好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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高校入試

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「ん……」
「起きた?」
「瑠衣さん?」
「よく寝てたね。今夜の7時半すぎだよ」



目覚ますと瑠衣さんがいた。
姫は今は有島の叔母さんたちに預かってもらっている。



「おばさんは?」
「帰ったよ。さっきまでいたけどね。ご飯作るから食べてね」


瑠衣さんは、俺の返事聞かないでキッチンに向かう。



「はーい、できたよ」
「はぁ……」
「何か文句ありそうだね」
「別にない。じゃあいただきます」



食欲ねぇから食いたくないんだけど。
食わねーと瑠衣さんがうるさいしな。



「もういいの?」
「あぁ……」
「もう少し食べない?」
「無理」
「はい。薬と水」



薬、飲まなきゃいけないのか。
つーか瑠衣さんは俺が薬苦手なの知ってるクセに。



「晶くん。キミもうすぐ15になるんだからさ」



瑠衣さんはあきれながらそう言ってた。



「仕方ないだろう!?嫌いなモンは嫌いなの!」
「口移しで飲ませてもいいけど、キスだけじゃすまないかもよ?」
「っ!自分で飲む」



冗談じゃねぇ!
俺は具合悪いのに、瑠衣さんの相手なんかできるかよ!



「俺は片付けてくるから、寝てなよ」



瑠衣さんは食器持ってキッチンに向かった。
俺も体調悪いから、そのまま寝ることにした。
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