好きって言ってみなよ?

葉月カイト

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時期外れの転校生

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「じゃあね、瑠衣先生ー」
「気をつけてねー」


さてと生徒会終わったしまた晶くんの様子見に行くかな。
あまり構うとうざがられるしな。
うーん。


「迷うくらいなら行こうっと!」



俺は寮に車を走らせた。
真くんたちは売店に行くって言って2人にしてくれた。



しばらくすると晶くんは目を覚ます。



「ん……今何時?」
「今?夜の8時だよ。ぐっすり寝てたね」
「まこたちは?」
「真くんがお菓子食べたいって言って売店に行ったよ」
「そう……」



晶くん微かに顔赤いな。
晶くんの額に手を当てると熱かった。
やっぱり熱出してるし。



「何だよ?」
「晶くん。やっぱり少し熱あるね」
「大丈夫だって」
「2年生になってから仕事がまた入り出したじゃない」
「仕方ないだろう」
「でも倒れちゃうよ?」
「ホント、瑠衣さんは心配しすぎ」
「具合悪いなら真くんたちか榎本先生に言うんだよ。あ、ケーキいる?」
「……いらない」
「そう。じゃあ今日は帰るね」


無理するなって言っても晶くんは無理するんだよね。



そして日曜日。



「はいはーい?」
『瑠衣か?俺だ』



この声は、晶くんの秘書してる佐伯さん。
んで、晶くんには言ってないけど。
俺の元カレ。


「全く。この間あれほど言ったのに」
「……」
「何?」
「俺が風邪引いても瑠衣は放置だったなって」
「晶くんとあなたを同じ扱いするわけないじゃない」
「相変わらずの憎まれ口だな。お前が可愛げあるのは抱かれてる時だけだしな」
「そう?」
「そうだ。……なぁ、瑠衣?」
「何?」
「晶様の前じゃ聞けないから聞くがお前との関係は?」
「俺と晶くんはセフレだよ」
「なっ……」
「無理強いしてないよ」
「好きなのか?」
「晶くんのこと俺好きだし晶くんも俺が好きだよ」



俺が誰を好きか関係ないじゃない。



「瑠衣。俺が諦めろって言ったら、どうする?」
「晶くんが望なら諦めるよ。でも晶くんが俺を望むなら諦めないよ」
「そうか……」


さてと、そろそろ帰ろうかな。


「じゃあ、連れて帰るね。一晩様子を見てから寮に連れて帰るから」
「わかった。瑠衣」
「ん?」
「気持ち伝えないと矢嶋の時のようになるからな」
「わかってるよ」




矢嶋湊。
俺の友人で昔好きだった奴。
でも俺は好きな奴も大切にできない奴だから、何も言わなかった。



でも晶くんと出会ってそれはかわった。
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