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「デウスくんはどんな部活に入るつもりなの?」
放課後、エレナが俺のもとにやってくる。
「私は剣術部に入っているの。デウスくんも入ってみない?」
「とりあえず見学してみるよ」
「分かった。じゃあ、早速行こうか」
俺とエレナは剣術部の部室へと向かった。
◇
剣術部部室に到着すると、そこには様々な剣が置いてあった。勇者学校に通うだけあって、皆剣の扱いに長けているようだ。部員たちは剣を手に取り素振りを始めたり、お互いの剣技を見せ合ったりしている。
「おっ! 見学の新入生か?」
部員の一人がこちらにやってくる。大柄で筋肉質な男子生徒だ。
「俺は三年のカルロスだ。よろしくな!」
「私はエレナよ」
「デウスです。よろしくお願いします」
俺たちは挨拶をすると、剣術部の活動について尋ねる。すると、部員たちが剣技を見せ合うことが主な活動らしいことが分かった。
「よしっ! 折角だから俺と試合してみるか?」
カルロス先輩の提案で試合をすることになった俺は彼と対峙する。
「いつでもかかってきな!」
カルロス先輩はそう言うと、剣を構えた。俺も剣を構える。そして次の瞬間、俺はカルロス先輩の背後に移動していた。
「なっ……いつの間に!?」
驚くカルロス先輩に俺は攻撃を仕掛ける。彼は俺の攻撃をなんとか受け止めると、体勢を立て直し反撃してきた。だがそれもかわされてしまい、逆にこちらがカウンターを仕掛ける。そして試合は俺の圧勝で終わったのであった。
「デウスくん! 凄いね!」
エレナが駆け寄ってくる。他の部員たちも集まってきた。
「やるじゃねーか」
「カルロス先輩が負けるなんて初めて見たぜ」
部員たちが口々にそう言う。そんな中、部長らしき男が口を開いた。
「君、名前は?」
「デウスです」
「デウスくんか……君ならいい剣士になれそうだ……入部しないか?」
「せっかくですが、今は見学中なので」
「そうか……残念だ」
俺は剣術部を後にした。次に向かったのは魔法部だ。
「遠く離れた小さな的に魔法を当てれば商品を進呈します!」
面白そうだな。やってみよう。
「あの的に当てるのは至難の業だ。自身が無いのなら、近づけてもいいんだぜ?」
部員が挑発的な笑みを浮かべる。
「冗談だろ? こんなの目を瞑ってても当てられるよ」
「……へぇ、随分な自信じゃないの」
俺は的の前に立つと、魔法を発動した。
「《火炎球(ファイアボール)》!!」
次の瞬間、俺の掌に直径二メートルを軽く超える巨大な火球が現れる。
「はぁっ!? あんなにでかいファイアボールは見たことないぞ!? しかも無詠唱だと!?」
部員たちが驚愕する中、俺は火球を射出する。そして的に命中すると凄まじい火柱が天高く立ち上がり、学校中に熱風が吹き荒れる。
「ごほっ! ごほっ!」
部員たちが咳き込んでいる中、俺は的を確認する。的は真っ黒焦げになって崩壊していた。
「商品ちょうだい」
「し、商品ならいくらでもやる! だから帰ってくれ!」
部員たちは恐怖に震えていた。そして俺は魔法部を後にしたのである。
放課後、エレナが俺のもとにやってくる。
「私は剣術部に入っているの。デウスくんも入ってみない?」
「とりあえず見学してみるよ」
「分かった。じゃあ、早速行こうか」
俺とエレナは剣術部の部室へと向かった。
◇
剣術部部室に到着すると、そこには様々な剣が置いてあった。勇者学校に通うだけあって、皆剣の扱いに長けているようだ。部員たちは剣を手に取り素振りを始めたり、お互いの剣技を見せ合ったりしている。
「おっ! 見学の新入生か?」
部員の一人がこちらにやってくる。大柄で筋肉質な男子生徒だ。
「俺は三年のカルロスだ。よろしくな!」
「私はエレナよ」
「デウスです。よろしくお願いします」
俺たちは挨拶をすると、剣術部の活動について尋ねる。すると、部員たちが剣技を見せ合うことが主な活動らしいことが分かった。
「よしっ! 折角だから俺と試合してみるか?」
カルロス先輩の提案で試合をすることになった俺は彼と対峙する。
「いつでもかかってきな!」
カルロス先輩はそう言うと、剣を構えた。俺も剣を構える。そして次の瞬間、俺はカルロス先輩の背後に移動していた。
「なっ……いつの間に!?」
驚くカルロス先輩に俺は攻撃を仕掛ける。彼は俺の攻撃をなんとか受け止めると、体勢を立て直し反撃してきた。だがそれもかわされてしまい、逆にこちらがカウンターを仕掛ける。そして試合は俺の圧勝で終わったのであった。
「デウスくん! 凄いね!」
エレナが駆け寄ってくる。他の部員たちも集まってきた。
「やるじゃねーか」
「カルロス先輩が負けるなんて初めて見たぜ」
部員たちが口々にそう言う。そんな中、部長らしき男が口を開いた。
「君、名前は?」
「デウスです」
「デウスくんか……君ならいい剣士になれそうだ……入部しないか?」
「せっかくですが、今は見学中なので」
「そうか……残念だ」
俺は剣術部を後にした。次に向かったのは魔法部だ。
「遠く離れた小さな的に魔法を当てれば商品を進呈します!」
面白そうだな。やってみよう。
「あの的に当てるのは至難の業だ。自身が無いのなら、近づけてもいいんだぜ?」
部員が挑発的な笑みを浮かべる。
「冗談だろ? こんなの目を瞑ってても当てられるよ」
「……へぇ、随分な自信じゃないの」
俺は的の前に立つと、魔法を発動した。
「《火炎球(ファイアボール)》!!」
次の瞬間、俺の掌に直径二メートルを軽く超える巨大な火球が現れる。
「はぁっ!? あんなにでかいファイアボールは見たことないぞ!? しかも無詠唱だと!?」
部員たちが驚愕する中、俺は火球を射出する。そして的に命中すると凄まじい火柱が天高く立ち上がり、学校中に熱風が吹き荒れる。
「ごほっ! ごほっ!」
部員たちが咳き込んでいる中、俺は的を確認する。的は真っ黒焦げになって崩壊していた。
「商品ちょうだい」
「し、商品ならいくらでもやる! だから帰ってくれ!」
部員たちは恐怖に震えていた。そして俺は魔法部を後にしたのである。
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