。
それでも以前死にかけていた響の怪我を治していたのを目の前で見ていたため、玲子は経緯の説明や退院の手続きはこちらで済ませておくから、と申し出てくれたのだ。
ただでさえ忙しいのに、さらに面倒なことまで押しつけてしまったことに、さすがの響も申し訳なさを抱いた。
謝る響に、しかし玲子は首を振り表情を和らげて、早く治るのならそれが一番いいもの、と言ってくれた。
そして、帰ってきたら統括会室に寄ることだけ約束させられ、身なりを整えた響は病院を後にし、師のもとに向かったのだった。
そうして深晴の邸宅に赴いた響は、治療を施してもらい、すっかり完治して今し方深晴邸を出てきたところである。
一言で済ませたが、深晴のもとに赴いてから治療を施される前の間と、完治してから深晴宅を出るまでの間に、なんやかんやあった。
思い出すのも嫌なので、なんやかんやだ。
そのせいで、響はこんなにもぐったりしているのである。
いつものごとくいらんことを色々され、神経がかなりすり減っている。なんなら怪我を治してもらう前のほうが元気だったのではないかと思えるほど。
響が歩いてきた先には公園がある。無論、そんなところに深晴の家があるわけではない。
深晴が住まう場所は、結界や術が何十にも張り巡らされており、普通ではどうやっても辿り着けないようになっている。
ある手順を踏んで回廊を開き、深晴の邸宅までのルートを繋いで、そうしてようやく彼女のもとに行けるのだ。
本当はどこにあるのか、響は知らない。別に知りたいとも思わない。
どうせ、響はたどり着けるのだから。
「ねー氷輪、帰りも乗せてってよー」
「断る。怪我が治った以上、汝を乗せる理由はもうない。それに、汝はもっと体力をつけるべきだと前々から言っておろう。つべこべ言わず、歩くことだ」
「けーち……」
響がぶー垂れても氷輪は耳を貸さず、響の頭上に乗っている。
今は自分で動いているが、行きの時点では怪我を負った状態だった。そんな身の響がどうやって移動したのかというと、本性に戻った氷輪に乗って、である。
有事の際以外、氷輪は響を乗せることを頑として拒む。式神といえど、誇り高い神獣が便利な乗り物扱いされることは、氷輪の矜持が許さないのだ。
しかし、今回ばかりは氷輪の意志も関与していたこともあり、渋々ながら乗せていくことになったのだった。
「それに、あやつが言っておったろう。帰路はこの道を歩き行け、と」
――ああ、そうそう
帰る間際、なんやかんやあって疲労困憊の響に、深晴がいつものように微笑を浮かべながら言ったのだ。
――帰りは、川辺の道を歩いていきなさい
意味がわからず、怪訝そうに響はなぜかと問うた。しかし、深晴は面白いことがあるかもしれないわよ、と冗談めかして答えるだけだった。
師の言う面白いこととは、師の感覚での面白いことである。つまり、響にとっては何ひとつとして面白くもなんともないことのほうが圧倒的に多い。
非常に嫌な予感を覚えたが、師の貼りついたような微笑という圧力に逆らえるはずもなく、言われたとおりにこうしてこの川辺を通っているのだった。
「……はぁ、おかしなことが起こりませんように」
そう切実に願う。もうしばらくは何も起こらなくていい。いや、なんなら一生何も起こらないでくれ頼む神様仏様。
なむなむとどこぞに向けて拝んでいる響に、氷輪がそういえばと話を振った。
「呪詛返しの件。汝にしては、随分とやる気だったではないか」
妖異を追い払う片手間で、氷輪はずっと響たちの様子を伺っていた。そんな折に氷輪の耳が捉えたのは、呪詛を返すという響のいつになく真剣な声音だったのだ。
氷輪の言葉に、響は少し眉をひそめた。
「別にやる気なつもりはなかったけど……でも、あの時はなんでか飛廉を救わなきゃ、って思ったんだよね」
わたしそんなキャラじゃないのに、と響はなんとも不思議そうだった。
「なんか胸が熱くなってさ。こう、内側から湧いてくる感じってゆーの? 自分の意志じゃないみたいだった」
その言葉に、氷輪は妙な引っかかりを覚えた。
「自分の意志ではない……?」
そう、と響は頷く。それからずっと胸のあたりに、何かが居座っているかのような奇妙な感覚がある。それはけっして嫌なものではなく、どこか温かい感じのするものなのだ。
そうしてそっと自身の胸元にやった響の手が、何やら凹凸としたものに触れた。そこはちょうど胸ポケットのある位置。ポケットから取り出したそれは、氷輪が被災地から拾ってきたという中華風の装飾品だ。つい先ほど、これの存在に気づいたばかりだった。
訪ねてきた弟子の顔を見るやいなや深晴はすっと目を細めると、やおら響の顎を掴んでぐいっと引き寄せた。そうして息がかかる距離まで顔を近づけてきたのだ。
響は思わず振り払おうとしたが、それをぐっと堪えた。ここで下手に動いたほうがよろしくないことはわかっていたからだ。
――……ふぅん、そういうこと
響の眼をじっと見ていた深晴は、しばらくしてどこか不機嫌そうに声を漏らしたあと、響の顎から手を外し、今度はその指先を胸元までつーっと滑らせた。
――ここにあるのは、なぁに?
深晴が示した場所は、ポケットがある部分だった。目を瞬かせ、響がそこから取り出したものがその装飾品だった。
それを手にした響は、はてと首を傾げた。こんなとこに入れたっけ? と。たしか自室の机の引き出しにしまっておいたはずだったのだが。
不思議に思ったと同時に、これの存在を今の今まで忘れていたことに気づく。飛廉と何か関係あるものという氷輪の見立てだったが、その飛廉はもういないし、結局真相は謎のままとなってしまった。
自分が持っていても仕方ない。かと言って、どういうわけか捨ててしまおうという気にもなれなかった。
そう思うということは、これには何か特別な力が宿っているという意味にほかならない。
幸い、そういったことに詳しい人物が目の前にいる。自分が持っててもしょうがないしちょうどいいやと深晴の渡そうと思ったのだが、彼女は受け取らなかった。
――それは持っているといいわ。どうせ、すぐ必要になるもの
そう謎の言葉を残しただけで、詳しいことは何も教えてくれなかった。
どういう意味なのだろう。あの人はいつも肝心なことを伝えてくれない。
響はしげしげと装飾品に視線を落とす。やっぱり、なんだか不思議な感じがする。それに、かすかに熱を持っているような――。
そんなことを考えていた響は、頭上の氷輪がふいにぴくりと耳を動かし、天を振り仰いだことに気がつかなかった。
『――やっと見つけた』
突如びゅうと吹いた風が、響の耳に声を届けた。
はっと頭上を仰ぐ。太陽を背にして影がひとつ、こちらに向かって近づいてくるのを認めた。
やがて響の目の前に降り立ったのは清冽な気を放ち、ぼんやりとした光をまとった黄褐色の異形。
腰付近に翼を戴く鹿に似た胴体、蛇の尾、猛禽のような頭部。
忘れるはずがない。この姿は、つい二日前に見た。そして激闘を繰り広げた相手。
「……飛廉?」
響は驚きに目を瞬かせた。
「え、なんで……帰ったんじゃなかったの?」
『如月響。私はそなたを探していた』
「……わたしを?」
怪訝そうに首を捻る響に、飛廉がそっと目を伏せて静かに紡いだ。
『あれから、考えたのだ』
一度は言われたとおり、自分の住処に帰ろうとした。けれども帰路につく道すがら、飛廉の脳裏に自分がしでかしたことの数々が常に思い浮かんできてしまい、どうしてもこの罪の意識を拭い去ることはできなかった。
『やはり、私はこのまま償いひとつせず、おめおめと故郷に帰るわけにはいかない』
このままでは、あちらにいる同胞に合わせる顔がないのだ。
では、自分はどうすればいいのか。何をしたら、贖罪となるのか。ずっとずっと考えていた。
『そこで、私はあることを思いついた』
だから、こうして引き返してきた。
そう言って、飛廉は響の眼をまっすぐに見つめた。
『如月響。私を、そなたの傍に置いてはもらえぬか』
「……へ?」
『そなたは降魔士を目指しているのだろう。降魔士は、人々を仇なす妖異から救う者のことを指すと聞いた。ならば、私はその一助となりたい』
異国の風伯はどこまでも真剣な目と口調で、人間の術者に訴えかける。
『無論、その程度のことで私が犯した罪が消えることはない。それは重々承知している。しかし、それでも何かしたいのだ。そうでなければ、私の気が済まぬ』
自分が災厄を振りまいてしまったこの地で今を生きる人間の助けになるのならば、それが自分にできるせめてもの償いだ。
『頼む。私に贖う機会を与えてくれ』
そう言い募ってくる飛廉に、響は微妙な顔をしていた。
いや、ていうかそもそもわたしは降魔士になる気ないんですけど……。
そう言いかけるより前に、それまで黙っていた氷輪が口を開いた。
「飛廉よ、それは本気か?」
飛廉の眼が響の頭上に行く。そこにいる氷輪を凝視しながらしばし沈黙し、やがて開いた口から出た声には驚愕が滲んでいた。
『……白澤殿か?』
「他にどう見える」
『ど、どうしたのだ、その姿は……』
昨日相見えた時とは姿も雰囲気も違っており、一瞬本気でなんなのかわからなかった。
鋭い目を幾度も瞬かせている飛廉を見て、氷輪が不機嫌そうに顔を歪める。
「無礼者め、如何様な姿であろうと我の威厳は何ひとつ損なわれてなどおらぬというのに。我はこれの式神ゆえ、あえて力を制しておるだけだ」
『式神? 道士が操るチアンシーのようなもののことか?』
「チア……なんて?」
聞き慣れない単語に響が首を捻ると、氷輪にキョンシーと言えばわかるだろうと補足され、ああと理解した。
「まぁ、感覚的にはそのようなものだ。術者の使い魔のごとき存在を、この国では式神という」
『ふむ、式神か……』
何事か考えた飛廉は、やがて大きく頷いた。
『では、私をそなたの式神にしてくれ』
「はいぃぃぃ?」
響は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。氷輪の目が鋭く細められる。
「これはまた随分と思い切ったな。汝には心に定めた君主がおるだろうに」
『ああ、我が君はただひとり。それは絶対だ。しかし、我が贖罪のために式神になる必要があるというのならば、その間に限り別の人間を主として仰ぐことも厭わない。──我が君も、きっと許してくださるだろう』
それに、と飛廉は続ける。
『白澤殿も言っただろう、受けた恩を返せと。響の式神として主の役に立つことでその恩を返す機会となるのであれば、これ以上のこともない』
二体の神獣が話しているその間、響は空気のようだった。
なんかわたしそっちのけで、話がめっちゃ勝手に進んでくんですけど。
半眼で虚空を見ていた響へ、ふいに飛廉が向き直った。
『如月響。どうか、私を式神にしてはくれまいか。使役へと下った暁には、この飛廉、そなたの力となることを誓おう』
「って言われてもなー……」
響が渋い顔で唸る。飛廉を式神にするメリットがどうにも思い当たらない。
──普通はこの場合、術者なら一も二もなく飛びつく。神獣レベルの妖異が使役となる事例はめったになく、術者自身に箔がつくことはまず間違いないので、術者として名を馳せたい者ならばまず断らないだろう。
しかし、響は別に最強の術者になりたいだとか、そんな願望が一切ない。この身さえ守れればそれでいいのだ。だから神獣を式神にすることに対しても、特段魅力的なものと感じない。それが如月響の周囲から逸脱した価値観であった。
なかなか首を縦に振らない響に、飛廉がさらに言い募る。
『私はこの通り、空を飛べる。そなたの望むままに、どこにでも乗せて行くことができるぞ』
響の眉がぴくりと動く。どこにでも乗せて行ってくれる、だと?
反面、氷輪の表情が険しくなっていく。なんだか流れがおかしい。飛廉が自分のセールスポイントをアピールし始めた。
『風伯ゆえに、風の扱いには自信がある。風が必要になったときは、いつでも言いつけてもらって構わない』
「…………」
『これでも多くの戦経験もある身。大抵の妖異なぞ私の敵ではない。そなたの手を煩わすことなく屠ってみせよう』
「…………」
『あとは……そうだな、これからの時期は暑い日が続くだろう。私のこの翼で日陰を作り、風で扇ぐことも可能だ』
「…………」
響の心が動いているのが、傍から見ていた氷輪にびしびしと伝わってくる。
飛廉は、響の性格を見抜いていたわけではないだろう。となれば、天然か。恐ろしい。
『私にできることならば、なんでもやろう。……それでも、認めてはもらえぬだろうか』
その懇願するような面持ちは、気高い神獣の威厳を半減させているようだった。
響はちらと氷輪に目を移す。
「氷輪は、どう思うわけ?」
「ふん。それを決めるのは汝だ。我は汝の意に従うまで」
「あ、そー……」
判断を投げしようとしたのが、氷輪には筒抜けだったらしい。見事に突っぱねられてしまった。
「う~~~~~~ん……」
積極的に式神を増やしたいとは思っていないが、かといって絶対に式神にしたくないと思っているわけでもない。
……なんか、考えんのめんどくなってきたな。
響はがりがりと後頭部を掻く。んー、まぁいっかー。氷輪より融通利きそうだし。
そんな最悪なことを七割方本気で思った響だったが、ここまで言われたら断って追い返すのもなんだかかわいそうな気がしてくる、と残りの三割で思ったのもまた事実。
「……しょーがないなぁ」
響がはぁっと息を吐いて受け入れ態勢をとると、飛廉の表情がぱっと晴れる。いかめしい面立ちなのに、それがここまで晴れやかになると面白く思えてくる。随分と表情豊かな妖だ。
『感謝するぞ!』
翼をばさりと開いて喜びを体現した飛廉は、ふと長い首を傾けた。
『それで、式神となるにあたって、何か儀式などはあるのか?』
飛廉の疑問に答えたのは氷輪だ。
「そうさな。幾通りとあるが、〝名を与える〟というのがあるな」
『名を……。そういえば、白澤殿も別の呼ばれ方をされていたな』
「さよう。我はこの者から氷輪と、式神としての名を与えられた」
名を与えるということは、所有を意味する。名付けという行為によって、言霊で相手を縛るのである。そうして、名を与えた者と魂の繋がりを得るのだ。
『そうか。では、私も名を賜るとしよう』
ちょっと勝手に決めないでよ、と響の喉元まで出かかった言葉は、しかし飛廉の期待に満ちた眼差しによって飲み込まざるを得なかった。
「名前、ねぇ……」
響は顎に指を当てて唸った。いきなり名前をつけろ、だなんてまた難しいことを言ってくれる。
「飛廉って、なんか他に呼ばれてたことあんの?」
『冠位としての風伯以外だと特には。我が君も、生涯飛廉と呼び続けていたからな』
昔呼ばれていたものがあるなら、本妖が許せばそれでいいやと思ったのだが、そういうわけにはいかないらしい。
「名前……名前かぁ」
むむむと、響はわりと真剣に悩む。ものぐさでいい加減な性格の響だが、言霊を操る者として〝名〟というものがいかに重要であるのかは身に染みてよくわかっている。だから適当な名前はつけられない。きちんと意味のあるものにしなければ。
って言ったって、そんな簡単に名前なんて浮かぶはずが……。
そう思いながら、飛廉をじっと見ていた響の脳裏に突如としてある景色が浮かんだ。
あの、朝日を浴びて神々しく飛翔する姿。
あれが思いのほか、脳裏に焼きついていた。
――……暁鐘、みたい
次いで、玲子が放った言葉も蘇ってきた。
暁鐘。
暁の鐘。あかつきの、かね。
あかつきかね――あかね。
「んじゃ、暁鐘と書いて〝暁鐘〟で」
自然と、響の口がそう紡いでいた。氷輪が主を一瞥する。
「なぜその名にしたのだ、響」
「んー、なんか飛廉見てたら、あの時の光景と会長さんが言った言葉を思い出してさ。でも、そのままだと呼ぶたんびに噛みそうだったから、暁の鐘を略してアカネにした」
我と同じではないか。
氷輪は少し呆れる。またこやつは奇妙な名付け方を。
「当て字もいいところだな」
「しょーがないじゃん。それが浮かんだんだから」
肩をすくめた響は、飛廉に視線を戻した。
『暁の鐘で、暁鐘……』
神妙な面持ちで噛んで含めるように反芻した飛廉は、ゆっくりと瞼を閉じた。
『――たしかに、賜った』
風の神の名を冠す神獣は、響の前で翼をたたみ、頭を垂れる。
『風伯飛廉、これより如月響の式神暁鐘として、そなたに忠誠を誓う』
人間でいう、片膝をついて顔を伏せるような仕草。これが飛廉――暁鐘の最上級の礼儀だった。
「そして、もうひとつ」
暁鐘が頭を上げ、今度は響をじっと見ながら続けた。
「私は、二度と人間を殺めない。人を守る存在であろうと、主となったそなたと、なにより己自身へ、今一度誓わせてほしい」
力強く真剣な語調と眼差しを受け、響は軽く顎を引いた。
「ん。そんじゃまぁ、よろしくってことで」
暁鐘に対して、響は簡素でどこか締まりがないけれども、これがらしさだ。
一段落し、響はほっと息を吐いた。同時に肩の力が抜けたのを感じ、そこで自分がいつの間にか緊張していたことを知る。
まぁなんにせよ、すんなり決まってよかったな、うんうん。
満足そうにしている響を見て、氷輪の脳裏にいつかの記憶が浮かんだ。
――……んー、じゃあ〝氷輪〟、でどう?
自分が人間の式神へと下った日のこと。半年以上前のことだが、幾星霜を生きる神獣にとってはほんの数日前のことと言っても過言ではない。だから鮮明に思い出せる。
――〝ひのわ〟だと? 日輪のか?
――ううん、氷の輪でヒノワ。氷ってヒとも読むし、ヒョウリンじゃあ呼びづらいしなんか違う気がしたから
響は白澤の名に、月を意味する『氷輪』という字に、それとは対称の太陽を指し示す言葉である『日輪』の響きを持たせた。
今回もそうだ。
暁鐘は、朝を示す。けれど、響きのあかねは〝茜〟という字を想起させ、朝方の空色にも使うことはあるが、どちらかというと夕暮れを連想させるワードとなる。
それはまるで、ひとつの意味合いに縛られることなく自由であれ、と言っているかのようで。
氷輪は首を振る。まったく、縛る気があるのかないのか。
響にそこまでの意図があるのかはわからない。けれども、そこが響らしいといえばらしい。
呆れる風を装ってはいるが、氷輪の口元は笑んでいる。本妖はそのことに気づいていない。
『ときに、我が主よ』
面を上げた暁鐘が口を開くと、響はあーと頬を掻いた。
「普通に名前でいーよ。ガラじゃないし」
それに、主とか呼ばれると本格的な降魔士っぽくてなんか嫌だった。
『そうか。では、私も響と呼ばせてもらおう。改めて響よ、式神へと下った直後に厚かましいことは承知の上だが、そなたにひとつ頼みがある』
そう言って、暁鐘が申し訳なさそうに目を伏せた。
『その、だな……私の耳飾りを、ともに探してはもらえないだろうか』
「耳飾り?」
そうだと首肯する暁鐘の表情に苦渋が満ちる。
『我が君から贈られたとても大切なものなのだ。あろうことか、それを紛失してしまったようでな……』
飛廉は一度日本国外まで出たが、それから耳飾りがないことに気づいて引き返して来たのだという。その道中で、響につこうということも思いついたのだと。
償いをしたいという暁鐘の気持ちに噓偽りはないが、失くしてしまったそれを探しに戻ってきたのも本当だ。
それを見つけるより先に偶然響たちを見つけ、響の式神になるという流れになったのだが、このままでは集中できそうにない。だから見つけるのを手伝ってほしいのだと暁鐘は言った。
響と氷輪は思わず顔を見合わせる。
――それはあなたが持っていなさい。どうせ、すぐ必要になるもの
ふっと師の言葉が脳裏に浮かんできた。もしや。
「それって……もしかして、これのこと?」
響がそれまで手に持っていた装飾品を見せると、暁鐘の眼が大きく見開かれた。
『おお……! まさしく、私が探し求めていたものに相違ない! しかし、なぜそなたがこれを?』
響が妖異についての手がかりとして、氷輪が被災地で拾ってきたのだと話すと、暁鐘は一瞬表情を曇らせた。が、すぐに頭を振って切り替える。
『いやはや、我が至宝を、まさか新たに主となった者が持っていようとは……』
これぞ天の采配。やはり、私と響の邂逅は運命だったのだ!
感涙に咽ぶ、とはこのことを言うのだろうか。それに感情が高ぶっているせいか、なんか恥ずかしいことを口走っている。響は若干引いた。
この神獣、どうやらテンションが上がると、ひとりで盛り上がるところがあるらしい。
「ヨカッタネー」
喜びに打ち震えている飛廉を、響は若干引き攣った表情で見つつ考える。それにしても、こんなにあっさり持ち主に返せることになるとは。
師の言っていた言葉の意味がわかったと同時に、どこまで見通してるんだろうという恐怖を覚えずにはいられない。帰路の誘導も、飛廉の再来を予期してのことだったのだと今ならわかる。予期と言うか、もはや未来に行って実際に見てきたとしか思えないほどの的確さ。あの人にわからないことが、むしろわからない。もうそういった次元だ。
『では……』
と、暁鐘がおもむろに首を下げ、響に頭を差し出した。
「…………」
ええと。これは、つけろ、ということなのだろうか。
まぁ、そうだよね。自分じゃつけられないよね、どう見ても。四足の上に蹄だもんね。
嘆息して手を伸ばした響は、ふと動きを止めた。飛廉の頭は鳥だ。鳥に耳なぞあっただろうかと怪訝に思ったが、よく見れば羽毛に覆われているが鹿のような耳があることに気づく。
「……っと、この辺かー?」
右耳に触れた感覚に、暁鐘はふっと目元を和ませた。懐かしい。これを賜ったとき、我が君にもこうしてつけてもらったものだ。
懐古の念を抱いていた暁鐘は、ふいに瞠目した。
ちらと視線をくれた響に、別の姿が重なって見えたのだ。それは忘れもしない、暁鐘が敬愛してやまない主君の影だった。
――――おかえり
『……!』
聞き間違いなどではない。はっきりと聞こえた。それを証明するように、耳飾りが触れたところから、ぬくもりが全身に沁み渡っていく。
ああ、そうか。
想いは、ずっとそこにあったのだな。
「ハイ、これでい――」
言いかけて、暁鐘がはらはらと涙を流していることに気づいた響はぎょっとした。
「えっ、なになになに、え、もしかして痛かった……とか?」
ウソじゃん、あれだけドンパチやってた神獣が、たかだか耳飾りをつける時に出た痛み程度で泣くか、普通。屈強な体格をした格闘家ほど注射が嫌いとか、そういうアレだろうか。
あまりに予想外すぎて響がプチパニックを起こしていると、暁鐘は頭を上げて首を振った。
『……いいや、なんでもない。驚かせてすまなかったな』
気にしないでくれと続けた暁鐘を、響はおっかなびっくり不審な目で見る。この神獣、もしや情緒不安定のケがあるのでは?
式神の心情も知らず、そんな失礼極まりないことを思う主の横で、氷輪もまた目を見張っていた。
氷輪の目に、響から人影が抜け出し、暁鐘に移ったのが見えたのだ。しかも、その影は暁鐘に移る直前、一瞬氷輪に顔を向けて微笑んだ。気がした。
そこで、氷輪の脳が急速に回転し、引っかかっていたものの正体を掴む。
……そういうことか。
「響よ、自身に何か変化はあるか」
「は? なに急に、そんなの別に……ん? あれ、なんかこの辺がすっきり? した、かも?」
そう言って自身の胸元に手を当てて目をぱちくりさせている響を見て、やはりかと氷輪は確信を得た。
あの耳飾り。暁鐘が君主と崇める黄帝からもらったものだというそれには、黄帝の残留思念のようなものが宿っていたのだ。
それは、ずっと持っていた響にも影響を及ぼした。強い見鬼の者は、思念に憑かれやすい。つまり、響の内から湧き出たという強い思いは、残留思念と共鳴したことによって生じたものだということだ。
響の怪我の痛みが和らいでいたのも、その加護があったからだと思われる。常の響であれば、暁鐘の呪詛を返した時点で力尽きて意識を失っていた。それなのに、あんなボロボロの状態でも意識を保っていられたのは、ひとえに黄帝の加護のおかげなのだろう。
所詮、残留思念程度の加護だから痛みを和らげるのが関の山だったようだが、それでも凄まじい力であることに変わりはない。
それで、耳飾りを暁鐘に返したことにより、響に宿っていた黄帝の思念もまた暁鐘に帰った、というのがこの不可思議な現象の全貌というわけだ。
そうと考えれば、深晴のあの反応にも納得がいく。彼女は響の内に入り込んでいた思念を一目で見抜いたが、別に悪いものではなく、むしろ響に加護を与えていたので、気に入らないと思いながらもそのままにしておいたのだろう。そのあとすぐ出ていくこともわかっていたから。
そういえば、あの男も仙術の扱いに長けていたのだったか、と氷輪は思い返す。
空恐ろしい力だ。とうの昔にはかなくなっているというのに、長い月日を経てもなお、かつての家臣を救うとは。
人の想いは、時として森羅万象に通ずる白澤の想像をも凌駕する事象を引き起こす。それがまた、面白いところではあるのだが。
「氷輪?」
響が怪訝な目を向けてくる。諸々の説明はあとでいいだろうと思い、氷輪は首を振って話を変えた。
「して飛廉よ、汝はいつまでその姿でいるつもりだ?」
暁鐘は意味を図りかねて首を傾けた。
『と、いうと?』
「よもや、その姿のまま響のそばに控えるわけではあるまいな、と言うておるのだ」
『何かまずいのか?』
暁鐘は本気でわかっていないようだ。世間知らずめ、と氷輪が半眼で説明してやった。
「我らほどの力を持つ存在の霊気は、人間にとっては害にもなり得るのだ。それを放出したままでは、主たる術者に余計な負担がかかる。周囲への影響も計り知れないであろう。それに、人間とともに日常を送るのであれば、その図体では何かと不便だ」
そこまで説明されて、暁鐘はそういうことかとようやく合点がいった。
『なるほど、そこまでは思い至らなかった。さすがは白澤殿だ』
感心したように言われ、氷輪はふふんと胸を張った。
「そうだろうとも。遠慮なく崇め奉るがよい」
「求めるものでかすぎない?」
思わず響はつっこんだが、氷輪は聞こえないふりをする。
そこで暁鐘は、ふっと相好を崩した。
『白澤殿はまこと、主を大事にしているのだな』
「曲解するでないわ、馬鹿者。これがあまりに軟弱ゆえ、仕方なく我が譲歩してやっているにすぎぬ。それに場に適応するのも、不便がないようにするためだ。すべては己がためよ」
氷輪は嫌そうな顔でまくし立てると、暁鐘がうむうむとなにやら頷いている。わかっているのかいないのか、ただその目がどことなく生温かかったので、居心地が悪くなった氷輪は強引に話を戻す。
「ともかく、だ。そのままでは、今後あらゆるところで差し支えるぞ」
『それは困る。ふむ……つまり、白澤殿のようになればいいのだな?』
「さよう。ただし、姿そのまま縮めればいいというわけではない。そうさな、汝の場合は鹿に寄せた姿をとってみるのがよかろう」
『なかなか難しいことを言う』
だが、やってみよう。そう言った暁鐘の身体がふいに光り出す。
そしてその一瞬あとに、それまであった巨体は消え失せ、代わりに別の姿があった。
「これでいいだろうか」
響の眼の高さの位置でふよふよと浮き、暁鐘が己の姿を矯めつ眇めつしている。
全体的に黄土色の羽毛に覆われ、蛇のような尾も、鳥に似た頭部もすべてが鹿のそれに変わっている。頭部に生えていた鋭く長い角も消えていた。
切れ長でつり上がっていた目も、今やまるでビー玉をはめ込んだかのようにくりっと大きく丸い。右側の耳にはしっかり耳飾りがついている。
氷輪が少し眉をひそめる。
「なぜ翼はそのままなのだ」
姿かたちはどこからどう見ても子鹿だが、その背にはちんまりとした翼が生えている。それをパタパタと動かしながら、暁鐘は空に浮いていた。響は、なんだかメルヘンな見た目だなと思った。
「これがなければ飛べぬゆえ、それは不便だと思ったのだが……まずいか?」
「……ふん。まぁよいのではないか。その姿ならば、一見如何な妖かわかるまい」
そうして、氷輪は尻尾で響の後頭部を叩いた。
「さて、思わぬ道草を食ったが、そろそろ行くぞ。待ち人もおることだしな」
「あー、そういやそうだった……」
今日半日で色々なことがありすぎた。それに、怪我が完治したとはいえ、病み上がりなことには変わりはなく、正直自室に直行して眠りにつきたかったのだが、そうもいかないらしい。
しかしまぁ、玲子が心配してくれているのはわかるので、やはり顔を見せに行くべきだろう。
「ちょうどよい、飛廉のこともついでに報告しておけ」
「げ、面倒なのが増えた……」
げんなりしつつ、動き出そうとした響ははたと思い至って暁鐘を見た。
「そうだ。暁鐘、さっそくだけど学校まで乗せてってよ」
「学校?」
「そ。暁鐘ならひとっ飛びで行けるでしょ?」
「何を甘ったれたことを申しておるか、無精者め。飛廉、嫌ならば断るがいい。いくら主と言えど、このようなつまらぬ欲望を聞く必要はない」
氷輪が辛辣に言うが、暁鐘はとんでもないと首を振った。
「嫌なものか。さっそく主の役に立てるのだ、喜んで望みを叶えようではないか」
そう言って再び本性に戻った暁鐘の背に、響はやったーこれで楽できるぜーと嬉々として乗り込む。
そんな響をジト目で見つつ、氷輪は少々気がかりだった。暁鐘のこの張り切りよう。なんだか嫌な予感がするのは、気のせいだろうか。
底知れぬ不安を抱える氷輪の思いなど知る由もなく、暁鐘はばさりと翼を広げ、風をまとった。
『火急の用なのだな。では、全力を出すとしよう』
「え? いや、別にそんな急いでるわけじゃ――」
響は最後まで言うことができなかった。暁鐘がものすごい勢いで離陸し、とてもじゃないが言葉を続けられるような状態ではなくなったからだ。
──ほどなくして嘉神学園に辿り着いたとき、響と氷輪は思った。
もう暁鐘の背には乗るまい、と。
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