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第二部 ―青空かすむ怠惰の魔女―
ep.5 リセマラランキングSSSの男、光臨!
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なんて僕が首を傾げている間に、礼治が遅れてやってきた。
先のグリフォン誘導で、こんどは彼らを元の拠点に帰らせるのに少し時間がかかったのだろう。ほんの数秒遅れだけど、とにかくケガがなくて幸いである。
「アゲハ。あの荒野には、人々が暮らしてきた痕跡があるみたいだが?」
「あ、お帰り兄さん。何とも言えないけど、かつて誰かがあの土地の一角に、石碑を立てた可能性ならあるよ。その石碑の一部は、地下博物館に保管してあるけど」
「ふむ。多分それだな。実はさっき、グリフォン達を誘導がてら台地を飛び回っていたら、その石碑が壊されたらしい建造物の跡地があった」
「ホント!? どの辺にあった?」
「東北東の方向に、崖の淵で建てられていたのが一軒。枯れた植物の根に覆われていたから、近くでみないと気づかないレベルだ」
「わかった! あとで時間がある時にまた見に行こう。今は仲間の解放が先だね」
そういって、彼らの視線はサリイシュが手に持っているチャームへと向けられた。
クリスタルは、今にも自分から飛び出してきそうなばかり眩しい。そこらのランタンなんて屁でもない、寧ろちょっとヒリヒリするくらい熱い光源と化していた。
「いこう、イシュタ」
「うん」
アゲハの視線にコクリと頷き、手をかざしながらまじなうサリイシュ。
すると、チャームがどんどん光輝いてきた!
それは白色だったものから、黄緑と紫をメインとした虹色へと変化し、そして…
ドーン!
光は、チャームから勢いよく飛び出してきたと同時に、大きく弧を描いて広場の中央付近へと落下した。僕達からみて、噴水の前だ。
それはポチャンとスライムの様に着地しては、黄緑と紫に光るカーテンをクルクルと螺旋状に巻き上げ、人型サイズの規模を形成していった。
ファサ!
光のカーテンは、勢いよく端へと投げ飛ばされ、瞬時にフェードアウトした。
それはまるでマジックショーのように、カーテンがあった場所には人が立っているのだ。
そいつがカーテンを投げ、登場した若い男。まるで、この時を待っていたかのよう。
そう。先代・神の子のポジションにあたる、ジョナサン・カムリJr.その人であった。
「「おー!」」
なんて、通称「ジョン」の華麗なる登場に両手をパチパチと叩くサリイシュ。
この国に、華麗なるショーを拍手で讃える文化なんかあるのか? あ、あるか。虹色蝶が。
「たく、待ちくたびれたぜ。にしても… ほう。独特な文明だな」
僕達の基準で3年、この大陸の基準だと200年もチャームに閉じ込められていた人物とは思えないほど、ジョンはピンピンしている。
そして普通に僕達の所へ歩いてきたからに、彼は特段マジックショーのつもりでポーズをしていたわけではない様だ。
僕達はそんなジョンの解放を迎え入れ、チャームを渡したのであった。
「久しぶり、だよな? 何となくだけど、もうあの日からずいぶん経ってるだろ。クソ速ぇ太陽の動きを追いかけながら、あの妙なオオワシライオンみたいな奴らの巣立ちを代々見せつけられた。もうどれくらい経ってるんだ?」
「あー、チャームが巣の中にずっと紛れ込んでいたのか。えーと、確かこの世界の基準で200年くらいだっけ? アゲハ」
僕はアゲハへと振り向く。
アゲハは、新たな仲間の解放で依然ワクワクが止まらないサリイシュの元へ歩み寄った。
「アキラが来てからだから、もう少し経過しているね。
紹介するよ。あんたをおまじないで解放したこの2人は、先住民のサリバとイシュタ。私達が来る前まで、確認できている唯一のニンゲンなんだ」
「どうも」「はじめまして」
と、挨拶をしたサリイシュ。ドキドキしながら礼儀正しく振る舞っている事が良く分かる。
ジョンは「ほう」といい、挨拶を返した。ここまでは仲間の解放時に見られる、お馴染みの展開ってところかな。
「ん?」
だが、ここでジョンが何かを察知した。
ジョンの“予知能力”が… 右目が、一瞬青く光ったのを、僕は見逃さなかった。
「下がってろ…!」
ジョンはすぐに臨戦態勢に入った。
僕達も空気を読み、きょとんとなっているサリイシュの手を引き、その場から退避する。すると、ジョンが魔法のオーロラカーテンを再び発現し、そこから武器を取り出したのだ。
それは、彼の持ち武器であるコンパウンドボウ。
在籍校で所属していたアーチェリーの腕と、そこに魔法の力を融合した矢を携え、限界まで弦を引いたのちに発射された。
プシューン!
「ピギャアアアア!!」
矢は、ちょうど木陰から飛び出してきたグリフォンへと命中した。
グリフォンは全身をビリビリさせながら、ゆっくり地面へと落下し、気を失う。
すると、この展開に驚いた他グリフォン達が、どんどん同じ場所から飛び出してきた。
とんでもない結束力だ。彼らはあれから、コッソリなのか知らないけど、チャームを奪還していった僕達の後を付いてきていたのである!
「こりゃ、話が通じる相手じゃねーな。オラこいよ!!」
ジョンは挑発した。彼らは一斉に襲い掛かってきた。
目にも止まらぬスピードで、明らかに相手の“目”を狙いにいく。
だが、それを易々と躱すのがこの男の強みだ。
彼はその場から突然、フッと姿を消したのである。
「!?」
グリフォン達は混乱した。さっきまでそこにいたのに、急に消えたのだから。
「どこ見てんだよ!?」
ジョンの声が、今度は上空から聞こえてきた。
なんと彼はワープ、瞬間移動を使ったのだ。グリフォン達が声に気づき振り向いた時には、すぐに次の矢が発射された――!
バーン! バリバリバリー!!
「「ピギュルギュルギュルギュル…!!」」
放たれた矢は広場へと突き刺さり、そこから広範囲にわたってオーロラの爆発が起こる。
その範囲に巻き込まれたグリフォンの大多数が、一斉に全身痺れを起こした。
オーロラには電磁波が含まれており、水への付着もあって、感電が発生したのだろう。
プシュン! プシュン!
だが、まだ生き残りは諦めていない。残りは、口から高圧の水鉄砲で攻撃をしてくる。
だがそれも、ジョンは右目を青く光らせながらワープで躱していったのであった。しかもチラ見もせず、余裕面で。
ブン!
「おらよ!」
ドーン!
ワープでいつしかグリフォンの真後ろへと移動したジョンが、両手に持っているオーロラのマントを思い切り殴りつけた。
殴られたグリフォンは数メートル先の石壁へ、思い切り叩きつけられた。
相当な威力だ。ジョン自身の腕力も付随しているのだろうが、一見柔らかそうなそのマント1枚で、自分よりデカいモンスターを軽々と弾いたのである!
ストッ
ジョンはマントの浮力を使って、ゆっくり広場へと着地した。
いつの間にかコンパウンド含め、マントをフェードアウトさせ、ボコボコに打ち負かしたグリフォン達の元へと歩く。1体が辛うじて立ち上がるが…
「シャー!」
ジョンは猫のように威嚇を見せた。
するとグリフォン達が恐れおののき、自分より小さい人間相手に酷く怯えだしたのだ。
そして次々と、広場から飛び去っていった。
さっきの威嚇であんなに怖がるとは意外だが、もしかして、そういう音が苦手な子たち?
「シッ! シッ! あっちいけ! ここはお前らのテリトリーじゃねぇぞ!!」
ジョンがそういっている間にも、グリフォン達は全員、退散していったのだった。
まさに人間1人 vs グリフォン20体(?)の、目を見張るような戦闘シーンであった。
(つづく)
先のグリフォン誘導で、こんどは彼らを元の拠点に帰らせるのに少し時間がかかったのだろう。ほんの数秒遅れだけど、とにかくケガがなくて幸いである。
「アゲハ。あの荒野には、人々が暮らしてきた痕跡があるみたいだが?」
「あ、お帰り兄さん。何とも言えないけど、かつて誰かがあの土地の一角に、石碑を立てた可能性ならあるよ。その石碑の一部は、地下博物館に保管してあるけど」
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「ホント!? どの辺にあった?」
「東北東の方向に、崖の淵で建てられていたのが一軒。枯れた植物の根に覆われていたから、近くでみないと気づかないレベルだ」
「わかった! あとで時間がある時にまた見に行こう。今は仲間の解放が先だね」
そういって、彼らの視線はサリイシュが手に持っているチャームへと向けられた。
クリスタルは、今にも自分から飛び出してきそうなばかり眩しい。そこらのランタンなんて屁でもない、寧ろちょっとヒリヒリするくらい熱い光源と化していた。
「いこう、イシュタ」
「うん」
アゲハの視線にコクリと頷き、手をかざしながらまじなうサリイシュ。
すると、チャームがどんどん光輝いてきた!
それは白色だったものから、黄緑と紫をメインとした虹色へと変化し、そして…
ドーン!
光は、チャームから勢いよく飛び出してきたと同時に、大きく弧を描いて広場の中央付近へと落下した。僕達からみて、噴水の前だ。
それはポチャンとスライムの様に着地しては、黄緑と紫に光るカーテンをクルクルと螺旋状に巻き上げ、人型サイズの規模を形成していった。
ファサ!
光のカーテンは、勢いよく端へと投げ飛ばされ、瞬時にフェードアウトした。
それはまるでマジックショーのように、カーテンがあった場所には人が立っているのだ。
そいつがカーテンを投げ、登場した若い男。まるで、この時を待っていたかのよう。
そう。先代・神の子のポジションにあたる、ジョナサン・カムリJr.その人であった。
「「おー!」」
なんて、通称「ジョン」の華麗なる登場に両手をパチパチと叩くサリイシュ。
この国に、華麗なるショーを拍手で讃える文化なんかあるのか? あ、あるか。虹色蝶が。
「たく、待ちくたびれたぜ。にしても… ほう。独特な文明だな」
僕達の基準で3年、この大陸の基準だと200年もチャームに閉じ込められていた人物とは思えないほど、ジョンはピンピンしている。
そして普通に僕達の所へ歩いてきたからに、彼は特段マジックショーのつもりでポーズをしていたわけではない様だ。
僕達はそんなジョンの解放を迎え入れ、チャームを渡したのであった。
「久しぶり、だよな? 何となくだけど、もうあの日からずいぶん経ってるだろ。クソ速ぇ太陽の動きを追いかけながら、あの妙なオオワシライオンみたいな奴らの巣立ちを代々見せつけられた。もうどれくらい経ってるんだ?」
「あー、チャームが巣の中にずっと紛れ込んでいたのか。えーと、確かこの世界の基準で200年くらいだっけ? アゲハ」
僕はアゲハへと振り向く。
アゲハは、新たな仲間の解放で依然ワクワクが止まらないサリイシュの元へ歩み寄った。
「アキラが来てからだから、もう少し経過しているね。
紹介するよ。あんたをおまじないで解放したこの2人は、先住民のサリバとイシュタ。私達が来る前まで、確認できている唯一のニンゲンなんだ」
「どうも」「はじめまして」
と、挨拶をしたサリイシュ。ドキドキしながら礼儀正しく振る舞っている事が良く分かる。
ジョンは「ほう」といい、挨拶を返した。ここまでは仲間の解放時に見られる、お馴染みの展開ってところかな。
「ん?」
だが、ここでジョンが何かを察知した。
ジョンの“予知能力”が… 右目が、一瞬青く光ったのを、僕は見逃さなかった。
「下がってろ…!」
ジョンはすぐに臨戦態勢に入った。
僕達も空気を読み、きょとんとなっているサリイシュの手を引き、その場から退避する。すると、ジョンが魔法のオーロラカーテンを再び発現し、そこから武器を取り出したのだ。
それは、彼の持ち武器であるコンパウンドボウ。
在籍校で所属していたアーチェリーの腕と、そこに魔法の力を融合した矢を携え、限界まで弦を引いたのちに発射された。
プシューン!
「ピギャアアアア!!」
矢は、ちょうど木陰から飛び出してきたグリフォンへと命中した。
グリフォンは全身をビリビリさせながら、ゆっくり地面へと落下し、気を失う。
すると、この展開に驚いた他グリフォン達が、どんどん同じ場所から飛び出してきた。
とんでもない結束力だ。彼らはあれから、コッソリなのか知らないけど、チャームを奪還していった僕達の後を付いてきていたのである!
「こりゃ、話が通じる相手じゃねーな。オラこいよ!!」
ジョンは挑発した。彼らは一斉に襲い掛かってきた。
目にも止まらぬスピードで、明らかに相手の“目”を狙いにいく。
だが、それを易々と躱すのがこの男の強みだ。
彼はその場から突然、フッと姿を消したのである。
「!?」
グリフォン達は混乱した。さっきまでそこにいたのに、急に消えたのだから。
「どこ見てんだよ!?」
ジョンの声が、今度は上空から聞こえてきた。
なんと彼はワープ、瞬間移動を使ったのだ。グリフォン達が声に気づき振り向いた時には、すぐに次の矢が発射された――!
バーン! バリバリバリー!!
「「ピギュルギュルギュルギュル…!!」」
放たれた矢は広場へと突き刺さり、そこから広範囲にわたってオーロラの爆発が起こる。
その範囲に巻き込まれたグリフォンの大多数が、一斉に全身痺れを起こした。
オーロラには電磁波が含まれており、水への付着もあって、感電が発生したのだろう。
プシュン! プシュン!
だが、まだ生き残りは諦めていない。残りは、口から高圧の水鉄砲で攻撃をしてくる。
だがそれも、ジョンは右目を青く光らせながらワープで躱していったのであった。しかもチラ見もせず、余裕面で。
ブン!
「おらよ!」
ドーン!
ワープでいつしかグリフォンの真後ろへと移動したジョンが、両手に持っているオーロラのマントを思い切り殴りつけた。
殴られたグリフォンは数メートル先の石壁へ、思い切り叩きつけられた。
相当な威力だ。ジョン自身の腕力も付随しているのだろうが、一見柔らかそうなそのマント1枚で、自分よりデカいモンスターを軽々と弾いたのである!
ストッ
ジョンはマントの浮力を使って、ゆっくり広場へと着地した。
いつの間にかコンパウンド含め、マントをフェードアウトさせ、ボコボコに打ち負かしたグリフォン達の元へと歩く。1体が辛うじて立ち上がるが…
「シャー!」
ジョンは猫のように威嚇を見せた。
するとグリフォン達が恐れおののき、自分より小さい人間相手に酷く怯えだしたのだ。
そして次々と、広場から飛び去っていった。
さっきの威嚇であんなに怖がるとは意外だが、もしかして、そういう音が苦手な子たち?
「シッ! シッ! あっちいけ! ここはお前らのテリトリーじゃねぇぞ!!」
ジョンがそういっている間にも、グリフォン達は全員、退散していったのだった。
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