LOVE☆GAME

自覚した想い

1

「え？由貴が入院？｣
「そ。だから上手く教授には言っといてね｣



あのあと。
由貴くんを病院に連れていくと全身打撲、右腕が骨折していた。
あとかなり衰弱と精神的にきてるらしい。




由貴くんが目覚ますまで大学休もうとしたら陸に反対された。
去年まででほぼ単位取ったから平気なのに。


翼は未成年拉致監禁及び暴行の容疑で現行犯逮捕された。




「ねぇ、翼。お前、由貴くんを抱いたよね？無理やり｣
「抱いたさ。由貴よかったぜ｣



何も知らない翼。
だから言ってやった。



「由貴くんの初めては俺が頂いたし、翼が抱いたことなんて忘れるくらい愛してあげるからいいんだよ！｣
「颯。お前、やっぱり…………｣
「そうだよ。俺、由貴くんに最初会った時にきっと好きになってたんだよ｣



陸が言ってたっけ。
"俺さ由貴とお前があの時くっつくかと思ってたんだよな"て。



あの時翼に先手を打たれた。



『颯。俺さ由貴が好きなんだ』
『そうなんだ？』
『だから、協力してくれるよな？』




だから。
無意識に俺は由貴くんを好きにならないように気持ちをセーブしていたんだと思う。



「もう。邪魔者いないし遠慮しないから！ロリコンの犯罪者｣
「誰がロリコンだー｣
「あ、ごめん。ごめん。ショタコンだったね｣
「違うわっ｣
「じゃあ。帰るよ｣




もう二度と会うことはないだろうけど。
けれど。
翼の行動に違和感を感じはじめたのはこの頃だった。



翼と陸には言わない方がいいような気がしたから由貴くんがオメガとは言わずわからないようにアフターピルを飲ませていた。