俺達がチートであることを知られてはいけない。

無味

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第十章

馬鹿

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「…切れたのか。」
俺の顔を見て悟ったのか、オルクスがそう告げた。
「後でまた連絡するって…。」
明らかに、何かが起きた。ユスティーツは一体何を…
「決まっている。エーファだ。」
まるで俺の思考を呼んだかのような回答より、その内容に言葉を失う。
「ユスティーツはエーファに遭遇した。他に考えられる可能性としてはヨシュカだろうが、今はそれぞれのエリアにいる。エアホーレンに来るはずがない。一般人はヴェルトにログインすら出来ない状態…ここまで言えば納得するだろう。」
「あ、あぁ。…って、だとしたら早くユスティーツを見つけないと!」
いくらレベルが最大のヨシュカとはいえ、エーファと一対一では絶対に勝てない。俺とオルクス、二人でも敵わなかったエーファだ。
更に最悪な事に、『切り札』であるユスティーツ…もしかしたら、エーファは切り札に気がついたのだろうか?
(どうすれば良いんだ。早く、一国も早くユスティーツを…!)
「この場合は最悪の状況を想定した方が早い。」
オルクスの、いつもと変わらぬ冷静な声。いつの間にか俯いていた顔を上げると、表情すらも平然としていた。
「最悪な状況…?」
「そうだ。今奴らがどこにいたら最悪か、分かるだろう。」
「…中央教会。」
あそこに辿り着かれたら、ゲームオーバーだ。
「行くぞ。」
オルクスとほぼ同時に、ソファーを取り出し飛び乗った。



フェイが今いるのは、中央教会の前。ベルクでエーファを探してたんだけど、シャルからの連絡でヨシュカはここに集まるように言われた。でも、ユスティーツがいない。シャルの説明によるとユスティーツはエーファと出会って、どうやらここ中央教会の中にいるらしい。
「ねーぇ、どうして中央教会にいるのぉ?意味わかんなぁい。」
難しい話を一気に聞かされて、状況が全然分からない。イデーやヴィッツはもう理解したのか、真面目な顔して教会を見つめている。フェイの言葉は無視、だって。酷いよね。
「ユスティーツからの連絡だ!」
シャルが突然叫ぶ。空気がぴりっとしたのが、フェイも感じた。
「…一人で、教会に入れって。」
まるで立てこもり事件。だとしたら人質はユスティーツ?彼、結構強いから自力で脱出できそうなのに。
「もしかしてぇ、ユスティーツが裏切ったのぉ?」
今度も無視。でも、皆の視線だけはこっちを向いた。聞かされたくない話を無理矢理突き付けられた、みたいな。実際上そうなのかも?
「…行ってくる。」
シャルはそう言って、ゆっくりと教会に入っていった。
「どうするつもりだ、オルクス。」
イデーの質問にオルクスは首を振る。
「まだ状況が把握出来ていない。」
すると、いきなり巨大な地響きがしたかと思うと、地面が揺れだした。ヴェルトで地震?そんなの有り得るの?立っていられなくなって、しゃがみこむ。土ぼこりで何も見えない。
「おいおい、ちょっと…冗談だよね?」
ヴィッツの言葉で気がついた。中央教会が、空へと浮き上がっている。
「オル君、これって想定してた?天空の…教会を。」
いつも澄まして「ああ」とか言ってるオルクスが、珍しく動揺してる。
「…想定外だ。」
続けて言った言葉も、凄く意外だった。
「またか…この、馬鹿が。」
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