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XIII.美少女魔術師誕生
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メアがユウリの手を引いて訪れたのは駅前の美容室。
店先に赤と青の回転する目印の看板があるような所謂あからさまな「床屋」ではなく、今時の大人の女性が通うような小洒落た店構えのものをメアは選んだ。
ガラスの扉を開くと取り付けられた鈴がリンと鳴った。同時に香水か整髪料かはわからない、フローラルな良い香りにふわっと包み込まれる。
「いらっしゃいませー」
奥から若い美容師らしき女性が出迎えると、
「あの! この娘の頭、大丈夫な感じにしてください!」
メアはまるで夜間に緊急搬送される患者のような勢い及び扱いでユウリを美容師に差し出した。
「あのー石川さん。それだとわたしの脳内に異常があるように捉えられてしまうかと……」
「あんたはうっさい!」
おっとりとした感じの女性美容師はメアの形相とかなりオープンな注文に、しばし驚いたように目をぱちくりとさせていたが、やがてユウリの不自然に切り落とされて不格好になった髪を確かめながら、
「確かにこれは大丈夫じゃないわねぇ。こちらにどうぞー」
と、笑顔で案内してくれた。
ユウリを美容師に託し、メアは美容室の待合席で待つことにした。
ようやく落ち着いたが、まだ微かに心拍数は上がったままだ。
メアの言葉に、躊躇いなく髪を切り落としたユウリ。
その事実に、メアの中でよくわからない感情がふつふつと湧き上がっていた。
「どうしてあそこまで……」
ユウリはそうまでしてメアと仲良くなりたいのだろうか。あんなにも冷たい態度を取ってきたのに。確かに、色々と助けてもやったが、それらは特段特別なことではない。メアでなくても誰でもできることばかりだ。現にもうユウリ自身も大分学校生活に慣れ始め、大体のことは自分で何とかできるようになりつつある。
ならば、自分はうるさいだけのかえって迷惑な存在ではないのか。
「って、何で!」
頭の中で自身を否定し始めてしまったことに気付き、思わず口に出してしまったが、レジの店員が声に反応してメアの方を見たので、慌てて口を噤んだ。
代わりに頭の中でもう一度「何で」と自身に問い掛けた。
もしかしたら、以前円子に言われたことが原因かもしれない。もしそうだとしたら、何たる不覚。メアは何かを払拭するように頭で言葉を念じた。わたしは正しい。わたしは正しい…………。まるで呪文のように。いつものようにそうすることで何とか気持ちを落ち着かせようとする。
そうしてしばらく経ち、ようやく気持ちがニュートラルになりかけた頃に、携帯の着信音が鳴る。
どの道待っている間はやることがないのだしと、メアは着信に応じた。
「もしもし?」
『もっしもーし! 希っ実枝ちゃんだよーん!』
その今のメアの心境とは真逆のテンションに、反射で危うく電話を切りかけたが、何とか耐える。
『もっしもーし! あっれぇ? やっぱお忙しかったぁ?』
「はいはい聞こえてるわよ」
『ああ! メアちゃんのキュートなお声が聞けて幸せ! もう少し元気だと、もっと幸せ!』
普段なら苛立つところだが、今のメアにはそのような余力が残されておらず、携帯を耳にあて希実枝の声を聞きながら、力なく背もたれに体重を預けた。
「はぁ……。ねぇ希実枝? 何でわたしの周りの子って理解に苦しむようなやつばっかりなの? 何がいけないの? 親? 学校の教育? それともこの国の政治?」
『うーん……。「何が」って言われるとよくわからないんだけどさ、一つ言えることは……』
「言えることは?」
『学校の先生だって、政治家さんだってね、家に帰れば誰かの親であり、誰かの子なんだよー』
「はぁ? よくわかんない」
『カエルだって~アメンボだって~ミツバチだって~ゾウリムシだって~ワラジムシだって~カエルだって~エジプトルーセットオオコウモリだって~♪』
「カエル二回言った」
『カエル可愛くて好きだからいいのー。でもぉメアたんの方がもっとかわい……ブツッ!』
すべて聞き終わる前にメアは今度こそ通話終了のボタンを押した。
ついでに携帯で時間を確認する。そろそろだろうか、そう思った丁度その時、メアのいる待合席にユウリと先程の美容師が何やら話しながら近づいて来るのが声でわかった。
「ドライヤーの乾かし方はさっきみたいな感じで真似してやってみてね」
「どらいやーとは、先程の銃口から熱を生じさせる魔道具のことでしょうか? わたしの故郷に帰ればそのような類の道具はいくつかありますが、一番控えめなものでも人間に向けて用いれば人一人軽く全焼させる威力を……」
「えぇっと……まどうぐ? ゲームか何かかなー?」
美容師が苦笑交じりに困っているのが伺えたので、早速指導してやろうと、メアは席を立ってユウリの方を振り返る。
「っ!?」
だが、そこにはいつもの暗く怪しげな雰囲気の少女の姿はなく、長めのボブカット姿の美少女がいるばかりであった。
以前はばさばさの長い黒髪でほとんど隠れてしまっていた白い陶器のような肌も、ガラス玉のような大きな瞳も、存分に曝け出している。元々整った顔立ちであると伺えたが、髪型をちゃんとするだけでこうも変われるものかと、メアは戦慄する。「変わる」どころではない。「生まれ変わる」と言った方が正しいくらいだ。
「石川さん? どうかしました?」
その言葉にメアはようやく我に返る。
「べ、別に! ほら! 終わったら行くわよ!」
メアはユウリの代わりにカット代三千五百円をレジで精算し、店を出た。
「あのー石川さん。良いのでしょうか? その、お金……」
「良いのよ。あんな変な髪型で横にいられちゃわたしが落ち着かないの」
口に出したのは適当に取って付けた理由だが、自身が原因であのような行動を取った少女をそのままにしておくことは、メアにとって「落ち着かない」ことであるのは確かであった。
中学生にとっての三千五百円は決して安い買い物ではないが、これで先程の出来事が綺麗さっぱり清算できるのなら安い…………。
筈……であった。
「ありがとうございます」
ユウリは深々とお辞儀をし、顔を上げながら微笑む。
その笑顔にまた、メアは固まりそうになる。
一番の誤算は、ユウリのその暗く閉ざされたカーテンの奥に、想像以上に華麗で煌びやかな素材を持っていたこと。
結果的に一番落ち着かなくなってしまった。
整った髪型とそこから見える白い肌が楚々とした大人の美しさを醸し出しつつも、大きく見開いた瞳がまだあどけなさを残した愛らしさを演出している。変人めいたことばかり吐いていた筈の口元は以前から見えていた筈なのに、今や色気さえ垣間見える。
「良いからもう帰るわよ」
メアはなるべくユウリの目を見ないようにそっぽを向きながら、手招きした。
だが、ユウリが動く気配はない。
業を煮やし、メアは再度ユウリに目を合わせる。
その吸い込まれそうなガラス玉に。
「何なのよ」
「あ、あの、石川さん……。石川さんはわたしのこと、嫌わないでいてくれますか?」
流石のメアももう付き合い切れない。今度は明らかな苛立ちを露わにして見せる。だが、ユウリはなかなか引かない様子だ。
「わたしと、友達になって頂けませんか?」
「もういいでしょ、その話は。さあほら、帰るわよ」
「石川さん……わたしは……」
「いいって言ってんでしょ! ほら!」
メアは頑なに動こうとしないユウリの手を掴んだ。
ユウリが思わぬ美少女となって帰ってきたことで先程までの心配はすっかりなくなっていたが、冷静な判断力が戻りつつある今、メアは新たな「心配」に直面していた。
二人がいるここは駅前。都会とは比べるべくもないが、ここN市内においては比較的人通りが多く、繁華街と言って良い場所だ。中学生同士がこのような場所にいるということはすなわち、傍からは放課後に仲良く遊んでいるようにしか思えない。
下校時の道のりならまだしも、このような場所にユウリと二人でいるところを誰かに見られるわけにいかない。
「ほらっ! 早く!」
「あ! メアちゃんが見知らぬ美少女と仲良くお話ししてるー!」
背後から聞こえた聞き慣れた声に、メアは錆びついたブリキ製のロボットのような挙動で振り返る。
遅かった。
店先に赤と青の回転する目印の看板があるような所謂あからさまな「床屋」ではなく、今時の大人の女性が通うような小洒落た店構えのものをメアは選んだ。
ガラスの扉を開くと取り付けられた鈴がリンと鳴った。同時に香水か整髪料かはわからない、フローラルな良い香りにふわっと包み込まれる。
「いらっしゃいませー」
奥から若い美容師らしき女性が出迎えると、
「あの! この娘の頭、大丈夫な感じにしてください!」
メアはまるで夜間に緊急搬送される患者のような勢い及び扱いでユウリを美容師に差し出した。
「あのー石川さん。それだとわたしの脳内に異常があるように捉えられてしまうかと……」
「あんたはうっさい!」
おっとりとした感じの女性美容師はメアの形相とかなりオープンな注文に、しばし驚いたように目をぱちくりとさせていたが、やがてユウリの不自然に切り落とされて不格好になった髪を確かめながら、
「確かにこれは大丈夫じゃないわねぇ。こちらにどうぞー」
と、笑顔で案内してくれた。
ユウリを美容師に託し、メアは美容室の待合席で待つことにした。
ようやく落ち着いたが、まだ微かに心拍数は上がったままだ。
メアの言葉に、躊躇いなく髪を切り落としたユウリ。
その事実に、メアの中でよくわからない感情がふつふつと湧き上がっていた。
「どうしてあそこまで……」
ユウリはそうまでしてメアと仲良くなりたいのだろうか。あんなにも冷たい態度を取ってきたのに。確かに、色々と助けてもやったが、それらは特段特別なことではない。メアでなくても誰でもできることばかりだ。現にもうユウリ自身も大分学校生活に慣れ始め、大体のことは自分で何とかできるようになりつつある。
ならば、自分はうるさいだけのかえって迷惑な存在ではないのか。
「って、何で!」
頭の中で自身を否定し始めてしまったことに気付き、思わず口に出してしまったが、レジの店員が声に反応してメアの方を見たので、慌てて口を噤んだ。
代わりに頭の中でもう一度「何で」と自身に問い掛けた。
もしかしたら、以前円子に言われたことが原因かもしれない。もしそうだとしたら、何たる不覚。メアは何かを払拭するように頭で言葉を念じた。わたしは正しい。わたしは正しい…………。まるで呪文のように。いつものようにそうすることで何とか気持ちを落ち着かせようとする。
そうしてしばらく経ち、ようやく気持ちがニュートラルになりかけた頃に、携帯の着信音が鳴る。
どの道待っている間はやることがないのだしと、メアは着信に応じた。
「もしもし?」
『もっしもーし! 希っ実枝ちゃんだよーん!』
その今のメアの心境とは真逆のテンションに、反射で危うく電話を切りかけたが、何とか耐える。
『もっしもーし! あっれぇ? やっぱお忙しかったぁ?』
「はいはい聞こえてるわよ」
『ああ! メアちゃんのキュートなお声が聞けて幸せ! もう少し元気だと、もっと幸せ!』
普段なら苛立つところだが、今のメアにはそのような余力が残されておらず、携帯を耳にあて希実枝の声を聞きながら、力なく背もたれに体重を預けた。
「はぁ……。ねぇ希実枝? 何でわたしの周りの子って理解に苦しむようなやつばっかりなの? 何がいけないの? 親? 学校の教育? それともこの国の政治?」
『うーん……。「何が」って言われるとよくわからないんだけどさ、一つ言えることは……』
「言えることは?」
『学校の先生だって、政治家さんだってね、家に帰れば誰かの親であり、誰かの子なんだよー』
「はぁ? よくわかんない」
『カエルだって~アメンボだって~ミツバチだって~ゾウリムシだって~ワラジムシだって~カエルだって~エジプトルーセットオオコウモリだって~♪』
「カエル二回言った」
『カエル可愛くて好きだからいいのー。でもぉメアたんの方がもっとかわい……ブツッ!』
すべて聞き終わる前にメアは今度こそ通話終了のボタンを押した。
ついでに携帯で時間を確認する。そろそろだろうか、そう思った丁度その時、メアのいる待合席にユウリと先程の美容師が何やら話しながら近づいて来るのが声でわかった。
「ドライヤーの乾かし方はさっきみたいな感じで真似してやってみてね」
「どらいやーとは、先程の銃口から熱を生じさせる魔道具のことでしょうか? わたしの故郷に帰ればそのような類の道具はいくつかありますが、一番控えめなものでも人間に向けて用いれば人一人軽く全焼させる威力を……」
「えぇっと……まどうぐ? ゲームか何かかなー?」
美容師が苦笑交じりに困っているのが伺えたので、早速指導してやろうと、メアは席を立ってユウリの方を振り返る。
「っ!?」
だが、そこにはいつもの暗く怪しげな雰囲気の少女の姿はなく、長めのボブカット姿の美少女がいるばかりであった。
以前はばさばさの長い黒髪でほとんど隠れてしまっていた白い陶器のような肌も、ガラス玉のような大きな瞳も、存分に曝け出している。元々整った顔立ちであると伺えたが、髪型をちゃんとするだけでこうも変われるものかと、メアは戦慄する。「変わる」どころではない。「生まれ変わる」と言った方が正しいくらいだ。
「石川さん? どうかしました?」
その言葉にメアはようやく我に返る。
「べ、別に! ほら! 終わったら行くわよ!」
メアはユウリの代わりにカット代三千五百円をレジで精算し、店を出た。
「あのー石川さん。良いのでしょうか? その、お金……」
「良いのよ。あんな変な髪型で横にいられちゃわたしが落ち着かないの」
口に出したのは適当に取って付けた理由だが、自身が原因であのような行動を取った少女をそのままにしておくことは、メアにとって「落ち着かない」ことであるのは確かであった。
中学生にとっての三千五百円は決して安い買い物ではないが、これで先程の出来事が綺麗さっぱり清算できるのなら安い…………。
筈……であった。
「ありがとうございます」
ユウリは深々とお辞儀をし、顔を上げながら微笑む。
その笑顔にまた、メアは固まりそうになる。
一番の誤算は、ユウリのその暗く閉ざされたカーテンの奥に、想像以上に華麗で煌びやかな素材を持っていたこと。
結果的に一番落ち着かなくなってしまった。
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メアはなるべくユウリの目を見ないようにそっぽを向きながら、手招きした。
だが、ユウリが動く気配はない。
業を煮やし、メアは再度ユウリに目を合わせる。
その吸い込まれそうなガラス玉に。
「何なのよ」
「あ、あの、石川さん……。石川さんはわたしのこと、嫌わないでいてくれますか?」
流石のメアももう付き合い切れない。今度は明らかな苛立ちを露わにして見せる。だが、ユウリはなかなか引かない様子だ。
「わたしと、友達になって頂けませんか?」
「もういいでしょ、その話は。さあほら、帰るわよ」
「石川さん……わたしは……」
「いいって言ってんでしょ! ほら!」
メアは頑なに動こうとしないユウリの手を掴んだ。
ユウリが思わぬ美少女となって帰ってきたことで先程までの心配はすっかりなくなっていたが、冷静な判断力が戻りつつある今、メアは新たな「心配」に直面していた。
二人がいるここは駅前。都会とは比べるべくもないが、ここN市内においては比較的人通りが多く、繁華街と言って良い場所だ。中学生同士がこのような場所にいるということはすなわち、傍からは放課後に仲良く遊んでいるようにしか思えない。
下校時の道のりならまだしも、このような場所にユウリと二人でいるところを誰かに見られるわけにいかない。
「ほらっ! 早く!」
「あ! メアちゃんが見知らぬ美少女と仲良くお話ししてるー!」
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