蹴りスキルと投擲スキルで異世界無双

珀弼

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第一章 異世界転生

05 【コダマ視点】

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 【コダマ視点】
 ハヤテがこの世界に来てようやく1週間か。こちらの世界にも慣れてきたようで何よりじゃ。
 あやつはわしと同じ様に大物になるじゃろうな。
 年の感がそう言っておる。
 え?儂と同じじゃって?
 そうなんじゃよ、儂ももともとはこの世界の人間ではなかったのじゃよ。驚きじゃろう。
 転生と言えばわかると思うが、意識・知識・自身の能力を引き継いだまま新しい個体へと移ることじゃ。
 
 ◇◆◇◆◇
 
 かつて、儂は他国との戦争で親もろとも殺され、儂自体も飢えて死んでしまったがのう。
 だが、神様が儂に慈悲で能力を与えてくださった。
 そして平和な世界での生活を与えた。
 この同じ気持ちを他の者にも与えたくて、ハヤテの様に召喚の儀を行ったりした。
 じゃが、ハヤテのような礼儀が正しく、謙虚に生きるようなやつは居らんかった。
 与えた力を使って世界を征服したり地形を変えてまで地図を書き換えようとするやつもおった。
 じゃから、今までのことを反省し本当に心が清らかな者のみを転生させようと思ってしたのが今回の召喚じゃった。

 ◇◆◇◆◇

 さて、昔話は置いとくとして、ハヤテはいつ小屋を出るつもりなんじゃろうか。
 今までの転生者とは心が違うからかのう。
 一つ一つのスキルを確実に使いこなせる様に鍛練しておるのが見えるのう。
 なんか、こう、ハヤテを見ておると孫ができたみたいじゃな。
 いや、実際わしの孫もおるんじゃが、今は王宮で魔法騎士団ライボーンの団長じゃから、なかなか会えないんじゃよ。
 あやつによく似ておる。
 未来が楽しみじゃ。
 
 コンコンッ

 「父さん?今いいかい?」
 ん?息子のノールか、何かあったのか?
 「構わんぞ。どうした?」
 「最近父さんが怪しい動きをしている事と、もう一つ、父さんの小屋のあるあそこら辺で時折大きな音が聞こえる事なんですが」
 あ~、こやつとうとう気付きおったか。
 「何を隠しているんですか?」
 か、顔が恐ろしい事になっておる。
 どうする?言うか?いや、まだその時では無いと思うが、うーむどうするべきか。
 「また、アレ・・をやったのですか?・・・全く、本当に凝りませんね。母さんからも言われていたでしょう?」
 くそう、バレてしまっては仕方が無い・・・か。
 「じ、じつはな・・・」
 「いい加減、部屋で魔導具の使用はやめてほしいものです。しかも散らかしっぱなしですし」
 ······は?
 バレてなかったんかい!!
 ああ、そうじゃった。こやつ、ちょいと抜けておるんじゃった。
 ふぅ、危なかったわい。
 「ちょっと?聞いているんですか?」
 「はいはい、聞いておるわ」
 はあー、焦った焦った。
 ハヤテが異世界人とわかったら儂は終わりじゃがな。
 おっ、そろそろハヤテも出立の準備を始めたようじゃな。
 いや~、楽しみがまた一つ増えた。これからが楽しみじゃのう。
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