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「シロ、お散歩の時間よ」
私は子犬にシロという名前をつけていた。シロは元気よく尻尾を振っている。どうやら嬉しいようだ。
「ほら、こっちにいらっしゃい」
私はシロの首輪にリードをつけると庭に出ることにした。シロはまだ子犬なので屋敷の敷地から出ないように言い聞かせてある。散歩といっても敷地内をぐるっと一周するだけの簡単なものだけれども、それでも毎日欠かさずに行うようにしていた。
「はい、お手」
私が手を差し出すとシロが前足で私の手の上にポンッと乗せる仕草をする。これは私が教えた芸の一つである。
「お座り」
シロは言われた通りにその場に座るポーズをする。これはシロが自分で考えた芸で、私が教えたものではない。どうやら彼は賢く、覚えが早いようだ。
「よし、いい子ね」
私は優しく頭を撫でると再び歩き始める。そしてまた新しい芸を教えることにした。今度は別の種類の芸を仕込んでみようかしら……? そんなことを考えているうちに私たちは庭の端までやってきたようだ。するとそこでライトニング様がやってくる。
「あら、ライトニング様。おはようございます」
「ああ……」
ライトニング様はどこか疲れた様子だった。よく見ると目の下にクマができている。
(何かあったのかしら……?)
私が疑問に思っていると、シロが急に走り出した。どうやら遊びたいらしい。私は慌てて追いかけることにした。するとシロは砂場のほうまで駆けていく。そして穴を掘り始めたようだ。
(ふふっ……可愛いわね……)
私はシロの側にしゃがみ込むと頭を撫でてあげることにした。するとシロは嬉しそうに尻尾を振りながら私の顔を舐めてくる。
(きゃっ……)
くすぐったいけれど、幸せな気分になれる。私はしばらくの間シロと戯れていたのだった。
「おい」
不意に声をかけられて振り返るとそこには不機嫌そうな顔のライトニング様が立っていた。彼は不機嫌な様子で私を睨みつけている。もしかして邪魔をしてしまったのだろうか……?
「どうかしましたか?」
「……別に」
彼は不機嫌そうにそっぽを向くと、そのまま歩き去ってしまう。私は首を傾げながらもシロと一緒に屋敷へ戻ることにしたのだった……。
「シロ、いい子だからお座りしててね」
私はソファに座ると、シロに命令した。シロは私の膝の上に飛び乗ってくると、そこで丸くなる。そして尻尾をパタパタと振り始めた。どうやらリラックスしているようだ。
「いい子いい子……」
私は優しく頭を撫でてあげると、今度は頰っぺたをツンツンとしてみた。するとシロは気持ちよさそうに目を細める仕草をする。本当に可愛らしい子犬だこと……
「シロ、お手」
私は右手を差し出すとシロはポンッと前足を乗せる仕草をする。これも私が教えた芸の一つだ。
「はい、お座り」
するとシロはその場で座るポーズをする。これは私のお気に入りである。ただ座っているだけでも可愛いのだけれども……やっぱり芸を仕込んでみるのもいいかもしれないわね……そうだ!
「お回り!」
私が命令するとシロはその場でくるくると回り始める。これは即興で考えた芸だったが思いのほか上手くいくかもしれないわ。
「はい、回って回って!」
私がさらに指示を出すと、シロはぐるぐると回り続ける。その姿はとても愛らしかった。
(ああ……癒されるわ……)
しばらくシロの芸(?)を眺めていると、背後から視線を感じる。振り返るとそこにはライトニング様がいた。彼は不機嫌そうにこちらを見下ろしている。
「あの……何か?」
「別に」
彼はぶっきらぼうに答えるとそのまま立ち去ってしまう。一体なんだったのだろうか……?まあ、気にしてもしょうがないか……。
私は再びシロに視線を戻すことにした。シロは私にされるがままに芸を披露してくれている。その姿はとても愛らしく、見ていて飽きることがない。
(ふふっ……本当に可愛いわね……)
私は笑顔を浮かべながらシロの頭を撫でてあげたのだった……。
「あの、ライトニング様……」
私の隣にはライトニング様が座っているのだがさっきから全く喋ろうとしない。一体どうしたというのだろうか……?
「もしかして、ライトニング様も触りたいのですか?」
「そんな訳があるか!」
彼は怒鳴るように言うと、腕を組んでそっぽを向いてしまう。どうやら図星だったようだ。
(素直じゃないわね……)
私は思わず苦笑してしまうが、素直になれないライトニング様が可愛くて仕方がない。きっと本当はシロのことを触りたいのだけれども恥ずかしいのだろう。だから私が助け舟を出してあげることにする。
「シロ」
私が名前を呼ぶとシロはすぐに反応し、私の膝から飛び降りてライトニング様のほうに駆け出していく。そして彼の膝に飛び乗る仕草をした。
「なっ!?」
突然のことに驚きつつもライトニング様は恐る恐るシロに手を伸ばし、優しく背中に触れる。するとシロは尻尾を振りながら嬉しそうに鳴き声をあげた。
「よし、いい子だ」
ライトニング様はシロを撫でつつ、少しだけ頰を緩ませていた。どうやら彼もシロのことが気に入ったらしい。
(ふふっ……)
そんな微笑ましい光景を見て私も自然と笑顔になるのだった……。
私は子犬にシロという名前をつけていた。シロは元気よく尻尾を振っている。どうやら嬉しいようだ。
「ほら、こっちにいらっしゃい」
私はシロの首輪にリードをつけると庭に出ることにした。シロはまだ子犬なので屋敷の敷地から出ないように言い聞かせてある。散歩といっても敷地内をぐるっと一周するだけの簡単なものだけれども、それでも毎日欠かさずに行うようにしていた。
「はい、お手」
私が手を差し出すとシロが前足で私の手の上にポンッと乗せる仕草をする。これは私が教えた芸の一つである。
「お座り」
シロは言われた通りにその場に座るポーズをする。これはシロが自分で考えた芸で、私が教えたものではない。どうやら彼は賢く、覚えが早いようだ。
「よし、いい子ね」
私は優しく頭を撫でると再び歩き始める。そしてまた新しい芸を教えることにした。今度は別の種類の芸を仕込んでみようかしら……? そんなことを考えているうちに私たちは庭の端までやってきたようだ。するとそこでライトニング様がやってくる。
「あら、ライトニング様。おはようございます」
「ああ……」
ライトニング様はどこか疲れた様子だった。よく見ると目の下にクマができている。
(何かあったのかしら……?)
私が疑問に思っていると、シロが急に走り出した。どうやら遊びたいらしい。私は慌てて追いかけることにした。するとシロは砂場のほうまで駆けていく。そして穴を掘り始めたようだ。
(ふふっ……可愛いわね……)
私はシロの側にしゃがみ込むと頭を撫でてあげることにした。するとシロは嬉しそうに尻尾を振りながら私の顔を舐めてくる。
(きゃっ……)
くすぐったいけれど、幸せな気分になれる。私はしばらくの間シロと戯れていたのだった。
「おい」
不意に声をかけられて振り返るとそこには不機嫌そうな顔のライトニング様が立っていた。彼は不機嫌な様子で私を睨みつけている。もしかして邪魔をしてしまったのだろうか……?
「どうかしましたか?」
「……別に」
彼は不機嫌そうにそっぽを向くと、そのまま歩き去ってしまう。私は首を傾げながらもシロと一緒に屋敷へ戻ることにしたのだった……。
「シロ、いい子だからお座りしててね」
私はソファに座ると、シロに命令した。シロは私の膝の上に飛び乗ってくると、そこで丸くなる。そして尻尾をパタパタと振り始めた。どうやらリラックスしているようだ。
「いい子いい子……」
私は優しく頭を撫でてあげると、今度は頰っぺたをツンツンとしてみた。するとシロは気持ちよさそうに目を細める仕草をする。本当に可愛らしい子犬だこと……
「シロ、お手」
私は右手を差し出すとシロはポンッと前足を乗せる仕草をする。これも私が教えた芸の一つだ。
「はい、お座り」
するとシロはその場で座るポーズをする。これは私のお気に入りである。ただ座っているだけでも可愛いのだけれども……やっぱり芸を仕込んでみるのもいいかもしれないわね……そうだ!
「お回り!」
私が命令するとシロはその場でくるくると回り始める。これは即興で考えた芸だったが思いのほか上手くいくかもしれないわ。
「はい、回って回って!」
私がさらに指示を出すと、シロはぐるぐると回り続ける。その姿はとても愛らしかった。
(ああ……癒されるわ……)
しばらくシロの芸(?)を眺めていると、背後から視線を感じる。振り返るとそこにはライトニング様がいた。彼は不機嫌そうにこちらを見下ろしている。
「あの……何か?」
「別に」
彼はぶっきらぼうに答えるとそのまま立ち去ってしまう。一体なんだったのだろうか……?まあ、気にしてもしょうがないか……。
私は再びシロに視線を戻すことにした。シロは私にされるがままに芸を披露してくれている。その姿はとても愛らしく、見ていて飽きることがない。
(ふふっ……本当に可愛いわね……)
私は笑顔を浮かべながらシロの頭を撫でてあげたのだった……。
「あの、ライトニング様……」
私の隣にはライトニング様が座っているのだがさっきから全く喋ろうとしない。一体どうしたというのだろうか……?
「もしかして、ライトニング様も触りたいのですか?」
「そんな訳があるか!」
彼は怒鳴るように言うと、腕を組んでそっぽを向いてしまう。どうやら図星だったようだ。
(素直じゃないわね……)
私は思わず苦笑してしまうが、素直になれないライトニング様が可愛くて仕方がない。きっと本当はシロのことを触りたいのだけれども恥ずかしいのだろう。だから私が助け舟を出してあげることにする。
「シロ」
私が名前を呼ぶとシロはすぐに反応し、私の膝から飛び降りてライトニング様のほうに駆け出していく。そして彼の膝に飛び乗る仕草をした。
「なっ!?」
突然のことに驚きつつもライトニング様は恐る恐るシロに手を伸ばし、優しく背中に触れる。するとシロは尻尾を振りながら嬉しそうに鳴き声をあげた。
「よし、いい子だ」
ライトニング様はシロを撫でつつ、少しだけ頰を緩ませていた。どうやら彼もシロのことが気に入ったらしい。
(ふふっ……)
そんな微笑ましい光景を見て私も自然と笑顔になるのだった……。
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