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第十一幕 転生歌姫と迷宮の輪舞曲〈ロンド〉
第十一幕 19 『DIVA』
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舞台上に役者が勢揃いする。
カーテンコールに観客の拍手は鳴り止まず、演者たちはそれに笑顔で応えている。
演劇が終われば、次はいよいよ私達の出番だ。
ちらっ、と横目でアリシアさんを見ると、緊張がピークに達しているのか表情が硬い。
だが、一つ深呼吸をしたと思ったら、その雰囲気は一転した。
あぁ…やっぱり。
この間もそうだったけど、彼女は天性の歌姫なんだ。
私と同じで、舞台を前にすれば自然と気持ちが切り替わる。
そうでなければ私だって半ば無理やりここに連れてきたりはしない。
…多分。
「次はあなた達ね~。アリシアちゃん、がんばって~」
「お~~ほっほっほっ!!またワタクシに並び立つスタァが誕生するのね!!さぁ、お行きなさい!!見事敵を打ち倒すのです!」
舞台から戻ってきた姉さんと、ロゼッタおば…お姉さまが激励してくれる。
いつものテンションで。
……と言うか、敵って何さ。
まだ役に成り切ってるっぽいね…
「お姉ちゃんたち、頑張って!応援してるよ!」
「お姉ちゃんとアリシアさんの歌、凄く楽しみ!」
リィナとハンナちゃん。
ハンナちゃんはもうすっかり舞台女優として板についてきたし、リィナも脇役とは言え中々の演技も見せてくれたと思う。
将来のエーデルワイスを支える後進たちの成長を皆喜んでるだろう。
「おう、お前ら。頑張れよ。アリシア、細けえこたぁ考えずに舞台を楽しんでこい」
「ダードの言う通りだな。自分に出来ることを精一杯するだけだ。結果は自ずと付いてくる」
「頑張るッスよ。アリシアちゃんの歌ならバッチリ客を魅了するッス」
父さん、ティダ兄、ロウエンさん。
ベテランからの激励は、とても頼もしい。
「二人とも、頑張ってな。楽しみにしている」
「ママ!お姉ちゃん!がんばって!だいじょうぶなの。お客さんはカボチャプリンだと思えばいいの!」
テオとミーティアだ。
ミーティアなりにアリシアさんを気遣ってるんだけど……カボチャプリンとは斬新だね。
どれだけお菓子が好きなの?
他の団員も続々とやって来て、温かい励ましの言葉をかけてくれる。
流石は私の自慢の家族たちだ。
「皆さん…ありがとうございます!頑張ります!!」
みんなからの激励を受けて、アリシアさんはさっきまでの気弱な様子は鳴りを潜め、やる気に満ち溢れていた。
すっかり歌姫モードだね。
私も否が応でも気合が入るというものだ。
「幕が上がるよ。さぁ、行こう!」
「はい!」
再び舞台の幕が上がった。
観客たちは演劇に並んでエーデルワイスが誇るもう一つの演目に、期待の眼差しを舞台上に送る。
そして、舞台袖から姿を見せたのは…
観客からどよめきの声が上がる。
それも、直ぐに静かになるが、まだどこか戸惑いのような空気が感じられた。
舞台上で観客の注目を浴びるのは、鮮やかな紅いドレスを纏ったアリシアさんだ。
一言で『紅い』と言っても、微妙に色味や濃淡が異なる生地を幾重にも重ね、所々に銀糸で彩られたそれは、かなりゴージャスな装い。
衣装係と私がアレコレ悩んで意見を交わしながら辿り着いた、渾身のチョイスだ。
本人は『地味な私には似合わないですぅ…』なんて言ってたけど、そんな事はない。
確かに髪や瞳の色は目立たない色合いだけど、顔立ちは凄く整っている。
普段から美少女だと思っていたけど、舞台に映えるようバッチリ化粧を決めた彼女は、美少女から美しい大人の女性へと変貌していた。
衣装も凄く似合っている。
初めてのお披露目だし、控えめな彼女には寧ろ気分を上げてもらうためにも、多少派手目で行こうと考えた結果でもある。
舞台の中央に立った彼女。
歌姫モードになってるとは言え、やはり緊張はするのだろう。
一度天井を見上げ深呼吸をしたように見えた。
そして…
透き通った美しい歌声が響き始めると、会場の空気が一変した。
一瞬で観客たちの心を鷲掴みにしたのが分かった。
あんなに緊張していたのが、まるで嘘のように堂々とした振る舞いで歌声を紡ぎ出す。
その様は正に歌の女神。
このあと私も舞台に立って、彼女と一緒に歌うのだけど……今はただ、お客さんと一緒に彼女の歌声に酔いしれる。
なぜ私の歌はあなたに届かないの?
恋の女神は教えてくれた
あなたはまだ本当の恋をしていないから
恋せよ乙女
切なさは雪解けとともに
いのちが紡ぐ想いが芽吹いて花となり
春の風に舞って届くだろう
………
…
恋の女神に捧げる歌が会場中に響き渡り、それを聞いた者は暖かな気持ちで満たされた。
私も歌いながら舞台袖から姿を見せた。
そして、二人の歌姫が奏でるハーモニーが観客たちを更に魅了する。
初めてエーデルワイスの二人の歌姫が舞台に立ったこの日…アリシアさんの鮮烈なデビューは、後に伝説のステージとして語り継がれるのだった。
カーテンコールに観客の拍手は鳴り止まず、演者たちはそれに笑顔で応えている。
演劇が終われば、次はいよいよ私達の出番だ。
ちらっ、と横目でアリシアさんを見ると、緊張がピークに達しているのか表情が硬い。
だが、一つ深呼吸をしたと思ったら、その雰囲気は一転した。
あぁ…やっぱり。
この間もそうだったけど、彼女は天性の歌姫なんだ。
私と同じで、舞台を前にすれば自然と気持ちが切り替わる。
そうでなければ私だって半ば無理やりここに連れてきたりはしない。
…多分。
「次はあなた達ね~。アリシアちゃん、がんばって~」
「お~~ほっほっほっ!!またワタクシに並び立つスタァが誕生するのね!!さぁ、お行きなさい!!見事敵を打ち倒すのです!」
舞台から戻ってきた姉さんと、ロゼッタおば…お姉さまが激励してくれる。
いつものテンションで。
……と言うか、敵って何さ。
まだ役に成り切ってるっぽいね…
「お姉ちゃんたち、頑張って!応援してるよ!」
「お姉ちゃんとアリシアさんの歌、凄く楽しみ!」
リィナとハンナちゃん。
ハンナちゃんはもうすっかり舞台女優として板についてきたし、リィナも脇役とは言え中々の演技も見せてくれたと思う。
将来のエーデルワイスを支える後進たちの成長を皆喜んでるだろう。
「おう、お前ら。頑張れよ。アリシア、細けえこたぁ考えずに舞台を楽しんでこい」
「ダードの言う通りだな。自分に出来ることを精一杯するだけだ。結果は自ずと付いてくる」
「頑張るッスよ。アリシアちゃんの歌ならバッチリ客を魅了するッス」
父さん、ティダ兄、ロウエンさん。
ベテランからの激励は、とても頼もしい。
「二人とも、頑張ってな。楽しみにしている」
「ママ!お姉ちゃん!がんばって!だいじょうぶなの。お客さんはカボチャプリンだと思えばいいの!」
テオとミーティアだ。
ミーティアなりにアリシアさんを気遣ってるんだけど……カボチャプリンとは斬新だね。
どれだけお菓子が好きなの?
他の団員も続々とやって来て、温かい励ましの言葉をかけてくれる。
流石は私の自慢の家族たちだ。
「皆さん…ありがとうございます!頑張ります!!」
みんなからの激励を受けて、アリシアさんはさっきまでの気弱な様子は鳴りを潜め、やる気に満ち溢れていた。
すっかり歌姫モードだね。
私も否が応でも気合が入るというものだ。
「幕が上がるよ。さぁ、行こう!」
「はい!」
再び舞台の幕が上がった。
観客たちは演劇に並んでエーデルワイスが誇るもう一つの演目に、期待の眼差しを舞台上に送る。
そして、舞台袖から姿を見せたのは…
観客からどよめきの声が上がる。
それも、直ぐに静かになるが、まだどこか戸惑いのような空気が感じられた。
舞台上で観客の注目を浴びるのは、鮮やかな紅いドレスを纏ったアリシアさんだ。
一言で『紅い』と言っても、微妙に色味や濃淡が異なる生地を幾重にも重ね、所々に銀糸で彩られたそれは、かなりゴージャスな装い。
衣装係と私がアレコレ悩んで意見を交わしながら辿り着いた、渾身のチョイスだ。
本人は『地味な私には似合わないですぅ…』なんて言ってたけど、そんな事はない。
確かに髪や瞳の色は目立たない色合いだけど、顔立ちは凄く整っている。
普段から美少女だと思っていたけど、舞台に映えるようバッチリ化粧を決めた彼女は、美少女から美しい大人の女性へと変貌していた。
衣装も凄く似合っている。
初めてのお披露目だし、控えめな彼女には寧ろ気分を上げてもらうためにも、多少派手目で行こうと考えた結果でもある。
舞台の中央に立った彼女。
歌姫モードになってるとは言え、やはり緊張はするのだろう。
一度天井を見上げ深呼吸をしたように見えた。
そして…
透き通った美しい歌声が響き始めると、会場の空気が一変した。
一瞬で観客たちの心を鷲掴みにしたのが分かった。
あんなに緊張していたのが、まるで嘘のように堂々とした振る舞いで歌声を紡ぎ出す。
その様は正に歌の女神。
このあと私も舞台に立って、彼女と一緒に歌うのだけど……今はただ、お客さんと一緒に彼女の歌声に酔いしれる。
なぜ私の歌はあなたに届かないの?
恋の女神は教えてくれた
あなたはまだ本当の恋をしていないから
恋せよ乙女
切なさは雪解けとともに
いのちが紡ぐ想いが芽吹いて花となり
春の風に舞って届くだろう
………
…
恋の女神に捧げる歌が会場中に響き渡り、それを聞いた者は暖かな気持ちで満たされた。
私も歌いながら舞台袖から姿を見せた。
そして、二人の歌姫が奏でるハーモニーが観客たちを更に魅了する。
初めてエーデルワイスの二人の歌姫が舞台に立ったこの日…アリシアさんの鮮烈なデビューは、後に伝説のステージとして語り継がれるのだった。
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