16 / 36
第二部 ―青空かすむ怠惰の魔女―
ep.16 あっさり辛口、コロニー訪問。
しおりを挟む
※ここまでの道筋(~ep.15)
森を抜け、草がはげた細道を、トコトコと歩くサラブレッド。
そのサラブレッドに、魔女の恰好で跨り、ともに先の集落へ向かう長髪の少女が1人。
前方には木製の塀に囲まれた集落が存在し、中の様子が少し見える。
「あれがコロニーか。マジで尖った耳の住民しかいないじゃん」
若葉だ。サラブレッドは、キャミが変身した姿。
この度、1人と1頭は特産品のトウガラシを手に入れるため、その集落である少数民族コロニーへと足を運んだのだ。
早速、集落の出入口である門前で、門番をしているオークの男女に道を阻まれた。
「待ちなさい。あなた、見かけない顔ね。どこから来たの?」
と、オークの女性がいう。若葉が馬から降りてこう説明した。
「いやぁ森の奥で魔女修行をしてたんだけどさぁ。薬の材料にトウガラシが必要になっちゃって、この集落にトウガラシを栽培しているお宅があるって聞いたから寄ったんだけど」
「トウガラシだ? お前、まさかアガーレールの回しものじゃないだろうな!?」
なんて、今度は男性のオークが若葉へと槍を向けて威嚇したのだ。
若葉は「ふぇ!?」といいながら咄嗟に両手を上げ、片手で自分の髪をかきあげ、耳を見せびらかしながらこういう。
「だ、だから森だって! アタシ一応エルフだよ!? この通り!」
すると、オークの男性は首を傾げながら、静かに槍を下ろした。
「妙だな。ちょっと調べてくれ」
「分かった。あなた、今から耳を貸しなさい。その耳が偽物でないか、確認するわよ」
ガシッ!
「にゅわぁ!?」
突然、オークの女性がこちらへ歩み寄り、若葉の両耳を掴んできた。
思い切りではないが、かなり強めに掴んでいる。若葉は頭ごとグワングワンと揺さぶられ、両耳を上下左右へと引っ張られた。
オークの女性は、やがて両耳から手を離した。
「ちゃんと本物ね。この感じだと、害はなさそう」
「おう、そうか。いいだろう。ここを通してやる!」
そういって、オークたちが漸くその道を空けた。
若葉は気を取り直し、馬を繋いだリードを持って門の奥へと進む。
「まさか耳を引っ張られるなんて聞いてないし。はぁー、買うもの買ったら早く帰ろ」
コロニーの中は、様々な「尖った耳」の種族が歩いている。
住宅エリアをはじめ、井戸、教会、商店、公園などが多数点在。正直、アガーレール国内の地上よりも文明が発展していると言っていいだろう。
「あったあった! ここがトウガラシを売っているお店か。それじゃ、ここで待っててー」
若葉が、馬のリードを近くの杭へと縛りつけ、財布を持ってトウガラシ売り場へと入る。
現在のアガーレールでは見かけないような食べ物が、沢山量り売りされていた。
「いらっしゃい! 当店自慢のトウガラシ、100g50円だよー。生姜もグラム50、ついでに美容と健康にもいいお酢もいるかい? 1本150円!」
と、店番をしているエルフの中年男性が声をかける。若葉は内心思った。
――この世界の通貨単位、『円』ってほんとシュールだなー。
と。
だが、この世界には前から住んでいるかの様に振る舞うため、敢えてその疑問を顔には出さず、ここは王宮から支給されたお金で購入を進めたのであった。
「よーし、買えた買えた! ついでに生姜とお酢と、苗も手に入ったし、これで必要なものは一通り揃ったぞい。行こうぜーキャラメル♪」
と、若葉がウキウキの笑顔で杭からリードを解き、馬とともにコロニーを去る準備をしていた。
手には店で購入した買い物袋を持っており、それらを鞍に装着した大きなレザーポケットへと入れる。
意外と、あっさりだった。
あの門前での調べがあったから、最初は警戒していたけど、一度コロニーの立ち入りを許可されれば案外悪くないと思う。そんな、尖った耳を持つ特権として若葉は心底安心したのであった。
これで、あとは森に帰ったフリをして王宮に戻れば――。
「ん? どうした?」
馬が何かを発見した様で、フスフスと息を鳴らしながら足を止めた。
彼が興奮気味に見つめる先には、一際大柄なオーク。軽く身長2mは超えているであろう風貌で、店の女主人と話している。
そのオークの首元から、キラキラしたものがぶら下がっていた。若葉は目を大きくした。
「あれって、クリスタルチャーム!?」
そう。
まさかの住民の中に、碇マークのチャームが付いたクリスタルをアクセサリーにしている人がいたのだ! しかし、相手は若葉の物理力では勝てそうにない男。
ふと、財布の中身を見ながらこう考えた。
「あの感じ、そのまま貰える気がしないなー。まだ金あるけど、あれ買うために使っちゃっていいかな? でも、背に腹は代えられないし… いっちゃお。すんませーん!」
そういって、若葉は大柄なオークの元へと駆けつけていった。
「あら? ミハイルさん、呼んでるわよ」
と、女店主が手を差し伸べる。ミハイルと名乗る大柄なオークが、眉をしかめ若葉へと振り向いた。
若葉は財布を持ち、クリスタルチャームを指さしながらこういった。
「オッスオッス、お兄さん! そのノア… じゃなくて、クリスタルチャームなんだけどめちゃくちゃキレイじゃん。それなんだけど、その、買わせてくれないかな~?」
なんて、いきなりの交渉だ。
すると、ミハイルは途端に目を大きくさせ、肩を落としながらこう反論した。
「は? いきなり何いってんだお嬢さん? ダメだ、やらないに決まっているだろ!」
「え~? お金なら全然あるからさ、値段はそっちの希望に合わせるよ。だから…」
「金額の問題じゃない! とにかくダメと言ったらダメだ、さっさと帰れ!」
「えぇぇ!?」
結果はあっさり失敗。これには近くで見ていた馬も、密かに首を横に振る始末。
それでも若葉は食い下がらなかった。なおも交渉を続けるべく、ここを去ろうとするミハイルの後を追ってこういう。
「そこを何とか頼むよ~。お金がダメなら、代わりにアタシの方で出来る事をするよ。一応魔法使えるし? なんなら知り合いの美人さん紹介するし、なんでもいいからさ~」
なんて、どこの誰を紹介する気なのか謎のメリットまで訴求しだす若葉。
すると、ミハイルの足がここで止まった。
「…今、なんでもいいと?」
おっと、その様子だと少しはチャーム譲渡の余地があるか。
若葉は息を呑んだ。するとミハイルが腕を組み、若葉を見下ろしながらこう告げたのだ。
「なら条件がある! この俺の所に、マヌカハニーを1壺もってこい!」
「え? マヌカハニー?」
まさかの条件だった。
「なんでもいい」なんて言ったから、内容によっては若葉の身に危険が及ぶ要求でもされる可能性があったわけだが。ミハイルはこう続けた。
「そうだ。ただの蜂蜜ではなく、マヌカハニーだ! そいつを持ってきたら、このクリスタルと交換してやる。その際、本物かどうか調べさせてもらうぞ」
「え、マジで!?」
「言っておくが、マヌカの木は既に絶滅したと言われている。そんな代物を持って来れるというならやってみろ! フン、どうせ無理だと思うがな」
そういって、ミハイルは今度こそズカズカと去っていった。
若葉は、一応交渉に応じてもらえる件には安堵したものの、密かに米神を掻いてこう呟く。
「絶滅したものを提示って、なんでそんなもの欲しがってんだ? 相手の考えてる事わかんねー」
だが、言われたからにはやるしかない。
それを表すかのように、若葉はコロニーを去り際、軽いため息をついたのであった。
森を抜け、草がはげた細道を、トコトコと歩くサラブレッド。
そのサラブレッドに、魔女の恰好で跨り、ともに先の集落へ向かう長髪の少女が1人。
前方には木製の塀に囲まれた集落が存在し、中の様子が少し見える。
「あれがコロニーか。マジで尖った耳の住民しかいないじゃん」
若葉だ。サラブレッドは、キャミが変身した姿。
この度、1人と1頭は特産品のトウガラシを手に入れるため、その集落である少数民族コロニーへと足を運んだのだ。
早速、集落の出入口である門前で、門番をしているオークの男女に道を阻まれた。
「待ちなさい。あなた、見かけない顔ね。どこから来たの?」
と、オークの女性がいう。若葉が馬から降りてこう説明した。
「いやぁ森の奥で魔女修行をしてたんだけどさぁ。薬の材料にトウガラシが必要になっちゃって、この集落にトウガラシを栽培しているお宅があるって聞いたから寄ったんだけど」
「トウガラシだ? お前、まさかアガーレールの回しものじゃないだろうな!?」
なんて、今度は男性のオークが若葉へと槍を向けて威嚇したのだ。
若葉は「ふぇ!?」といいながら咄嗟に両手を上げ、片手で自分の髪をかきあげ、耳を見せびらかしながらこういう。
「だ、だから森だって! アタシ一応エルフだよ!? この通り!」
すると、オークの男性は首を傾げながら、静かに槍を下ろした。
「妙だな。ちょっと調べてくれ」
「分かった。あなた、今から耳を貸しなさい。その耳が偽物でないか、確認するわよ」
ガシッ!
「にゅわぁ!?」
突然、オークの女性がこちらへ歩み寄り、若葉の両耳を掴んできた。
思い切りではないが、かなり強めに掴んでいる。若葉は頭ごとグワングワンと揺さぶられ、両耳を上下左右へと引っ張られた。
オークの女性は、やがて両耳から手を離した。
「ちゃんと本物ね。この感じだと、害はなさそう」
「おう、そうか。いいだろう。ここを通してやる!」
そういって、オークたちが漸くその道を空けた。
若葉は気を取り直し、馬を繋いだリードを持って門の奥へと進む。
「まさか耳を引っ張られるなんて聞いてないし。はぁー、買うもの買ったら早く帰ろ」
コロニーの中は、様々な「尖った耳」の種族が歩いている。
住宅エリアをはじめ、井戸、教会、商店、公園などが多数点在。正直、アガーレール国内の地上よりも文明が発展していると言っていいだろう。
「あったあった! ここがトウガラシを売っているお店か。それじゃ、ここで待っててー」
若葉が、馬のリードを近くの杭へと縛りつけ、財布を持ってトウガラシ売り場へと入る。
現在のアガーレールでは見かけないような食べ物が、沢山量り売りされていた。
「いらっしゃい! 当店自慢のトウガラシ、100g50円だよー。生姜もグラム50、ついでに美容と健康にもいいお酢もいるかい? 1本150円!」
と、店番をしているエルフの中年男性が声をかける。若葉は内心思った。
――この世界の通貨単位、『円』ってほんとシュールだなー。
と。
だが、この世界には前から住んでいるかの様に振る舞うため、敢えてその疑問を顔には出さず、ここは王宮から支給されたお金で購入を進めたのであった。
「よーし、買えた買えた! ついでに生姜とお酢と、苗も手に入ったし、これで必要なものは一通り揃ったぞい。行こうぜーキャラメル♪」
と、若葉がウキウキの笑顔で杭からリードを解き、馬とともにコロニーを去る準備をしていた。
手には店で購入した買い物袋を持っており、それらを鞍に装着した大きなレザーポケットへと入れる。
意外と、あっさりだった。
あの門前での調べがあったから、最初は警戒していたけど、一度コロニーの立ち入りを許可されれば案外悪くないと思う。そんな、尖った耳を持つ特権として若葉は心底安心したのであった。
これで、あとは森に帰ったフリをして王宮に戻れば――。
「ん? どうした?」
馬が何かを発見した様で、フスフスと息を鳴らしながら足を止めた。
彼が興奮気味に見つめる先には、一際大柄なオーク。軽く身長2mは超えているであろう風貌で、店の女主人と話している。
そのオークの首元から、キラキラしたものがぶら下がっていた。若葉は目を大きくした。
「あれって、クリスタルチャーム!?」
そう。
まさかの住民の中に、碇マークのチャームが付いたクリスタルをアクセサリーにしている人がいたのだ! しかし、相手は若葉の物理力では勝てそうにない男。
ふと、財布の中身を見ながらこう考えた。
「あの感じ、そのまま貰える気がしないなー。まだ金あるけど、あれ買うために使っちゃっていいかな? でも、背に腹は代えられないし… いっちゃお。すんませーん!」
そういって、若葉は大柄なオークの元へと駆けつけていった。
「あら? ミハイルさん、呼んでるわよ」
と、女店主が手を差し伸べる。ミハイルと名乗る大柄なオークが、眉をしかめ若葉へと振り向いた。
若葉は財布を持ち、クリスタルチャームを指さしながらこういった。
「オッスオッス、お兄さん! そのノア… じゃなくて、クリスタルチャームなんだけどめちゃくちゃキレイじゃん。それなんだけど、その、買わせてくれないかな~?」
なんて、いきなりの交渉だ。
すると、ミハイルは途端に目を大きくさせ、肩を落としながらこう反論した。
「は? いきなり何いってんだお嬢さん? ダメだ、やらないに決まっているだろ!」
「え~? お金なら全然あるからさ、値段はそっちの希望に合わせるよ。だから…」
「金額の問題じゃない! とにかくダメと言ったらダメだ、さっさと帰れ!」
「えぇぇ!?」
結果はあっさり失敗。これには近くで見ていた馬も、密かに首を横に振る始末。
それでも若葉は食い下がらなかった。なおも交渉を続けるべく、ここを去ろうとするミハイルの後を追ってこういう。
「そこを何とか頼むよ~。お金がダメなら、代わりにアタシの方で出来る事をするよ。一応魔法使えるし? なんなら知り合いの美人さん紹介するし、なんでもいいからさ~」
なんて、どこの誰を紹介する気なのか謎のメリットまで訴求しだす若葉。
すると、ミハイルの足がここで止まった。
「…今、なんでもいいと?」
おっと、その様子だと少しはチャーム譲渡の余地があるか。
若葉は息を呑んだ。するとミハイルが腕を組み、若葉を見下ろしながらこう告げたのだ。
「なら条件がある! この俺の所に、マヌカハニーを1壺もってこい!」
「え? マヌカハニー?」
まさかの条件だった。
「なんでもいい」なんて言ったから、内容によっては若葉の身に危険が及ぶ要求でもされる可能性があったわけだが。ミハイルはこう続けた。
「そうだ。ただの蜂蜜ではなく、マヌカハニーだ! そいつを持ってきたら、このクリスタルと交換してやる。その際、本物かどうか調べさせてもらうぞ」
「え、マジで!?」
「言っておくが、マヌカの木は既に絶滅したと言われている。そんな代物を持って来れるというならやってみろ! フン、どうせ無理だと思うがな」
そういって、ミハイルは今度こそズカズカと去っていった。
若葉は、一応交渉に応じてもらえる件には安堵したものの、密かに米神を掻いてこう呟く。
「絶滅したものを提示って、なんでそんなもの欲しがってんだ? 相手の考えてる事わかんねー」
だが、言われたからにはやるしかない。
それを表すかのように、若葉はコロニーを去り際、軽いため息をついたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった!
スキルスキル〜何かな何かな〜
ネットスーパー……?
これチートでしょ!?
当たりだよね!?
なになに……
注文できるのは、食材と調味料だけ?
完成品は?
カップ麺は?
え、私料理できないんだけど。
──詰みじゃん。
と思ったら、追放された料理人に拾われました。
素材しか買えない転移JK
追放された料理人
完成品ゼロ
便利アイテムなし
あるのは、調味料。
焼くだけなのに泣く。
塩で革命。
ソースで敗北。
そしてなぜかペンギンもいる。
今日も異世界で、
調味料無双しちゃいます!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
