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第12話 援護
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ラズリーは穏便に済ませたいのに、オリビアは全く意見を取り入れてくれない。
(アリーナ達はいつもこんなに大変だったのね)
二人はいつもラズリーの代わりに悪く言う人達への対処をしてくれていた。
(私も二人を見習って頑張らばないと。何とか話を聞いてもらわなきゃ)
オリビアは最初からマウントを取るのが目的だから、ラズリーの話を聞こうとはしていない。
だが、話せばわかってくれるとのではラズリーは思っており、逡巡している内にどこかから足音が近づいて来た。
「ラズリー!」
二人の元に現れたファルクはオリビアに目もくれずにラズリーに駆け寄っていく。
「ラズリーが呼び出されたと聞いたのだが、良かった。怪我はしてないな」
外傷などないかを確認し、ホッとしたファルクは、今度こそオリビアの方を向いた。
「オリビア様、何用でラズリーを呼び出したのですか。彼女の勉強の邪魔をし、皆がいるところでは出来ないような話をするなんて、普通ではないでしょう」
ラズリーを労わる雰囲気から一転し、オリビアに冷たい口調で不満をぶつける。
「身の程、というものについて話をしただけです」
オリビアは退くことなく、堂々と言い放つ。
「何でもラズリーさんは今まで色々な方に言われながらも、あなたの婚約者を辞退しなかったそうですね。ファルク様を支える力もないのに、昔の約束に固執し迷惑をかけていると。気持ちは褪めるものです、幼馴染との婚約なんて将来後悔するだけですわ」
自分は間違っていないという態度をとるオリビアに、ファルクはため息をつく。
「世の中には色々な考えのものが居るというのは理解しています。それ故にオリビア様の言う事はわかります。しかしそれが当てはまらない者も勿論いる。オリビア様、冷静に考えてください。あなたがしていることは余計なお世話だと」
ラズリーを後ろに庇いながらそんな事を話す。
こうして背に隠れるしか出来ないのかと、ラズリーは自分自身の不甲斐なさを感じていた。
「わたくしは冷静です。そして皆様の思いを代弁したまでの事。あなたに相応しいのはラズリーさんではない」
断言するように言われ、ラズリーは俯いてしまった。
ファルクがそんな事を考えてはいないと思うが、悪意の言葉はやはり胸が苦しい。
無意識ではあるのだろうが、不安でラズリーがファルクの服を掴んだ。その感触に、ファルクの怒りは増していく。
「相応しいとか関係ない。俺がラズリーを選んだ、それで十分だろ」
ファルクの言葉に励まされる。
「そもそも相応しくないとか好き勝手言って、どいつもこいつもうるさいんだよ。関係ない奴が俺等の婚約に口を出しやがって、何様のつもりだ」
「ファルク、口調が荒れてきているわ」
乱暴な言葉遣いが露呈してきて、ラズリーの方が焦りだす。
ファルクは護衛騎士候補だが、まだ正式には決まっていない。
確定ではない今、この状況を誰かに見られては、王家に仕えるのに相応しくないとか言われて、不利になるかもと心配だ。
「好きな女を侮辱されて、綺麗事なんて吐いていられないだろ」
眉間に皺を寄せ、唸り声を上げる。
「あんたの状況に同情はする、だがラズリーを悪く言うのは間違いだ。あんたは学力はあるのに心がない、この国にはいらない者だ」
酷い口調と怒りの声にオリビアが怯え、少し後ずさる。
「何よそれ、そんなのあなたが決める事ではないじゃない」
「残念。俺も聞いていたんだよ、オリビア嬢」
柔らかな口調と笑顔でファルク達の後ろから現れたリアムにオリビアはもとより、ラズリーも驚いた。
その後ろには当然のようにストレイドも付き添っている。
「リアム様、どうしてこちらに?」
ラズリーは驚いた。何故リアムはがここに居るのかと。
「だって護衛が俺から離れるわけにはいかないだろ? そのままではファルクが怒られると思って、仕方なしにこっちに来たんだ」
仕方ないと言いつつも楽しそうである。
「普通護衛が対象についていくんですよ、逆なんてあり得ないんですけどね」
「ラズリーの為に行こうと言ってくれたのはリアム様ですから」
ストレイドが呆れた声を出すとファルクが言い返した。途端ストレイドはやや苦い顔になる。
ストレイドは納得してきたようではないようだ。
「まぁラズリーはこの国にとって大事な人だからね何かあったら困るよ。少なくとも話を聞かない他国の者より、ずっと大事」
申し訳なさそうにするラズリーを庇うと今度はちらりとオリビアに目を移す。
「オリビア嬢は頭が良いと聞いていたのだが、どうやら学校の勉強のみのようだ。人の心や感情についての事を理解し得ないのだろうか」
首を傾げるリアムにさすがのオリビアも何も言い返せない。
王子に食って掛かるなど、普通のものには出来ない事だ。
「まぁカリカリする気持ちもわかるさ。君は幼馴染み婚約者と別れたのだものね」
「えっ?」
ラズリーはその情報に目をパチクリとさせた。
「オリビア嬢は自身の婚約者に対し、自分に相応しくなるようにと命じて追い立てたそうだ。随分ときつく言われ、そして病んでしまった彼は優しい令嬢に心惹かれ、君との婚約を解消した」
「あれはあちらが悪いのです。わたくしに相応しくなかったから」
そう言いながらもオリビアはとても暗い顔であった
(アリーナ達はいつもこんなに大変だったのね)
二人はいつもラズリーの代わりに悪く言う人達への対処をしてくれていた。
(私も二人を見習って頑張らばないと。何とか話を聞いてもらわなきゃ)
オリビアは最初からマウントを取るのが目的だから、ラズリーの話を聞こうとはしていない。
だが、話せばわかってくれるとのではラズリーは思っており、逡巡している内にどこかから足音が近づいて来た。
「ラズリー!」
二人の元に現れたファルクはオリビアに目もくれずにラズリーに駆け寄っていく。
「ラズリーが呼び出されたと聞いたのだが、良かった。怪我はしてないな」
外傷などないかを確認し、ホッとしたファルクは、今度こそオリビアの方を向いた。
「オリビア様、何用でラズリーを呼び出したのですか。彼女の勉強の邪魔をし、皆がいるところでは出来ないような話をするなんて、普通ではないでしょう」
ラズリーを労わる雰囲気から一転し、オリビアに冷たい口調で不満をぶつける。
「身の程、というものについて話をしただけです」
オリビアは退くことなく、堂々と言い放つ。
「何でもラズリーさんは今まで色々な方に言われながらも、あなたの婚約者を辞退しなかったそうですね。ファルク様を支える力もないのに、昔の約束に固執し迷惑をかけていると。気持ちは褪めるものです、幼馴染との婚約なんて将来後悔するだけですわ」
自分は間違っていないという態度をとるオリビアに、ファルクはため息をつく。
「世の中には色々な考えのものが居るというのは理解しています。それ故にオリビア様の言う事はわかります。しかしそれが当てはまらない者も勿論いる。オリビア様、冷静に考えてください。あなたがしていることは余計なお世話だと」
ラズリーを後ろに庇いながらそんな事を話す。
こうして背に隠れるしか出来ないのかと、ラズリーは自分自身の不甲斐なさを感じていた。
「わたくしは冷静です。そして皆様の思いを代弁したまでの事。あなたに相応しいのはラズリーさんではない」
断言するように言われ、ラズリーは俯いてしまった。
ファルクがそんな事を考えてはいないと思うが、悪意の言葉はやはり胸が苦しい。
無意識ではあるのだろうが、不安でラズリーがファルクの服を掴んだ。その感触に、ファルクの怒りは増していく。
「相応しいとか関係ない。俺がラズリーを選んだ、それで十分だろ」
ファルクの言葉に励まされる。
「そもそも相応しくないとか好き勝手言って、どいつもこいつもうるさいんだよ。関係ない奴が俺等の婚約に口を出しやがって、何様のつもりだ」
「ファルク、口調が荒れてきているわ」
乱暴な言葉遣いが露呈してきて、ラズリーの方が焦りだす。
ファルクは護衛騎士候補だが、まだ正式には決まっていない。
確定ではない今、この状況を誰かに見られては、王家に仕えるのに相応しくないとか言われて、不利になるかもと心配だ。
「好きな女を侮辱されて、綺麗事なんて吐いていられないだろ」
眉間に皺を寄せ、唸り声を上げる。
「あんたの状況に同情はする、だがラズリーを悪く言うのは間違いだ。あんたは学力はあるのに心がない、この国にはいらない者だ」
酷い口調と怒りの声にオリビアが怯え、少し後ずさる。
「何よそれ、そんなのあなたが決める事ではないじゃない」
「残念。俺も聞いていたんだよ、オリビア嬢」
柔らかな口調と笑顔でファルク達の後ろから現れたリアムにオリビアはもとより、ラズリーも驚いた。
その後ろには当然のようにストレイドも付き添っている。
「リアム様、どうしてこちらに?」
ラズリーは驚いた。何故リアムはがここに居るのかと。
「だって護衛が俺から離れるわけにはいかないだろ? そのままではファルクが怒られると思って、仕方なしにこっちに来たんだ」
仕方ないと言いつつも楽しそうである。
「普通護衛が対象についていくんですよ、逆なんてあり得ないんですけどね」
「ラズリーの為に行こうと言ってくれたのはリアム様ですから」
ストレイドが呆れた声を出すとファルクが言い返した。途端ストレイドはやや苦い顔になる。
ストレイドは納得してきたようではないようだ。
「まぁラズリーはこの国にとって大事な人だからね何かあったら困るよ。少なくとも話を聞かない他国の者より、ずっと大事」
申し訳なさそうにするラズリーを庇うと今度はちらりとオリビアに目を移す。
「オリビア嬢は頭が良いと聞いていたのだが、どうやら学校の勉強のみのようだ。人の心や感情についての事を理解し得ないのだろうか」
首を傾げるリアムにさすがのオリビアも何も言い返せない。
王子に食って掛かるなど、普通のものには出来ない事だ。
「まぁカリカリする気持ちもわかるさ。君は幼馴染み婚約者と別れたのだものね」
「えっ?」
ラズリーはその情報に目をパチクリとさせた。
「オリビア嬢は自身の婚約者に対し、自分に相応しくなるようにと命じて追い立てたそうだ。随分ときつく言われ、そして病んでしまった彼は優しい令嬢に心惹かれ、君との婚約を解消した」
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そう言いながらもオリビアはとても暗い顔であった
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