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2章
2 龍視点
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エストと名乗った女は突然叫ぶと、一瞬で目の前から消えて、長谷川の身体を抱きしめた。
「茉莉!落ち着け!大丈夫だ!」
俺も隼人も動けずその場で長谷川とエストを見ていた。
そのうちに長谷川の身体が力なく床に横たわった。
「茉莉は部屋で休ませる。誰か居るか!」
エストが声を上げると扉が開き女の人が3人現れた。
3人とも揃いの服を着ている。
「茉莉の為に用意していた部屋に準備をしてくれ。隼人は客室に案内を頼む。龍、お前は残って話を聞け」
「なんで俺の名前知ってんのさ」
「それは後回しだ。とりあえず後で龍に事情は説明する。隼人は大人しく部屋に行って欲しい」
命令されてるのは不愉快だが、隼人は案内人について部屋から出て行った。
残り2人の女の人も部屋から出て行き、床に倒れている長谷川の周囲があの駅の床と同じで緑色の光の模様が出て、光と一緒に長谷川も消えた。
「茉莉はベッドに送ったから安心しろ」
「あんたを信用していいかわからないのに、安心なんか出来るのかよ?で、話って?事情を説明してくれるんだろ」
「そうだな。まずは必要な情報からだな。砂漠に居た魔物の時間を止めたのも、傷を治したのも茉莉だ」
「あんたじゃなかったんだ」
この部屋に来てから気付いたが、肩の痛みはいつの間にか消えていた。
「この世界の人間はみんな何かしらの能力が使える。力の源は生命力だ。使い過ぎれば死んでしまう」
無意識に手に力が籠った。
「まぁ、落ち着け。通常なら、穏やかに回復するんだが、茉莉はさっき暴走して無意識に力を暴発させていた。かなり危険な状態だ。穏やかに回復を待つ余裕は無い。この世界でその状態になった時は、相性の合う異性から生命力を分けて貰うしかない」
「じゃあその相性良い奴探してくれよ」
「良いのか?与え方を聞いてもそう言えるか?」
まどろっこしい言い方にイライラが溜まる。
エストは話をしながらさっきまで座っていた椅子に腰掛けた。足を組ながら、前のめりになった。
「相性の合う異性と交わることで生命力を分け与えるんだ。他の奴に任せられるのか?私の勘違いだったか?」
「なんで」
「私の能力は見抜く力と移動の能力だからな。色々見えているよ。茉莉があの場に居た理由も。隼人と違って龍が茉莉に話掛けない理由も」
「あんた、最低だ」
目の前の奴を睨み付けても仕方ないが、頭にくるのは止められない。
「もう少ししたらさっきの侍女が部屋の準備を終えて戻ってくる。そしたら案内してもらえ。事後に茉莉に説明するのは私がする。茉莉に話さなければならないことがたくさんあるからな」
「俺達にも説明が必要なことを忘れんなよ」
「もちろんだ。それと、避妊は心配するな。子供は出来ないから、外に出す必要は無い。むしろ体液に生命力が含まれてるからな…これ以上は言わなくても伝わるか」
こんな状態だから仕方ないんだが、本当に仕方ないんだろうか。
何か他の方法は無いんだろうか。
長谷川に同意を取ってからでも。
「無理だぞ。茉莉は完全に意識を失ってる。このままだと眠ったまま死んでくぞ」
「わかった、お前は本当に最低だ!で、俺はもっと最低ってことだ!」
さっき居なくなった侍女が戻って来て、道案内をエストから命じられていた。
その侍女について俺も部屋を出た。
「茉莉!落ち着け!大丈夫だ!」
俺も隼人も動けずその場で長谷川とエストを見ていた。
そのうちに長谷川の身体が力なく床に横たわった。
「茉莉は部屋で休ませる。誰か居るか!」
エストが声を上げると扉が開き女の人が3人現れた。
3人とも揃いの服を着ている。
「茉莉の為に用意していた部屋に準備をしてくれ。隼人は客室に案内を頼む。龍、お前は残って話を聞け」
「なんで俺の名前知ってんのさ」
「それは後回しだ。とりあえず後で龍に事情は説明する。隼人は大人しく部屋に行って欲しい」
命令されてるのは不愉快だが、隼人は案内人について部屋から出て行った。
残り2人の女の人も部屋から出て行き、床に倒れている長谷川の周囲があの駅の床と同じで緑色の光の模様が出て、光と一緒に長谷川も消えた。
「茉莉はベッドに送ったから安心しろ」
「あんたを信用していいかわからないのに、安心なんか出来るのかよ?で、話って?事情を説明してくれるんだろ」
「そうだな。まずは必要な情報からだな。砂漠に居た魔物の時間を止めたのも、傷を治したのも茉莉だ」
「あんたじゃなかったんだ」
この部屋に来てから気付いたが、肩の痛みはいつの間にか消えていた。
「この世界の人間はみんな何かしらの能力が使える。力の源は生命力だ。使い過ぎれば死んでしまう」
無意識に手に力が籠った。
「まぁ、落ち着け。通常なら、穏やかに回復するんだが、茉莉はさっき暴走して無意識に力を暴発させていた。かなり危険な状態だ。穏やかに回復を待つ余裕は無い。この世界でその状態になった時は、相性の合う異性から生命力を分けて貰うしかない」
「じゃあその相性良い奴探してくれよ」
「良いのか?与え方を聞いてもそう言えるか?」
まどろっこしい言い方にイライラが溜まる。
エストは話をしながらさっきまで座っていた椅子に腰掛けた。足を組ながら、前のめりになった。
「相性の合う異性と交わることで生命力を分け与えるんだ。他の奴に任せられるのか?私の勘違いだったか?」
「なんで」
「私の能力は見抜く力と移動の能力だからな。色々見えているよ。茉莉があの場に居た理由も。隼人と違って龍が茉莉に話掛けない理由も」
「あんた、最低だ」
目の前の奴を睨み付けても仕方ないが、頭にくるのは止められない。
「もう少ししたらさっきの侍女が部屋の準備を終えて戻ってくる。そしたら案内してもらえ。事後に茉莉に説明するのは私がする。茉莉に話さなければならないことがたくさんあるからな」
「俺達にも説明が必要なことを忘れんなよ」
「もちろんだ。それと、避妊は心配するな。子供は出来ないから、外に出す必要は無い。むしろ体液に生命力が含まれてるからな…これ以上は言わなくても伝わるか」
こんな状態だから仕方ないんだが、本当に仕方ないんだろうか。
何か他の方法は無いんだろうか。
長谷川に同意を取ってからでも。
「無理だぞ。茉莉は完全に意識を失ってる。このままだと眠ったまま死んでくぞ」
「わかった、お前は本当に最低だ!で、俺はもっと最低ってことだ!」
さっき居なくなった侍女が戻って来て、道案内をエストから命じられていた。
その侍女について俺も部屋を出た。
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