指弾だけで無双ってできますか?いや、できたわ

珀弼

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04 実戦練習

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 俺が指弾術で訓練所をぶち壊してしまったが、ラウィスさんの魔法ですぐに直った。
 なんて素晴らしいのだろうか。
 現代日本にもあったら、とか思ったが変なことに使うやつが出てきてしまいそうで、逆に無くて良かったのかもな。

 さてエインもラウィスさんも目が覚めたところで、俺は二人に連れられ、受付のカウンターまで来た。
 「どうしましょうね。思っていた以上にコウ君が強すぎてランクの付け方に困るわ」
 「はあ。なんかすみません」
 「別にいいわよ。まあ、いろんなクエストに駆り出されることは間違いないけど」
 「コウさんならどんなクエストでも大丈夫ですよ!」
 「ん?それは何故だ?」
 「それは私が一緒に冒険するからです!」
 「そうなのか?」
 「はい!」
 うーん。何故かエインとパーティーとやらを組むことになってしまったようだ。
 いろんなことを教えてもらおうかな。
 「じゃあエイン、コウ君のこと宜しく頼むわね」
 「はい!任せてください!コウさん、大船に乗ったつもりでいてくださいね!」
 「あ、ああ。よろしくな」
 というわけで、エインとパーティーを組み、この街から北にある森へ向かったのであった。

 ◇◆◇◆◇

 今俺たちは北の"ノース・ブルー"と呼ばれる森に来ている。
 ここは冒険者のランクが低い人たち向けのダンジョンという。
 ちなみに、俺のランクは2500でいきなりSランクスタートらしい。
 これには、ギルドの人たちも驚いていてギルドを出る前に怒涛の質問攻めを食らった。
 さて、話を戻すと、ここに出てくるモンスターは主にゴブリン、スライム、そしてオークの三種族。
 ゴブリンには通常のゴブリンとハイゴブリンとの2つに分かれる。
 スライムは属性ごとに別れて、十種いるらしい。
 オークはゴブリンと同じでオークとハイオークに分かれている。
 
 今回俺が行うクエストはゴブリン50体の討伐。
 一つか二つの集落を襲う(って言い方はアレだけど)と大体はオッケーらしい。
 そんでもって、エインは参加せず緊急時のみ参加すると言うが、おそらくその必要は無いに等しい。
 「コウさん!前方に一つ集落があります」
 ふむ。エインがスキル察知で見つけたようだ。
 さあ、始めようか。
 俺は地面の小石を拾い取ると指の方へ力を込めていった。
 大体五割ほどでいいだろう。
 「ていっ」

 ヒュンッーーーーーードゴーーーン!!

 あれ••••••思った以上に強かった?
 まあいいか。
 ギルドカードを見てみよう。

 《討伐数》
 ゴブリン 21体
 ハイゴブリン 9体

 あー、けっこういたんだね。
 てか、こんな簡単に倒しちゃっていいのかね。
 もっと他の技も試してみたいし、奥へ行こう。
 「流石ですね!コウさん!これ程までにゴブリンたちを一掃するなんて!」
 「お、おう。そうか。いや、エインでもできるとは思うが」
 「確かに、私にもできなくはないのですけど、コウさんほどの威力は出せません。たとえ、コウさんにとって六割ほどでも」
 そうなのか。
 ああ、確かに、思えば、エインは近接型だったか。
 近接で遠距離の攻撃は普通はできないらしい。
 俺の指弾術はどっちもできる汎用型だからな。そんなのは関係ないんだけどね。
 そんなことを考えながら歩いていると急に地面の感覚がなくなった。
 んん⁉
 足もとを見ると俺の立っていた地面が消えて下に棘(いや、針か)があった。
 なんだ、落とし穴か。
 過去に落とされまくったせいで、耐性がついてしまって、多少の罠じゃ気にしなくなっていた俺は静かに指に意識を集中させ、壁の岩を掴んだ。
 俺の身体は針に刺さる一歩手前で留まった。
 いや、結構危なかったな。考え事してる場合じゃなかったな。
 まあ、とりあえず上に上がらねば。
 エインが待っているだろうから。

 上に上がるとエインが泣きそうになっていた。
 「コウさぁん!びっくりしましたよぉ。急に目の前からいなくなったと思ったら、何食わぬ顔で戻ってくるし」
 「ま、まあ無事に戻ってきたからそんなに泣くなって」
 「泣いていません!!」
 いや、泣いているやん••••••まあいいか。

 そんなこんなで俺たちは新たな集落ヘ着いた。
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