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第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!
魔王と封印
しおりを挟むメアリーは話を続けた。
「ゴキングは知的水準が高いと言っても所詮ゴキブリだから、たかが知れているわね。
せめてゴブリンくらい無いと話にならないかも」
「ゲートを使えば異世界へ戻れると言うのはホント?」
「いや、それは違うわ。『行きたい場所へ行ける』と言うのが正しいのだと思う。
私も使ったことがある。
行きたい場所をイメージすると、そこへ行けるの。
だから、私はあなたたちの言う『異世界』へ行く事は出来ないの。
それから、ゴキング程度のゲートだと一度使ったら消滅するから気をつけてね。
使う時は膨大なエネルギーを消費するから、さっきの赤い魔王石を使うといいわ」
「あなたがゲートになったら?」
「私? 私レベルは半永久的に使えるわよ。殺してみる?」
と両手を上げた。
「止めておくわ。あなたを殺すと寝覚めが悪そうだから」
と茜が答える。
「良かったわ。まだ、1000年しか生きていないから」
えーーーー
ええええええ
エッ!!!
「そんなオバさんなの?」
「失礼ね~ まだピチピチじゃない!!」
「魔族は長命なのですよ」
アルファが答えた。
「メアリーさん、私たちは『魔王は封印』するものと思っていたのですけど」
詩織が問いかけた。
「だって、普通の人間が魔王を倒すことなんて不可能だから。
魔王は魔王にしか倒せないものよ。普通は」
と言いながら茜を見るメアリーだった。
「それは名無しの女神が召喚者たちの安全を考えて言ったんだと思うわ。
『倒す』とかいうと異世界から来た召喚者たちは真剣に魔王に挑んで返り討ちに合うだけだから。
『勇者だけが持つ封印』と言うところがミソね。
『封印』を強調することで無理に戦わせようとしないようにしているようね・・・・・」
やるわね。
とメアリークィーンは口の中でつぶやいた。
「魔王が封印されると何かしらのアイテムになるから、封印した方がハルフェルナの人々にとってはお得かもね」
「メアリー、ありがとう。あなた、良い魔王ね」
「そうよ、私は悪い魔王じゃないわよ」
と肩をすくめながら言った。
「白田 碧って知っている? かっこいい少年なんだけど」
「知らないわ~」
「私のお兄ちゃんなんだけど。1ヵ月ほど前にクラス35人と一緒にハルフェルナの召喚されたのだけど」
「さ、さ、35人も!
聞いた事がないわね。35人もの召喚なんて!
今のハルフェルナで35人も召喚できる国があるとは思えないわ」
「あなたなら何か知っているかと思ってのだけれど・・・・・」
「ごめんなさい。力に慣れなくて。
でも、あなたのお兄さんには興味があるわね。
あなたのお兄さんなら、とても上質な精を持っていそうね。お手合わせしたいわ!!」
と言った瞬間、それまで穏やかだった茜の表情が一変した。
メアリーの巨大すぎる双丘を両手で鷲掴みにし
「あぁ!! 私のお兄ちゃんに手を出したら、この無駄チチを引き千切るからな!!! 分かってるんだろうな!!」
「いた、いた、痛い。 胸が潰れる。止めて」
「茜ちゃん!、ダメよ」
「お、お、おい、茜、止めろ!」
と詩織と加奈が止めに入った。
「メアリー! 次にふざけた事を言うとマジで引き千切るからな!!」
「はい、はい、お兄様を誘惑するような事はいたしませんから、お許しください」
メアリーは涙目に成りながら訴えるのであった。
茜が手を離すと
「メアリーさん、ごめんなさいね。茜ちゃん、お兄さんの事になると見境がなくなるから」
と茜を後から引っ張りメアリーから遠ざけた。
「すまんな。メアリー。茜は極度のブラコンで・・・・迷惑かける」
と茜とメアリーの間に入り話しかけた。
「あぁ~恐ろしかった。1000年生きてきて今が一番恐怖したわよ。あなたたちも存外苦労しているんじゃない」
と鷲掴みにされた胸を撫でながら言った。
「分かってくれるか?」
「分かるわよ」
「ありがとう、メアリー。ヤッパリあなたは良い魔王ね」
と加奈はメアリーに親近感を覚えた。
「で、メアリー、あんたは何をしていたの?」
まだ怒りが収まりきらない茜が刺々しく聞いた。
メアリーは鷲掴みにされた胸を押さえながら
「ローズウイップが古くなったから新調しようと思ったの」
「それで薔薇の魔王を襲っていたのか」
「そうよ。なかなか良い木だったから良さそうなムチができそうよ。
これ以上、こんなに日当たりの良いところにいると、お肌が焼けちゃうわ。
私はこれでお暇するわ。またどこか出会いましょう」
「待て、魔王! お前をこのまま逃がすわけには行かない」
アルファが尚もメアリーに剣を向ける。
「あら止めてよ、私はあなたの祖先に当たるのよ!」
一同、驚いた顔をしてメアリーを見つめた。
「ふ、ふ、ふざけるな!」
「私たちサキュバスは男の精を溜めて産まれてくるのよ。
色欲の魔王と呼ばれる私は上質な人間の精だけで産まれたから。
しかも何百、何千と。
まぁ、そこにいるお付の騎士さんの先祖でもあるわね。ふふふふ。
おばぁちゃんに刃物を向けるような子に育てた覚えは無いわよ。うふふふふ。
じゃ~ね、可愛い子孫たち」
と言って空を飛んで行ってしまった。
「人を食ったような魔王ね~」
と茜はつぶやいた。
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