12 / 142
第一章 吸血鬼の王
石動健一
しおりを挟む
頭が働いていなかった俺は、すぐに誘いに乗り、言われるがままに部屋に連れられてきた。
部屋は女の子らしい部屋で、可愛いと形容出来るような家具が取り揃っている。
「ホットミルクでいいですか?」
「ああ、大丈夫。ありがとう」
「分かりました、そこに座って待っていて下さい」
俺は何をしているのだろうか。そんな考えが頭に巡る。
ぼーっとして待っていると、
「お待たせしました」
と、女の子がホットミルクを二個持ってきて、俺の正面の椅子に座った。
「えっと、名前言った方がいいよね、俺の名前は――」
「イスルギ ケンイチさん、ですよね?」
「あ、ああ。覚えていてくれたのか」
あの時はすぐにそっぽをむかれてしまったから、てっきり覚えていないと思っていた。
「君は、確かリーメア……」
「はい、私はリーメアです。リーメア・エンディング」
「エンディング、ってことはもしかしてフリードの?」
「そうです、あの人の娘です」
やはり、前の俺の想像は正しかったようだ。
「ええと、リーメア。なんで俺をここに連れてきたか、理由聞いてもいいか?」
「そ、それは……」
なにか答えづらい理由なのだろうか。だが、理由だけは知っておきたい。
「ごめん、ほぼ初対面なのになんで部屋に入れてくれたか知りたいだけなんだ。教えてくれるか?」
俺がそう言うとしばらく悩んで、そしてポツポツと話し始めた。
「えっとですね、イスルギさんがお風呂に入ってた時に私もちょうど入っていたのですが、そのー、私は他の人よりちょっとだけ耳がいいので、あのー、聞こえて、しまいましてですね」
聞こえた?何がだ?
思い当たる節は―――
あ、
「それで、どうしても気になってしまったので、前のようにタイミングを合わせてしまいました。余計なことをしてごめんなさい」
そう言ってリーメアは頭を下げる。
恥ずかしさが限界突破しそうだ。病んで、泣いて、喚いて、挙句の果てにそれを聞かれてしまったという事実に顔が熱くなる。
「は、はははっ、なるほどな。それで心配して、わざわざ声かけてくれたってことか。なんかごめんな」
「いえいえいえ、そのっ、余計なお世話だったかもしれなくて、ですから、あのっ」
「いや、そんなことはないよ。誰かが心配してくれてるっていうのが、なんか今は嬉しいんだ」
俺は机に置いてあるホットミルクを一口飲んで続ける、
「もし良ければ、なんだけど……俺の話を聞いてくれるかな」
「はっはい、ぜひ聞かせてください」
「ありがとう―――」
こうして俺は、ほぼ初対面の女の子に自分の思い、考え、そしてトラウマのこと全てを吐き出した。普段ならきっと、ここまで弱音を吐いたりはしないのだが、不思議なことに自分をさらけ出すことにそこまでの抵抗は無かった。言語化することで、頭を整理したかったというのもあると思う。
「―――てな感じで、現在に至るってところだ」
リーメアはとても真剣の俺の話を聞いてくれた。時に頷き、時に言葉を挟みながら聞いてくれたので、話しやすかった。
「ありがとう。人に話せて結構すっきりした」
「すみません、聞いているだけでアドバイスらしいものも出来ずに……」
そう言って謝るが、だいぶ頭の霧が晴れたような気がする。肩の荷がおりたような、そんな感覚だ。
「いや、もう全然平気!めちゃくちゃありがたかった!こっちこそ、急に暗い話聞かせちゃってごめん」
一通り話し終えて、最初の時のような静寂が訪れる。何か話題を、と思うがディープな話の後に何を言えばいいのか分からない。
「あー、あっそういえば。君もたしか固有魔法だっけ、持ってるんだよね」
「念話……のことですね」
「そう、それそれ。今は使えないって聞いたんだけど、何か代償があるとかそんな感じ?」
不死・念話・天気予報、まぁ最後のは置いておいてノーリスクとは思えない。今は使えないというくらいだから、インターバルなんかがありそうだと前々から予想していた。
「いえ、代償はありません。普通の魔法と同様に魔力があれば使えます」
「まじ、か。やばいくらい強いな。ん?じゃあなんで使えないんだ?」
「それは、、、」
リーメアの顔が曇る。
「……そういう術式のせいです。この術式のおかげで私は血を必要とせずに済むんですけど、その代償に固有魔法を封じてるんです」
「なる…ほど」
「あっ、もちろん血を吸えばまた使えるようにはなるんですけど……」
「血を吸ったらマズイ、とかか?」
「そうなんです。私は大丈夫なんですけど、吸われた人間の方に影響が出てしまうので、どうしても吸えないんです」
影響が出る。やんわりそう言っているが、頑なに吸わないようにするくらいだ。よほど重症になるのだろうか。
「あれはどうだ、あの輸血パックみたいなやつ。直接吸わなければ大丈夫なんじゃないか?」
「私も父も初めそう思いました。でも、間接的だと私の方がダメみたいで……。」
「これまた難儀な問題だな。」
血を吸わなければ生きていけない種族でありながら、それができないなんてどれほど苦しいのだろうか。
「でも、血を吸わなくなってから、もうかなり時間が経つので、段々吸血衝動が無くなってきてるんです。なので外に出れない以外に不自由はありません」
「あぁ、だから部屋にずっと引きこもっているのか」
「あっ、いえ、これはその、ただ人見知りなだけなんです。ごめんなさい……」
「あーいやいや、こっちこそごめん。あれ、でも人見知りって言うわりには俺を部屋に連れてきたりしてるよな?」
「そ、れは、あの……私は吸血鬼と人間のハーフなので、初めて会う前から勝手に親近感持っちゃってて……」
なるほど。確かにこの世界に来てから吸血鬼と人間のハーフという存在は見たことがない。それによって奇っ怪な目で見られるなんてこともありそうだ。
かくゆう俺も、まだ1割ほどだが吸血鬼と人間の融合体みたいなものだ。
「なら、もし良ければさ、友達にならないか?」
「え?」
「ほら、俺この世界に来てまだ1人も友達できてなくて。恥ずかしい話だけど」
部屋に1人でいるこの子に俺は助けられた。なら、俺は今度こそ恩返しがしたい。こんな事がお礼になるとは思わないが、それでも俺は出来ることをしたい。
「俺も正直不安なんだ。前まで人間だったのに急に一部が吸血鬼になったりして。君が俺に親近感を持った様に、俺も逆に君のことを近しく思ってる。似た存在同士仲良くできればなって思ったんだけど……どうかな?」
「はい……はい!こちらこそ、よろしくお願いします!」
リーメアはとても嬉しそうな顔で返事をしてくれた。ここまで喜ばれると俺の方が嬉しくなってくる。
「俺のことは石動って呼び捨てでいいし、タメ口で全然いいから、てかそうしてくれると嬉しい」
「わ、分かりました。……あっ違う!分かった、よ?」
敬語が抜けるのには少し時間がかかりそうだが、そんな様子も可愛い。
「私のことはメアって呼んでくださ……あっ、呼んで。お父さんとお母さんもそう呼んでくれてる、から」
「おっけー、よろしくね、メア」
「はい……あっうん!よろし、く!」
部屋の中に月の光が差し込み、ランプの灯りだけが灯っていた部屋が柔らかく照らされる。
こうして、俺に異世界初の友達が出来た。
――――――――――――――――――――
「今日も来たようだな……ん?昨日までと顔つきが変わったな。何かあったのか?」
「あぁ、ちょっと友達に遅くまでお悩み相談してもらってただけだ。俺自身の性能はなんも変わってねぇけどな」
「……?まぁやる気ならいい。じゃあ始めろ」
昨日今日で何かが変わる訳じゃない。俺自身が強くなった訳でも、トラウマを完全に克服した訳でもない。
今だって正面に立つのが怖いし、痛い思いだってしたくない。今すぐ踵を返して、逃げて、隠れて、忘れてしまいたい。
胸の奥がきゅっとなって、今にも張り裂けそうだ。
でも、今向かい合う相手に対して俺の足は震えてない。これが答えだ。
敗北も無力感も十分味わった。
弱さも醜い部分も全部俺の一部だ。人間らしい部分も吸血鬼としての事も、全部が俺をつくりあげているんだ。不要なものなんか無い。
それを証明する為に俺は―――
「思いっきり当たって砕けてやるよ。そうしてようやく俺は始まれる。」
深く呼吸をし、俺は走り出した。
過去の自分を受け入れるために
現在の自分へ別れを告げるために
未来の自分に生まれ変わるために
部屋は女の子らしい部屋で、可愛いと形容出来るような家具が取り揃っている。
「ホットミルクでいいですか?」
「ああ、大丈夫。ありがとう」
「分かりました、そこに座って待っていて下さい」
俺は何をしているのだろうか。そんな考えが頭に巡る。
ぼーっとして待っていると、
「お待たせしました」
と、女の子がホットミルクを二個持ってきて、俺の正面の椅子に座った。
「えっと、名前言った方がいいよね、俺の名前は――」
「イスルギ ケンイチさん、ですよね?」
「あ、ああ。覚えていてくれたのか」
あの時はすぐにそっぽをむかれてしまったから、てっきり覚えていないと思っていた。
「君は、確かリーメア……」
「はい、私はリーメアです。リーメア・エンディング」
「エンディング、ってことはもしかしてフリードの?」
「そうです、あの人の娘です」
やはり、前の俺の想像は正しかったようだ。
「ええと、リーメア。なんで俺をここに連れてきたか、理由聞いてもいいか?」
「そ、それは……」
なにか答えづらい理由なのだろうか。だが、理由だけは知っておきたい。
「ごめん、ほぼ初対面なのになんで部屋に入れてくれたか知りたいだけなんだ。教えてくれるか?」
俺がそう言うとしばらく悩んで、そしてポツポツと話し始めた。
「えっとですね、イスルギさんがお風呂に入ってた時に私もちょうど入っていたのですが、そのー、私は他の人よりちょっとだけ耳がいいので、あのー、聞こえて、しまいましてですね」
聞こえた?何がだ?
思い当たる節は―――
あ、
「それで、どうしても気になってしまったので、前のようにタイミングを合わせてしまいました。余計なことをしてごめんなさい」
そう言ってリーメアは頭を下げる。
恥ずかしさが限界突破しそうだ。病んで、泣いて、喚いて、挙句の果てにそれを聞かれてしまったという事実に顔が熱くなる。
「は、はははっ、なるほどな。それで心配して、わざわざ声かけてくれたってことか。なんかごめんな」
「いえいえいえ、そのっ、余計なお世話だったかもしれなくて、ですから、あのっ」
「いや、そんなことはないよ。誰かが心配してくれてるっていうのが、なんか今は嬉しいんだ」
俺は机に置いてあるホットミルクを一口飲んで続ける、
「もし良ければ、なんだけど……俺の話を聞いてくれるかな」
「はっはい、ぜひ聞かせてください」
「ありがとう―――」
こうして俺は、ほぼ初対面の女の子に自分の思い、考え、そしてトラウマのこと全てを吐き出した。普段ならきっと、ここまで弱音を吐いたりはしないのだが、不思議なことに自分をさらけ出すことにそこまでの抵抗は無かった。言語化することで、頭を整理したかったというのもあると思う。
「―――てな感じで、現在に至るってところだ」
リーメアはとても真剣の俺の話を聞いてくれた。時に頷き、時に言葉を挟みながら聞いてくれたので、話しやすかった。
「ありがとう。人に話せて結構すっきりした」
「すみません、聞いているだけでアドバイスらしいものも出来ずに……」
そう言って謝るが、だいぶ頭の霧が晴れたような気がする。肩の荷がおりたような、そんな感覚だ。
「いや、もう全然平気!めちゃくちゃありがたかった!こっちこそ、急に暗い話聞かせちゃってごめん」
一通り話し終えて、最初の時のような静寂が訪れる。何か話題を、と思うがディープな話の後に何を言えばいいのか分からない。
「あー、あっそういえば。君もたしか固有魔法だっけ、持ってるんだよね」
「念話……のことですね」
「そう、それそれ。今は使えないって聞いたんだけど、何か代償があるとかそんな感じ?」
不死・念話・天気予報、まぁ最後のは置いておいてノーリスクとは思えない。今は使えないというくらいだから、インターバルなんかがありそうだと前々から予想していた。
「いえ、代償はありません。普通の魔法と同様に魔力があれば使えます」
「まじ、か。やばいくらい強いな。ん?じゃあなんで使えないんだ?」
「それは、、、」
リーメアの顔が曇る。
「……そういう術式のせいです。この術式のおかげで私は血を必要とせずに済むんですけど、その代償に固有魔法を封じてるんです」
「なる…ほど」
「あっ、もちろん血を吸えばまた使えるようにはなるんですけど……」
「血を吸ったらマズイ、とかか?」
「そうなんです。私は大丈夫なんですけど、吸われた人間の方に影響が出てしまうので、どうしても吸えないんです」
影響が出る。やんわりそう言っているが、頑なに吸わないようにするくらいだ。よほど重症になるのだろうか。
「あれはどうだ、あの輸血パックみたいなやつ。直接吸わなければ大丈夫なんじゃないか?」
「私も父も初めそう思いました。でも、間接的だと私の方がダメみたいで……。」
「これまた難儀な問題だな。」
血を吸わなければ生きていけない種族でありながら、それができないなんてどれほど苦しいのだろうか。
「でも、血を吸わなくなってから、もうかなり時間が経つので、段々吸血衝動が無くなってきてるんです。なので外に出れない以外に不自由はありません」
「あぁ、だから部屋にずっと引きこもっているのか」
「あっ、いえ、これはその、ただ人見知りなだけなんです。ごめんなさい……」
「あーいやいや、こっちこそごめん。あれ、でも人見知りって言うわりには俺を部屋に連れてきたりしてるよな?」
「そ、れは、あの……私は吸血鬼と人間のハーフなので、初めて会う前から勝手に親近感持っちゃってて……」
なるほど。確かにこの世界に来てから吸血鬼と人間のハーフという存在は見たことがない。それによって奇っ怪な目で見られるなんてこともありそうだ。
かくゆう俺も、まだ1割ほどだが吸血鬼と人間の融合体みたいなものだ。
「なら、もし良ければさ、友達にならないか?」
「え?」
「ほら、俺この世界に来てまだ1人も友達できてなくて。恥ずかしい話だけど」
部屋に1人でいるこの子に俺は助けられた。なら、俺は今度こそ恩返しがしたい。こんな事がお礼になるとは思わないが、それでも俺は出来ることをしたい。
「俺も正直不安なんだ。前まで人間だったのに急に一部が吸血鬼になったりして。君が俺に親近感を持った様に、俺も逆に君のことを近しく思ってる。似た存在同士仲良くできればなって思ったんだけど……どうかな?」
「はい……はい!こちらこそ、よろしくお願いします!」
リーメアはとても嬉しそうな顔で返事をしてくれた。ここまで喜ばれると俺の方が嬉しくなってくる。
「俺のことは石動って呼び捨てでいいし、タメ口で全然いいから、てかそうしてくれると嬉しい」
「わ、分かりました。……あっ違う!分かった、よ?」
敬語が抜けるのには少し時間がかかりそうだが、そんな様子も可愛い。
「私のことはメアって呼んでくださ……あっ、呼んで。お父さんとお母さんもそう呼んでくれてる、から」
「おっけー、よろしくね、メア」
「はい……あっうん!よろし、く!」
部屋の中に月の光が差し込み、ランプの灯りだけが灯っていた部屋が柔らかく照らされる。
こうして、俺に異世界初の友達が出来た。
――――――――――――――――――――
「今日も来たようだな……ん?昨日までと顔つきが変わったな。何かあったのか?」
「あぁ、ちょっと友達に遅くまでお悩み相談してもらってただけだ。俺自身の性能はなんも変わってねぇけどな」
「……?まぁやる気ならいい。じゃあ始めろ」
昨日今日で何かが変わる訳じゃない。俺自身が強くなった訳でも、トラウマを完全に克服した訳でもない。
今だって正面に立つのが怖いし、痛い思いだってしたくない。今すぐ踵を返して、逃げて、隠れて、忘れてしまいたい。
胸の奥がきゅっとなって、今にも張り裂けそうだ。
でも、今向かい合う相手に対して俺の足は震えてない。これが答えだ。
敗北も無力感も十分味わった。
弱さも醜い部分も全部俺の一部だ。人間らしい部分も吸血鬼としての事も、全部が俺をつくりあげているんだ。不要なものなんか無い。
それを証明する為に俺は―――
「思いっきり当たって砕けてやるよ。そうしてようやく俺は始まれる。」
深く呼吸をし、俺は走り出した。
過去の自分を受け入れるために
現在の自分へ別れを告げるために
未来の自分に生まれ変わるために
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界のんびり放浪記
立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。
冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。
よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。
小説家になろうにも投稿しています。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム)
目を覚ますとそこは石畳の町だった
異世界の中世ヨーロッパの街並み
僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた
案の定この世界はステータスのある世界
村スキルというもの以外は平凡なステータス
終わったと思ったら村スキルがスタートする
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
無限在庫チートで異世界を買い占める〜窓際おじさんが廃棄予定のカップ麺で廃村エルフと腹ペコ魔王を救済したら最強商会ができました〜
黒崎隼人
ファンタジー
物流倉庫で不良在庫の管理に追われるだけの42歳、窓際サラリーマンのタケシ。
ある日突然、彼は見知らぬ森の中へと転移してしまう。
彼に与えられたのは、地球で廃棄される運命にあったあらゆる物資を無尽蔵に引き出せる規格外のスキル「無限在庫処分」だった。
賞味期限間近のカップ麺、パッケージ変更で捨てられるレトルトカレー、そして型落ちの電動工具。
地球ではゴミとされるこれらの品々が、異世界では最強のチートアイテムと化す!
森で倒れていたエルフの少女リリアをカップ麺で救ったタケシは、領主の搾取によって滅亡寸前だった彼女の村を拠点とし、現代の物資と物流ノウハウを駆使して商会を立ち上げる。
美味しいご飯と圧倒的な利便性で異世界の人々の胃袋と生活を掴み、村は急速に発展。
さらには、深刻な食糧難で破綻寸前だった美少女魔王ルビア率いる魔王軍と「業務提携」を結び、最強の武力を物流の護衛として手に入れる!
剣も魔法も使わない。武器は段ボールと現代の知識だけ。
窓際おじさんが圧倒的な物量で悪徳領主の経済基盤をすり潰し、異世界の常識を塗り替えていく、痛快・異世界経営スローライフ、開幕!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる