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「紘弥くんの全面協力を得て、グループ特別顧問の藤倉隆之介を首謀者と特定し、現在任意同行で取り調べを行っています」
特別顧問、…て、あの気難しそうなおじさん、だよね。
なんか沙織さんが賄賂に関わってるとか言って、
それで結子さんにミッションを依頼していて、…
「藤倉隆之介には議員に選挙資金を渡していたという背任容疑もあり、グループから解雇されました。この件に関しては、…」
氷室さんが私を見て目元を緩ませた。
へぇ。この人笑うと結構愛嬌あるんだな。
「紘弥くんが、さすが俺のあおい、と」
え、え?
急に柚くんが出てきてぼんやりしていた感情が跳ね上がる。
「橘さんのスマートフォンに送られてきたご同僚からの音声データを紘弥くんが受け取られまして、私に託してくれたのです。参考証拠として聞き取りをしていますが、監査方面からも追及は免れないでしょう」
…結子さん、やってくれたんだ。
ハニートラップ。
あのおじさんに接触して、聞きだしてくれたんだ。
沙織さんがそれを元に監査方面から追及するってことか。
っていうか、あれから一体、…
「あの、…私、どのくらい、…」
あ。声が出る。
もぞもぞ動いて上半身を起き上がらせることも出来た。
「ああ、そうですね。橘さんは10日程意識を失っておられました」
10日。
『ボクの手伝いしてくれたら、解毒剤渡してアゲルからぁ―――』
タガが外れたカズマさんの笑い声。あれから、10日。
私がのん気に10日も寝こけている間に。
柚くんのお父さんの会社を煩わせていた人たちがいなくなったってこと、だよね?
うん。良かった良かった。
そう思ったら、なんだか元気が出てきたような気がする。
「橘さん、ご気分はいかがですか。紘弥くんがすぐに解毒剤を飲ませたので恐らく問題はないだろうというのが医師の見解でしたが、…」
「あ、はい。…元気です」
「…良かった。あなたに万一のことがあったら紘弥くんに顔向けできない」
私が答えると、氷室さんが安心したような笑顔を見せた。
ちょっとぼんやりしている気もするけど、言われてみれば寝過ぎた時と同じような状態かもしれない。
「あの、…柚くん、は?」
心と身体が覚えている。
柚くん、私に何か飲ませて、抱きしめてくれた。
すごく優しくすごく近くで。
すごく大事そうに私のこと。
「紘弥くんは、…」
氷室さんがその切れ長の瞳に陰りを落として、一瞬うつむいた。
不吉な予感に心がざわめく。
「ハワイに渡って解毒剤を入手し、橘さんに飲ませた後、再び渡航し、アンドラーシに同行しています」
アンドラーシに同行…?
胸の奥がきりきり締め付けられて苦しい。
「元々、私と紘弥くんがハワイに行こうとしたのは、アンドラーシの属する組織のアジトを特定するのが目的でした。紘弥くんの協力でアジトを特定できたので、態勢を整えて突入したのですが、直前で逃げられてしまい、…」
氷室さんが苦しげに顔を歪めた。
「紘弥くんとの連絡も途絶えてしまいました」
ずん、重くて大きな硬い岩が胸に落ちてきて苦しい。
息が出来なくて苦しい。
柚くん。
連絡途絶えたってどういうこと?
特別顧問、…て、あの気難しそうなおじさん、だよね。
なんか沙織さんが賄賂に関わってるとか言って、
それで結子さんにミッションを依頼していて、…
「藤倉隆之介には議員に選挙資金を渡していたという背任容疑もあり、グループから解雇されました。この件に関しては、…」
氷室さんが私を見て目元を緩ませた。
へぇ。この人笑うと結構愛嬌あるんだな。
「紘弥くんが、さすが俺のあおい、と」
え、え?
急に柚くんが出てきてぼんやりしていた感情が跳ね上がる。
「橘さんのスマートフォンに送られてきたご同僚からの音声データを紘弥くんが受け取られまして、私に託してくれたのです。参考証拠として聞き取りをしていますが、監査方面からも追及は免れないでしょう」
…結子さん、やってくれたんだ。
ハニートラップ。
あのおじさんに接触して、聞きだしてくれたんだ。
沙織さんがそれを元に監査方面から追及するってことか。
っていうか、あれから一体、…
「あの、…私、どのくらい、…」
あ。声が出る。
もぞもぞ動いて上半身を起き上がらせることも出来た。
「ああ、そうですね。橘さんは10日程意識を失っておられました」
10日。
『ボクの手伝いしてくれたら、解毒剤渡してアゲルからぁ―――』
タガが外れたカズマさんの笑い声。あれから、10日。
私がのん気に10日も寝こけている間に。
柚くんのお父さんの会社を煩わせていた人たちがいなくなったってこと、だよね?
うん。良かった良かった。
そう思ったら、なんだか元気が出てきたような気がする。
「橘さん、ご気分はいかがですか。紘弥くんがすぐに解毒剤を飲ませたので恐らく問題はないだろうというのが医師の見解でしたが、…」
「あ、はい。…元気です」
「…良かった。あなたに万一のことがあったら紘弥くんに顔向けできない」
私が答えると、氷室さんが安心したような笑顔を見せた。
ちょっとぼんやりしている気もするけど、言われてみれば寝過ぎた時と同じような状態かもしれない。
「あの、…柚くん、は?」
心と身体が覚えている。
柚くん、私に何か飲ませて、抱きしめてくれた。
すごく優しくすごく近くで。
すごく大事そうに私のこと。
「紘弥くんは、…」
氷室さんがその切れ長の瞳に陰りを落として、一瞬うつむいた。
不吉な予感に心がざわめく。
「ハワイに渡って解毒剤を入手し、橘さんに飲ませた後、再び渡航し、アンドラーシに同行しています」
アンドラーシに同行…?
胸の奥がきりきり締め付けられて苦しい。
「元々、私と紘弥くんがハワイに行こうとしたのは、アンドラーシの属する組織のアジトを特定するのが目的でした。紘弥くんの協力でアジトを特定できたので、態勢を整えて突入したのですが、直前で逃げられてしまい、…」
氷室さんが苦しげに顔を歪めた。
「紘弥くんとの連絡も途絶えてしまいました」
ずん、重くて大きな硬い岩が胸に落ちてきて苦しい。
息が出来なくて苦しい。
柚くん。
連絡途絶えたってどういうこと?
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