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「いたぞ!」「こっちだ!」
複数人の足音と話し声が近づき、いくつものライトが鋭い岩肌を照らし出す。
「気絶してるな」
「犯人か」
奏くんの肩越しにきびきびと動き回る制服姿の人影が見え隠れする。
「奏! のいちゃん‼」
聞き覚えのある声がして、武邑さんがいち早く駆け寄ってきてくれた。
警察庁勤務の武邑さんの顔を見たら、急速に安心感に襲われて全身の力が抜けた。
「…のい?」
奏くんの腕の中で意識が遠のいていく。
「奏、大丈夫か? 無茶し過ぎだよ、病院抜け出して」
「うるせえ。遅すぎるだろ。早くこいつ助けろよ」
…奏くん。
助けに来てくれてありがとう。
見つけてくれてありがとう。
「奏が行っちゃうとは思わなかったけど、リモートアプリが役に立って良かった」
武邑さんのほっとしたような声と、
「担架こっちお願いします! 2人救急搬送します!」
慌ただしく動く周囲の気配を感じたけど、身体が重くて目が開かない。
「のい。俺も、…」
奏くんの優しいぬくもりを感じて、意識が途絶えた。
目を開けると、
宇宙に浮かぶ地球のような青と淡褐色の不思議な瞳が、私を映して揺れていた。
「…のい?」
奏くんの甘く震える声が私を呼んで、その長い指がそっと頬に触れる。
「…か、なで、くん」
なんか絡まってざらついた声しか出なかったけど、奏くんは心底安心したように息を吐き、
「だから、大丈夫だと言っただろう。お前は今すぐ病室に戻って診察を受けろ」
白衣姿の結城医師に押しやられていた。
あ。先生。ってことは、病院…
「痛えな。だってこいつ、全然起きないから」
どこか拗ねたような口調の奏くんに、
「鎮痛剤を打ったからな。肋骨骨折、肺挫傷、頭部外傷。安静にして様子を見る必要はあるが、検査の結果は問題なさそうだ。眠っていたのは、極度の緊張状態にさらされて身体が消耗したからだろう」
結城医師はいたって冷静に説明し、
「それより、お前は絶対安静状態なのに病院を抜け出して暴れるから、恐らく傷口が開いている。さっさと診察を受けろ。再手術が必要かもしれない」
じろりとにらみを利かせた。
美形かな。…にらんでもなお美形かな。
「…分かったよ」
奏くんが看護師さんに促されて病室を出る間際、振り返り、
「のい。後でな」
私に視線を合わせて、心臓をわしづかみにするような甘い笑顔を投げた。
わああ…
身体中の熱が一気に顔に集まって頭が沸騰する。
イケメンの破壊力、半端ない―――っ
「いや。3日くらい切れない麻酔でも打ってもらえ」
美形の結城医師が低い声でつぶやいた。
ちょっと、先生っ! 私の奏くんになんてことを―――っ
私の抗議の視線に気づいた結城医師は、
「全く。せっかく退院させてやったのに」
ちょっと呆れたような目を向けてから、
「…忘れたいんじゃなくて良かったな」
目尻を優しく緩ませて頭を撫でてくれた。
「えへへ。先生、ただいまっ‼」
嬉しくなって調子に乗ると、結城医師は無言で頭をはたき、
「あ。頭部外傷だった…」
わざとらしくつぶやいて、口の端を上げた。
ちょっとちょっと――――っ
複数人の足音と話し声が近づき、いくつものライトが鋭い岩肌を照らし出す。
「気絶してるな」
「犯人か」
奏くんの肩越しにきびきびと動き回る制服姿の人影が見え隠れする。
「奏! のいちゃん‼」
聞き覚えのある声がして、武邑さんがいち早く駆け寄ってきてくれた。
警察庁勤務の武邑さんの顔を見たら、急速に安心感に襲われて全身の力が抜けた。
「…のい?」
奏くんの腕の中で意識が遠のいていく。
「奏、大丈夫か? 無茶し過ぎだよ、病院抜け出して」
「うるせえ。遅すぎるだろ。早くこいつ助けろよ」
…奏くん。
助けに来てくれてありがとう。
見つけてくれてありがとう。
「奏が行っちゃうとは思わなかったけど、リモートアプリが役に立って良かった」
武邑さんのほっとしたような声と、
「担架こっちお願いします! 2人救急搬送します!」
慌ただしく動く周囲の気配を感じたけど、身体が重くて目が開かない。
「のい。俺も、…」
奏くんの優しいぬくもりを感じて、意識が途絶えた。
目を開けると、
宇宙に浮かぶ地球のような青と淡褐色の不思議な瞳が、私を映して揺れていた。
「…のい?」
奏くんの甘く震える声が私を呼んで、その長い指がそっと頬に触れる。
「…か、なで、くん」
なんか絡まってざらついた声しか出なかったけど、奏くんは心底安心したように息を吐き、
「だから、大丈夫だと言っただろう。お前は今すぐ病室に戻って診察を受けろ」
白衣姿の結城医師に押しやられていた。
あ。先生。ってことは、病院…
「痛えな。だってこいつ、全然起きないから」
どこか拗ねたような口調の奏くんに、
「鎮痛剤を打ったからな。肋骨骨折、肺挫傷、頭部外傷。安静にして様子を見る必要はあるが、検査の結果は問題なさそうだ。眠っていたのは、極度の緊張状態にさらされて身体が消耗したからだろう」
結城医師はいたって冷静に説明し、
「それより、お前は絶対安静状態なのに病院を抜け出して暴れるから、恐らく傷口が開いている。さっさと診察を受けろ。再手術が必要かもしれない」
じろりとにらみを利かせた。
美形かな。…にらんでもなお美形かな。
「…分かったよ」
奏くんが看護師さんに促されて病室を出る間際、振り返り、
「のい。後でな」
私に視線を合わせて、心臓をわしづかみにするような甘い笑顔を投げた。
わああ…
身体中の熱が一気に顔に集まって頭が沸騰する。
イケメンの破壊力、半端ない―――っ
「いや。3日くらい切れない麻酔でも打ってもらえ」
美形の結城医師が低い声でつぶやいた。
ちょっと、先生っ! 私の奏くんになんてことを―――っ
私の抗議の視線に気づいた結城医師は、
「全く。せっかく退院させてやったのに」
ちょっと呆れたような目を向けてから、
「…忘れたいんじゃなくて良かったな」
目尻を優しく緩ませて頭を撫でてくれた。
「えへへ。先生、ただいまっ‼」
嬉しくなって調子に乗ると、結城医師は無言で頭をはたき、
「あ。頭部外傷だった…」
わざとらしくつぶやいて、口の端を上げた。
ちょっとちょっと――――っ
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