オーバーパワード! ~最強勇者と最強魔王~

正島まさし

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13.その女、リリア

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「そ、それじゃ、よろしくおねがいしまふ……します……」
 さっきまで威勢が良かった女は急にもじもじしだす。
 よろしくって何のことだ。ああ、えっちか。

「まずはさ、どこかでゆっくり話そう?」
 俺は提案した。
 この女、なんでこんなに自分に自信がないんだ。外見的には完璧に近い美人なのに……しいて言えば髪型にはあまり気を使ってなさそうだが。

「じゃ、じゃあ村の広場で……」
「いや、二人きりで話せる場所にしようぜ」
「ふ、二人きり!」
「駄目か?」
「だ、駄目じゃない! 駄目じゃないけど二人きりになれる場所、えーと、えーと……」
「お前の家は?」
「あたしの家! あたしの家に男の子が!」
「駄目か?」
「だ、駄目じゃない! いいけど、あたしの家あんまり女っぽくないっていうか、あの」
「駄目じゃないなら行こう。どっち?」
「こ、こっち!」

 村の小道を歩きながら女の家に向かう。

「だけどさ、俺、村の男に恨まれるんじゃないか」
「は? 何で?」
「お前って村じゅうの若い男から狙われてそう」
「ん、あたしって強いから、狙われても返り討ちにできると思う……」
 俺はこの女が村の人から女として見られてない原因が分かってきたような気がした。

「狙われるってのは、恋人にしたいって意味な」
「ないないない!」
「そうか?」
「まるっきり女と思われてないもん!」
 そんなことがあるんだろうか……。

「ええとお前……あ、いや、そういや名前聞いてなかったな。何ていうの?」
「名前聞いてくれた!」
「いちいち感動するなよ」
「リ、リリア! リリアって言います!」

「リリアか。可愛い名前だな」
「か、可愛い!?」
 いちいち感動しているっぽい。
 一体どんな青春を送ってきたんだ、この女。
 ちょっとからかってみたくなってきたぞ……。

「リリアって美人だよな」
 嘘は言ってない。素直な感想だ。
「あたし! ないって! そんなことはない!」

「スタイルも完璧なんじゃないか? セクシーで……」
「嘘でしょ? そんなこと生まれて初めて言われた!」

「男の理想の女性なんじゃないか、リリアって」
「はわわ……あ……そんなこと……」

 顔を真赤にして身悶えてる。かわいい。
 ほぼ本当の俺の実感を言ってるだけなんだけどな。

 ところで、俺は心の中で一つ考えてることがあった。

 俺には果たさなければならない役目があるらしい。おばば様がそう言ってた。
 きっとそれは危険を伴うことだろう。
 役目を果たすためには、俺が強くならないと駄目かもしれない。

 この女は強いらしいから、俺が戦闘技術を学ぶのに役立つかも知れない。
 そんな事を考えていた。
 どうしてだろう、俺は平和の中、安穏として暮らしていくわけには行かないような気がしていた。
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