好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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新学期スタート

6

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そしてゴールデンウイーク前の合同会議の日。



「休み?」
「うん。ちょっと体調悪いって」



悠姫ちゃんがそう言ってた。
具合悪いって、晶くん大丈夫かな?



「なら、姫ちゃん。先に帰りなよ」
「帰っても無駄だよ。お兄ちゃんてば、入ってくるなとか言うし」



悠姫ちゃんは膨れ面をしながそんな話しをする。



そして世間は、ゴールデンウィークへと突入する。



体調を崩してる晶くんの様子見に行こうとしたら携帯が鳴った。
え?
悠姫ちゃん?



「もしもし?」
「あ、あの。火山瑠衣さんの携帯ですか?」
「そうだよ。悠姫ちゃんどうしたの?」
「は、はい。あのお兄ちゃんが……」
「晶くんがどうしたの?」
「かなり具合悪そうで、兄さんに言ったらあなたに連絡する方がいいって」
「――へぇ、とおるがね」


やっぱり、かなり具合悪くなったみたいだね。
仕方ないね。



「あ、あの」
「今からそっちに行くから。悠姫ちゃんは、お昼食べた?」
「はい。冷蔵庫にあるのを……」
「夜は?」
「えっと……」
「口に合わないかもしれないけど、何がいい?」
「肉がいい」



悠姫ちゃんはそう答えた。
そう言えば前にスーパーに行った時も肉がいいって言ってたっけ。



じゃあ買い物してから晶くんの家に向かうかな。
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