157 / 162
魔族決戦編 第二章 魔王
第156話 魔族城戦4
しおりを挟む
魔族の魔法を剣で斬ってから付与していた魔法の気配が消えてしまった。
そのことで俺の動きが一瞬止まるのを見過ごすような相手ではない。この隙にと複数の魔法を連続で放ってくる。
その攻撃を全て気を探り的確に魔法全て斬り落としていく。
「!!」
「何故かと聞きたそうな顔をしているな」
俺の言葉に対して何も返答してこない。
それほどまでに驚いてしまっている。
「私はあなたの魔法を封じたはずです、まだその剣で魔法を斬れるのですかな?」
冷静さを取り戻して俺へと聞いてくる。
「やはり知っていたようだな俺の魔法を」
ここまで戦ってきた序列持ちの魔族達は全員俺の魔法のことを知っていた。ならこの魔族も知っているのではと思い最初は魔法反射を使い魔法を無力化してきた。そしてまんまと俺の狙いに引っかかってくれた。
「そんなことどうでもいいでしょ。 それよりも私の質問に答えなさい!」
先ほどまではニヤリとした余裕の表情を浮かべていたのに、今は歯を食いしばり悔しそうな顔をしている。
「別に、魔法を使わずに戦っているだけだが何か?」
俺はさも当然のように答えてみる。
「何を意味の分からないことを、そっちのその気なら別にいいでしょう」
「何かするのか?」
「さてね。ですが、そんな悠長にしていていいのですか? 後ろのお仲間は苦戦してますよ」
俺の意識をそらそうとシェリー達の話を持ち出してくる。
俺は、辺りの気配を探りシェリー達の様子を確認する。魔族の言うことも這ったりなどではないようだがこれなら心配はない。
「まさか、こちらの心配をしてくれるとはお優しいことで」
俺はあっさりと返答する。
「ッチ!」
魔族から舌打ちが聞こえた。
それほど、この相手を追い詰めているのだろう。だが、そう思ったの束の間であった。
「ですが、なんとか時間は稼げました」
魔族の方より強大な魔力が発している。
「デス、フレイ」
青白い炎が俺に向かって放たれた。その魔法を切り裂こうと剣を振る。だが、魔法は消滅せずにこちらへと向かってくる。
俺は一度距離を取るために後ろへと下がる。
「さすがにその魔法は斬れませんよ」
確かに手ごたえを感じなかったがそれよりも変な感覚が残っていた。
俺がそんなことを考えている間も魔法は俺の方へと向かってきている。
今度は自分から魔法へと飛び込んでいき剣で斬りつけてみる。すると炎は俺の剣が当たると寸前に攻撃をかわして進行を止めようとしなかった。
これで先ほど変な感覚の正体も分かった。
「また変な魔法を使ってくるな」
「私最大の魔法ですよ。存分に味わってください」
魔法だけならどうにでもなる。ただ、
「それと私のことも忘れないでくださいよ」
魔族本人までも攻めてくる。
「面倒くせえな」
俺は剣を異空間収納へとしまい、別の武器を取り出した。
「少し変わった剣ですね」
俺の取り出した武器を見て興味を持ってくる。
今俺が取り出したのは刀である。この世界には存在せず、俺がまだ学院にいるときに武器屋に頼み作ってもらっていた物になる。
「まさかこの武器を使うことになるとは想定外だよ。準備はしておくべきだな」
刀を腰に差し、手をかける。
「武器を変えたからどうなるというのですか? そんなことでこの状況は何も変わりませんよ」
「それはやってみないとえ分からねえよ」
俺は炎魔法と魔族が間合いまで接近してくるまでに一歩たりとその場から動かずに刀に手を添えた状態で待機した。
その姿を俺にできた隙だと思い攻めてきた。
「終わりだ」
俺は一瞬にして炎魔法と魔族を斬り伏せた。
「何を?」
炎は消滅し、斬られた魔族は後方へと飛んでいき倒れている。
「簡単さ、高速で刀を抜いただけだ」
いわゆる抜刀と呼ばれる技である。ただ、ケンイチそれに気を合わせること見えない速さで攻撃を繰り出した。
「まさか、そんなことで私が倒されるとは思いません……でしたよ」
口から血を吐きながら話している。
「ですが……あなた……程度の実力ではあの……お方には絶対に勝てや……しないのですよ……精々あがくのです……ね」
その言葉を最後に魔族の意識をはなくなってしまった。
そして、シェリー達の方も魔族達を片付けて、魔族城の中心にいる魔王の元へと向かうのであった。
そのことで俺の動きが一瞬止まるのを見過ごすような相手ではない。この隙にと複数の魔法を連続で放ってくる。
その攻撃を全て気を探り的確に魔法全て斬り落としていく。
「!!」
「何故かと聞きたそうな顔をしているな」
俺の言葉に対して何も返答してこない。
それほどまでに驚いてしまっている。
「私はあなたの魔法を封じたはずです、まだその剣で魔法を斬れるのですかな?」
冷静さを取り戻して俺へと聞いてくる。
「やはり知っていたようだな俺の魔法を」
ここまで戦ってきた序列持ちの魔族達は全員俺の魔法のことを知っていた。ならこの魔族も知っているのではと思い最初は魔法反射を使い魔法を無力化してきた。そしてまんまと俺の狙いに引っかかってくれた。
「そんなことどうでもいいでしょ。 それよりも私の質問に答えなさい!」
先ほどまではニヤリとした余裕の表情を浮かべていたのに、今は歯を食いしばり悔しそうな顔をしている。
「別に、魔法を使わずに戦っているだけだが何か?」
俺はさも当然のように答えてみる。
「何を意味の分からないことを、そっちのその気なら別にいいでしょう」
「何かするのか?」
「さてね。ですが、そんな悠長にしていていいのですか? 後ろのお仲間は苦戦してますよ」
俺の意識をそらそうとシェリー達の話を持ち出してくる。
俺は、辺りの気配を探りシェリー達の様子を確認する。魔族の言うことも這ったりなどではないようだがこれなら心配はない。
「まさか、こちらの心配をしてくれるとはお優しいことで」
俺はあっさりと返答する。
「ッチ!」
魔族から舌打ちが聞こえた。
それほど、この相手を追い詰めているのだろう。だが、そう思ったの束の間であった。
「ですが、なんとか時間は稼げました」
魔族の方より強大な魔力が発している。
「デス、フレイ」
青白い炎が俺に向かって放たれた。その魔法を切り裂こうと剣を振る。だが、魔法は消滅せずにこちらへと向かってくる。
俺は一度距離を取るために後ろへと下がる。
「さすがにその魔法は斬れませんよ」
確かに手ごたえを感じなかったがそれよりも変な感覚が残っていた。
俺がそんなことを考えている間も魔法は俺の方へと向かってきている。
今度は自分から魔法へと飛び込んでいき剣で斬りつけてみる。すると炎は俺の剣が当たると寸前に攻撃をかわして進行を止めようとしなかった。
これで先ほど変な感覚の正体も分かった。
「また変な魔法を使ってくるな」
「私最大の魔法ですよ。存分に味わってください」
魔法だけならどうにでもなる。ただ、
「それと私のことも忘れないでくださいよ」
魔族本人までも攻めてくる。
「面倒くせえな」
俺は剣を異空間収納へとしまい、別の武器を取り出した。
「少し変わった剣ですね」
俺の取り出した武器を見て興味を持ってくる。
今俺が取り出したのは刀である。この世界には存在せず、俺がまだ学院にいるときに武器屋に頼み作ってもらっていた物になる。
「まさかこの武器を使うことになるとは想定外だよ。準備はしておくべきだな」
刀を腰に差し、手をかける。
「武器を変えたからどうなるというのですか? そんなことでこの状況は何も変わりませんよ」
「それはやってみないとえ分からねえよ」
俺は炎魔法と魔族が間合いまで接近してくるまでに一歩たりとその場から動かずに刀に手を添えた状態で待機した。
その姿を俺にできた隙だと思い攻めてきた。
「終わりだ」
俺は一瞬にして炎魔法と魔族を斬り伏せた。
「何を?」
炎は消滅し、斬られた魔族は後方へと飛んでいき倒れている。
「簡単さ、高速で刀を抜いただけだ」
いわゆる抜刀と呼ばれる技である。ただ、ケンイチそれに気を合わせること見えない速さで攻撃を繰り出した。
「まさか、そんなことで私が倒されるとは思いません……でしたよ」
口から血を吐きながら話している。
「ですが……あなた……程度の実力ではあの……お方には絶対に勝てや……しないのですよ……精々あがくのです……ね」
その言葉を最後に魔族の意識をはなくなってしまった。
そして、シェリー達の方も魔族達を片付けて、魔族城の中心にいる魔王の元へと向かうのであった。
1
あなたにおすすめの小説
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる