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【ササキ戦記】第二十二話[完]エピローグ〘ササキ戦記〙

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第二十二話[完]エピローグ〘ササキ戦記〙

ササキ司令の懐から取り出した遺書らしき文書には一言だけ書かれていた……
『生きよ』
アラズ参謀「ササキ司令?それだけでありますか……!!あなたは何故此処で終わってしまわれるのですか??何とか言ってください!!」
既に屍の英霊化したササキに向かってアラズは慟哭して叫ぶ事しかできなかった……

その後、アラズ参謀を含めたササキ艦隊関係者は本土近くの孤島に隔離抑留され、その間に第二次世界大戦は連合国軍の勝利に終わった……
つまり、大日本帝國は敗戦した……

戦後暫くして、我々ササキ艦隊が撃沈した《正確にはミヤモトの【武蔵】が撃沈したのだが……》【インディアナポリス】に新型爆弾《原子爆弾》の第一号が搭載されていたことが明らかにされた……この事実を知るのは、戦後日本から身を引く形でかつての敵であった米海軍に国籍ごと引き抜かれた私【Arazoo】がササキ艦隊関係者としての記録を残しササキ艦隊の汚名を消す使命を己に課したからである……
私が裏切り者にされようと構わない。
ササキ司令を利用するだけ利用した挙句の果てにあっさり処分品扱いした馬鹿野郎共を米軍公式文書に未来永劫残してやろうという大義名分でやったのだ……
公式文書の題は【ササキ戦記】だ……

【ササキ戦記】《[完]》
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