好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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オリエンテーションそして発情期

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『火山先生。如月を構いすぎではないですか?お二人が昔からの知り合いなのはわかっています。最近、その2人が付き合っているという根も葉もない噂が流れているんですから』



出発前。
教頭に言われた。
余計なお世話だって。



この時間の見張りは暇。
みんなお風呂入ってるからね。


あれ?
向こうから走ってくるのは。
晶くんだった。
何を急いでるんだ??



「あれー?もうあがったの」
「あぁ。髪あとで乾かすからじゃあな」



俺の横を通り過ぎようとした時。
ニオイがした。
そう。
晶くんの発情期の時のいいニオイが。




「晶くん」
「何?」
「匂うよ?そろそろなんじゃない?」
「わかってる!!」



逃げるかのように晶くんは部屋に戻っていった。
何を急いでるのかな?



「あきちゃん!待ってよ」



それからしばらくしてあの子がやってきた。



「何追いかけてるの?」
「瑠衣先生!風呂場でね、あきちゃんのってデカいよねって言ったら変態って言われたの」



確かに晶くんのは同世代の子のよりはデカいけど。



「くっくっく……変態か」
「なっ瑠衣先生笑わなくてもいいじゃない」
「ごめんごめん!ほらキミも早く髪乾かさないと風邪引くよ」
「大丈夫!俺そんなやわじゃないし」



そして。
翌朝。



「……このニオイ」
「瑠衣先生!起きてる」
「晶くん発情期来ちゃった?」
「うん」



そして、晶くんを俺の部屋に連れてきた。



「晶くん。抑制剤は?」
「持ってきてない」
「まさかくるとは思わなくて?」



それに晶くんは頷く。




「仕方ないな」



とおる起きてるよね?



『もしもし?』




寝起きの声。
仕方ないな。




「とおる。あのさ、晶くんが発情期きちゃったから。今日よろしく!」
『へ!?あ、ちょっ瑠衣!?』




そして、俺は電話を切った。
とおるが何か言ってたけど無視。




みんなが出たあとに俺は晶くんと朝食を。



「はい。あーん」
「瑠衣さん……」



晶くんは食べさせてもらうのが嫌みたいで。
でも、俺は晶くんを構いたくて仕方ない。






お昼すぎ。



「晶くん」
「んっ」
「体疼くでしょ?」
「でもっみんないるのに」
「大丈夫だから、ね?」




そう大丈夫。
保健医には俺たちは番と偽っているから。
あの先生はβだから気づきもしないだろう。



ただ。
寮の方の榎本先生はαだからバレているみたい。




嫌がる晶くんを無視して布団と服をはぎ取った。
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