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第十五幕 転生歌姫の最終決戦
第十五幕 26 『力を合わせて』
しおりを挟むーーーー エフィメラ ーーーー
ようやく覚悟が決まりました。
それも、エメリール様とエメリナ様に背中を押してもらわなければ、きっと踏み出せなかったでしょう。
自分の不甲斐なさに呆れるばかりですが……今は戦いのとき。
反省は後でもできます。
あの娘を止めるのは私の……いえ、皆で力を合わせて止めてみせましょう。
先ずは、あの式神たちを何とかしなければ。
『……我は陰陽の気を此に捧げ希う。かの地に住まへし英霊を我が下へと遣わし給へ……』
東方の言葉で祝詞を捧げ、意識を集中し……手にした無数の『呪符』に魔力を籠める。
「式神たち!!力を貸して!!招来……[符術・十二神将]!!」
エルネラの術と同じ、十二体の式神を使役する符術の奥義を発動させる!!
魔族となったあの娘の生み出したものには負けるかもしれないけれど……何も私一人の力で戦うわけじゃないわ。
「みんな!!私の式神たちと力を合わせて!!」
「エフィメラ様!!皆聞いたな!!一体ずつ取り囲んで戦え!!」
ブレイグ将軍が私の言葉をフォローして指揮を取ってくれます。
エルネラの式神たちは強力な力を持っているけど……自律行動に任せているだけの様子。
目の前の敵に対処するのみで、連携などは行っていない。
だったら……
私は目を瞑って意識を集中させる。
すると、式神に私の知覚がリンクするのを感じる。
私の処理能力程度では、流石に全てを制御するのは不可能ですが……力で劣る分は連携で補いましょう!!
ーーーーーーーー
ーーーー エメリール & エメリナ ーーーー
黒魔神竜との戦いを、ディザールとゼアルに託した姉妹神は、魔族エルネラとの戦いの場へと赴く。
「お姉ちゃん!!」
「もう始まってるわね。……エフィメラも頑張っているわ」
魔族エルネラの周囲に展開した彼女の式神たちと、エフィメラが使役する式神と連合軍が力を合わせて、激しい戦いを繰り広げていた。
エルネラはその戦いの輪の中央に陣取り、強力な魔法を放って連合軍に対して攻撃を加えているが……ユーグや他の魔導士たちが対抗魔法や結界で抑えている様子。
「やっぱりあの娘……魔族になったばかりみたいだよ。七天禍ほどの力は持ってないみたい」
「そうみたいね。だから…………エフィメラとの約束を守るために、私達も頑張りましょう、リナ」
「うん!!やろう!お姉ちゃん!!」
そして姉妹神は、戦いが繰り広げられているその場所の上空へと舞い上がる。
ちょうどエルネラの真上に来るように。
そして二人は向き合って両手を繋ぎ、目を瞑って集中すると……
彼女たちの身体から光が溢れ出し、それは背中に集まって翼となる。
「まだよ、リナ……ある程度、ダメージを与えてもらわないと……」
「うん。皆を信じてるよ」
そして姉妹神は準備を整えて、その時が訪れるのを待つ。
ーーーーーーーー
ーーーー エフィメラ ーーーー
エルネラの式神はみんなの頑張りで何とか抑えられてます。
ですが、このままでは決着が付けられません。
どうにか彼女の近くまで行って、切り札を使いたいところですが……
そう思った私は、ブレイグ将軍が後退してきたタイミングで彼にお願いをします。
「将軍、何とかエルネラまで道を拓けませんか?」
「……!分かりました、何とかしてみせましょう!!」
私の願いを聞き届けてくれたブレイグ将軍は、全身を震わせ……紅い闘気が激しく噴き出す!!
「[鬼神降臨]!!……皆!!大技を放つぞ!!退避しろっっ!!」
彼は進路上にいる仲間たちに注意喚起し、味方の退避を確認したあと大剣を振りかぶって……
それが一気に振り下ろされる!!
「ハァーーーッッッ!!!『烈氣波動剣』!!!」
圧縮された闘気が衝撃波を伴う鮮烈な紅い光の奔流となって一直線に戦場を切り拓く!!
そして……
見えた!!
エルネラ!!
私はブレイグ将軍が作ってくれた『道』を真っ直ぐに駆け出します。
エルネラ……私の大切な家族……必ず止めてみせる!!
だから……
エメリール様、エメリナ様……どうかあの娘をお救いください!!
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