好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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初めての発情期そして合同合宿後編

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「暇ー」



瑠衣さんに部屋にいるように言われたからいるけどさ。




ぶっちゃけ。
かなり暇!



瑠衣さんの言いたいことはわかる。


つがいのいないΩ俺たちは無意識にフェロモンを放っているって。





何しに合宿にきたのか。


これじゃ意味ないじゃん。



マジ暇ー。
さっきタケがかしてくれたのでもするか?



「ゲーム?」



タケ。
合宿にゲームって。
あいつ一応生徒会長だろう?
何しにきてんだよ?




『晶へ
今頃合宿に何しに来てんだって思ってるだろうけど。
たまには息抜きも必要だぞ?』




そう書かれたメモが添えてあった。
ったく。
仕方ねぇな。
タケの奴は。



気がつくとかなり時間が経っていた。


そして、夕方。



みんなでバーベーキューをすることに。
で、さっき瑠衣さんとタケと蓮也と買い物に行ったんだけど。





「瑠衣さん!あんたどさくさに紛れて何を買おうとしてるんだよ!」
「何ってコンドームだよ」



何見てわかんないの?って顔してんだよ!



「じゃなくてっ!」
「だって持ってきてたのこの間使い切っちゃったし。合宿中に晶くんが発情期くるとは思わなかったからね」




そう言いながら大量にコンドームを買っていた。
店員も一瞬驚いていた。


***************************


バーベキューの準備が終わり肉とか焼いていく。


「晶くん、はい。あーん」



焼けた肉を瑠衣さんはくれるんじゃなくて食べさせるんだよな。



「あんたは何を恥ずかしいことさせようとしてんの?」
「いや?」




いやとかそう言う問題じゃなくて!




「わかったよ」



仕方ないから食べることに。




「ホント、晶と瑠衣さん仲いいよな?」
「そうだよね」
「晶。瑠衣さんと付き合っちゃえば?」
「やだ。それに瑠衣さん好きな奴いるみたいだし」
「マジ?」
「いるけど、誰かは内緒」
「えぇー!」



……やっぱり好きな奴いるんだな。
瑠衣さんが俺とするのは性欲処理だからか?





ヤバイ。
泣きそうになってきた。




「晶?」
「ちょっとトイレ行ってくる」
「大丈夫か?」
「大丈夫」
「知らない奴にお持ち帰りされんなよ!」
「そんな物好きいないって」




そう言って俺は外に出た。




「……」




瑠衣さんが好きな人って誰だろう?
ダメだ。
気になって仕方ない。




「おい」
「え?」



なんでここにいるんだ?
俺に話があるのか?




「瑠衣先生のことで話があるから。こっちにきてくれないか?」




俺は人気のない場所に連れて行かれる。


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