好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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時期外れの転校生

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食堂から戻ると悠兄がいた。
悠兄も暇だよな。



「明日、急用があってな」
「デートか?」


悠兄は隠してるけど悠兄の秘書の皇さんと悠兄はぶっちゃけ付き合ってるらしい。

「晶……。まぁいい、まこ。これはカードキーな、こっちは食堂と学校内の売店で使えるカード。チャージ額オーバーしたら支払うことになるからな」
「さっきの子みたいに?」
「さっき?」
「クラスの奴がいたんだよ。で、カード貸してやったんだよ」
「晶はお人好しだからな」
「ね、悠兄。上限はいくらなの?」
「一般学生は50,000、特待生は100,000が上限」
「それでオーバーする人いるの?」
「まこ。高校生は育ち盛りだぞ?晶みたいに少食なのが少ないんだからな」
「そう……」
「残金はいくらか調べられるから計算して使わないと、磯崎夫妻に迷惑かかるからな」
「そこつきそうなら俺の使っていいから」
「えぇーいいよ」
「遠慮するな。長期休暇中は一切使わないし普段も」
「じゃあどうしても必要な時お願い」
「おう。ところでまこ制服は?」
「えっと……それだけど、制服まではお金が厳しいらしくて、私服許可証発行できない?」
「まこ。制服代くらい出してやるから作れよ」
「兄ちゃん?」
「俺の貯金がかなりあるの。だから心配するな」
「いいの?」
「遠慮するな」



まこは水くさいな。
言えば制服代くらい出すのに。



「とかいうわりには自分の制服は普通の奴なんだな。晶は」
「え?」
「悠兄!」
「晶、アトピーだろ?アトピーとか皮膚が弱い子が最近多いからそういう子のための素材の制服があるんだよ。で晶は金がもったいないとか言って普通のを着てるんだよ」
「別にいいじゃん!」
「兄ちゃん!えい」
「うわっ」
「あー兄ちゃん、アトピー酷くなってるよー?」


まこに服をはぎ取られた。
そんなことしたらバレるつーの。



「大丈夫だって」
「瑠衣さんに薬塗ってって言えば?」
「風呂上がりいつも塗ってくれるけど?」
「なぁ、晶。火山先生とは……」
「何だよ!?」
「なんでもない。じゃあ帰るな?あ、まこほれ小遣い」
「えぇーいいよ」
「遠慮すると晶がお前に小遣いやるぞ?」
「……ありがとう」
「よしよし、じゃあな」
「話し終わった?」

悠兄が帰ると龍が話しかけてきた。

「終わった。明日まこの制服作りに行ってくるから」
「でもここから遠くなかった?」
「大丈夫だ。車だしてくれる人いるし」
「彼氏に電話するの?」
「はぁ!?違うし」
「違うよ、まこちゃん。旦那だよ」
「そっか!」



2人相手してたら疲れる。



というかさっさと電話しなきゃな。
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