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テンと龍
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煙草の煙を夜空に吐く白い影
テンは丘の中腹にある街の上層階に来ていた
所々に古い遺跡の跡を残している
だが繫華街は魔法で装飾され、星々の様に輝き夜を彩りまるで古い感じを隠している
それだけでなく、貴重な輝石での装飾も多く施されている
輝石を売っている店は他の街より多く、聞いた話だと最近の輝石の産出量が急にこの街が一番になったりと、最も勢いのある街だと言っていた
輝石は何処から取れた物なのか?
「そこの君、輝石に興味あるよね~」
客引きの男に声をかけられた
「あるよ」
「そうだよね~、あるよね~、
君の腰に付けてる輝石、その気品溢れる光は
輝石の中でも最高級品だ」
通されたのは地下にあるオークション会場だ
いかにもと言うような気品のある服装に高価な装飾を身に付けた
上流階級ばかりだ
目立たない端の方でオークションを観察する事にした
宝石などもあったが輝石の装飾が多く出品され
すぐに高値を付けられていく
これらは全てが他の村を襲って取って来た盗品
高額な取引にバカらしいと思いながらみていると
「ここからは、輝石にも負けずとも劣らない美しさ
奴隷たちのオークションを始めましょう」
司会の一言で会場にいる男達は息を吞み
さっきまでとは違う緊張感が会場に張りつめた
おおっ、会場がうねりをあげ高値を付け始める
出てきたのは綺麗なドレスを着せられた美しい少女だった
値を挙げられる度に泣きそうな顔で体を震わせ
自分が買われるその時をただ待つしかない
その後も俯いたままの者や祈るばかりの者
次々と買われていく人間や亜人の少女達がいたたまれず
会場を出ようとした時、静まり返った
出品されていたのは、大量の引っ搔き傷のついた歪んだ鉄格子に入った一人の少女
猛獣でも入れていたかのような檻の中から体を丸くして会場中を睨み付ける少女に
皆が困惑した
「これは世にも珍しい、龍と人の混腫
強さはもちろん、そしてなにより美しい
気性は荒いですが、飼いならせば拍がつくというもの
さあ我こそはという者はおりますかな」
一人また一人と値を出したがそれまで
先程までの勢いはなく、猛獣にそんな高値がつく事もなかった
それでもテンが手を出せる額ではなかった
「どうしましたか、お客様」
テンは腰に付けていた輝石を取り出した
「これでこの娘を貰いたい」
「お客様、物々交換などやってはいませんよ」
そう言いながらもテンの輝石をちらりと見て裏から鑑定士を呼んだ
「今回は特別です」
会場がざわつく中、鑑定は数分で終わった
「正直に言ってこれほどの希少な輝石はほんの数回
手に取ったのは初めてです
純度、輝き、魔力全てが最高品質、そしてかなりの年代物ですね
こんな物をどこで…なんて無粋なことは言いません」
会場中の皆がそれを見ようと前屈みに司会の話を聞いた
檻の中の少女はテンを睨んでいる
「さあ、他に我こそはという者はおりますかな」
誰もいなかった
「では、これはあなたのものです
檻とご一緒にどうぞ」
「檻は要らない」
「すみませんがこの檻、これを捕らえる為の特別な代物。
かつて存在していた黒竜
その鋼黒鱗を錬金して造った最も頑丈な檻
一度捕らえたらもう、出すことは出来ません」
テンは刀を少し抜き、刀身の根元を握り
血を塗るように刀をゆくっりと抜いた
会場は静まり返り、奇妙な光景に目が離せずにいた
刀身の血は一滴たりとも落ちること無く
染み込んでいく
会場は静かな恐怖に包み込まれた
それはテンにとって妖刀であり
何度か捨てようとしたが必ずテンのもとへ帰ってきた
刀が帰ってくる途中には災いがもたらされていた
その事を知ってからは手放そうとしなくなった
血を啜り終えた刀を振るい
檻を豆腐のように斬り、少女に手を伸ばす
不安定な手に引かれ
少女はオークション会場を後にした
テンについて歩く少女はテンに尋ねる
「どっどど、どうして助けたんですか」
かなり動揺している様子で
手を震わせ、身を小さくしている
テンが振り返ると
ちょうど、あの声が聞こえてきた
少女も気付いたようで後ろを振り向く
「聞こえるだな」
「えっえ、あっきっ聞こえるよ
天使の声でしょ」
「天使の声?」
知らないテンを不思議そうに言う
「あっあの大穴以外に天使がいたなんて知らなかったよ」
「大穴?
それに、どうして僕が天使だとわかる?」
何も知らないテンに困惑の色を示す
「そっそうだよ、この街のてっぺんにある大穴
君が天使ってわっわかるのはその刀
龍で出来ている、天使が龍神を殺して出来た神器だよ」
少し考えた後テンは静かに頷いていた
「そうか、大穴に行けばいいのか」
あの声は次第に止んでいった
「これが聞きたかったの?」
「ああ、龍とは戦いがあったと古い本に伝説として載っていたからな」
テンの後ろで光が夜空を翔ける
後ろを振り返りその蒼い流星を見た
それはセイラからの合図だ
セイラからの合図を見ていたテンの後ろで
少女は急に頭を抑え、苦しそうにかがんだ
「ダメ…ダメ…」
自分に言い聞かせるように何度も小さく苦しそうに言い続けるが
瞳は龍のように鋭く
爪や牙は猛獣のように凶悪に変貌し
「ごめんなさい…」
テンは今までにない魔力の気配に
少女に向き直った
龍の魔力は街を嵐のように包み
人々は逃げ隠れ
見える者は少女の様子を少しでも見ようと覗いた
テンの前には龍の角と尾のある少女が憤怒していた
「落ち着け」
冷静に言うが言葉は届かないようだ
テンに向かって襲い掛かった
獰猛な爪を前にテンは刀を握る
一瞬だった、少女の首元に一撃
刀を抜いたら首は飛んでいただろう
気絶した少女を抱えて屋根の上に飛び
その場を素早く後にした
星空から一匹の蝶が宿屋の二階に流れていく
少女は目を覚ました
「ここは?」
ぼんやりと明かりの周りを蝶が舞っているのが見えた
「適当に入った宿屋」
テンは窓の外に煙を吐き遠くの繫華街を眺め、下に広がる星空を楽しんでいた
舞っている蝶がはっきりとし
これまでの経緯が思い出され焦りが襲う
「ごねんなさい」
凶悪に変貌したあの姿が嘘のように小さく謝る
「体調は大丈夫か?」
鬱々と体調を話し出す
「わ私ずっと痛いし、お腹が気持ち悪くて
な何しても上手くいかなくて、すぐに暴走しちゃうし…」
劣等感で濡れた目で堪えるように
「ごめんなさい」
震えた声で言い続ける
人の器に龍の力は強大過ぎたのだろう
「僕の血には癒しの力があるんだ、飲めば楽になる」
「でもそれって」
テンは懐刀を出し手のひらを斬って
少女のベットに近づく
「いいの?」
「ああ」
「捨てないの?」
小動物のように大きな瞳を潤わせている
「そんなことしないよ」
血を飲むほどに頭の痛みが消えていく
少女は思わずテンの腕を掴み手のひらの血をしきりに舐めている
「ねぇ…私はあなたの物だよね」
少し呼吸が荒い気がした
酔っているみたいだ
「君を買ったのは聞きたい事が」
「でぇ、でもきっと大切なはずな物まで売って助けてくれたよね
私はあなたに買われたの、助けてくれた恩返ししたい」
”助けてくれた恩返ししたい”と少女が言うのなら
声を辿るこの旅に少し協力してもらうのも悪くないかと思いつつ
血を飲んだせいか頰を赤らめ潤いのある少女に気圧され
「いや、まあ…」
そんな曖昧な言葉が出た
「名前は?」
「ッ…テン」
手を強く引かれベットに引き込まれる
「私はユイ」
そうなんだ、なんて吞気には考えていれず
「これは…」
テンの手首に赤い痣の輪が一周現れる
「…ハァ…うぅ…
私にもあるよ」
手を引いて首元を近づけ首輪の様な痣をテンに見せつける
そんなユイの熱を帯びた吐息は何か期待しているみたいだ
「どういう事」
「血の契約、私はあなたの物
ずっと一緒だよ」
理解に苦しみながらも手首の痣を見ると
薄くなっている、それどころかスーッと消えていった
「どおしてッッ」
ユイは目を疑うがテンはある事を思い出した
そういえば僕の背中にも赤い痣があるって…
ユイはテンに抱きつき、背中に手を周してまさぐるりテンの刀を睨み付けた
「どうして、刀の方がいいの?」
語気が強い
「どういうこと」
ユイの気持ちは決まっている
「この刀は私が預かるね」
「ダメだ、この刀を手放せばは災いが…」
急な口付け軽く舌が絡まる
酔いをテンうつされそうなテンを押し倒し
「こんなの上書きしちゃえばいいんだよ」
ユイの熱い吐息が頰を撫でる
「う、上書き、そんなことできるの」
頭が回らなくなる
「できるよ」
より愛が深ければ
「何をする気だ」
ユイの熱気にあてられても反抗的に見つめるテン
その様子に煽られながら満足そうに笑みを浮かべてテンを押さえつけている
「私がテンの刀になる」
テンは丘の中腹にある街の上層階に来ていた
所々に古い遺跡の跡を残している
だが繫華街は魔法で装飾され、星々の様に輝き夜を彩りまるで古い感じを隠している
それだけでなく、貴重な輝石での装飾も多く施されている
輝石を売っている店は他の街より多く、聞いた話だと最近の輝石の産出量が急にこの街が一番になったりと、最も勢いのある街だと言っていた
輝石は何処から取れた物なのか?
「そこの君、輝石に興味あるよね~」
客引きの男に声をかけられた
「あるよ」
「そうだよね~、あるよね~、
君の腰に付けてる輝石、その気品溢れる光は
輝石の中でも最高級品だ」
通されたのは地下にあるオークション会場だ
いかにもと言うような気品のある服装に高価な装飾を身に付けた
上流階級ばかりだ
目立たない端の方でオークションを観察する事にした
宝石などもあったが輝石の装飾が多く出品され
すぐに高値を付けられていく
これらは全てが他の村を襲って取って来た盗品
高額な取引にバカらしいと思いながらみていると
「ここからは、輝石にも負けずとも劣らない美しさ
奴隷たちのオークションを始めましょう」
司会の一言で会場にいる男達は息を吞み
さっきまでとは違う緊張感が会場に張りつめた
おおっ、会場がうねりをあげ高値を付け始める
出てきたのは綺麗なドレスを着せられた美しい少女だった
値を挙げられる度に泣きそうな顔で体を震わせ
自分が買われるその時をただ待つしかない
その後も俯いたままの者や祈るばかりの者
次々と買われていく人間や亜人の少女達がいたたまれず
会場を出ようとした時、静まり返った
出品されていたのは、大量の引っ搔き傷のついた歪んだ鉄格子に入った一人の少女
猛獣でも入れていたかのような檻の中から体を丸くして会場中を睨み付ける少女に
皆が困惑した
「これは世にも珍しい、龍と人の混腫
強さはもちろん、そしてなにより美しい
気性は荒いですが、飼いならせば拍がつくというもの
さあ我こそはという者はおりますかな」
一人また一人と値を出したがそれまで
先程までの勢いはなく、猛獣にそんな高値がつく事もなかった
それでもテンが手を出せる額ではなかった
「どうしましたか、お客様」
テンは腰に付けていた輝石を取り出した
「これでこの娘を貰いたい」
「お客様、物々交換などやってはいませんよ」
そう言いながらもテンの輝石をちらりと見て裏から鑑定士を呼んだ
「今回は特別です」
会場がざわつく中、鑑定は数分で終わった
「正直に言ってこれほどの希少な輝石はほんの数回
手に取ったのは初めてです
純度、輝き、魔力全てが最高品質、そしてかなりの年代物ですね
こんな物をどこで…なんて無粋なことは言いません」
会場中の皆がそれを見ようと前屈みに司会の話を聞いた
檻の中の少女はテンを睨んでいる
「さあ、他に我こそはという者はおりますかな」
誰もいなかった
「では、これはあなたのものです
檻とご一緒にどうぞ」
「檻は要らない」
「すみませんがこの檻、これを捕らえる為の特別な代物。
かつて存在していた黒竜
その鋼黒鱗を錬金して造った最も頑丈な檻
一度捕らえたらもう、出すことは出来ません」
テンは刀を少し抜き、刀身の根元を握り
血を塗るように刀をゆくっりと抜いた
会場は静まり返り、奇妙な光景に目が離せずにいた
刀身の血は一滴たりとも落ちること無く
染み込んでいく
会場は静かな恐怖に包み込まれた
それはテンにとって妖刀であり
何度か捨てようとしたが必ずテンのもとへ帰ってきた
刀が帰ってくる途中には災いがもたらされていた
その事を知ってからは手放そうとしなくなった
血を啜り終えた刀を振るい
檻を豆腐のように斬り、少女に手を伸ばす
不安定な手に引かれ
少女はオークション会場を後にした
テンについて歩く少女はテンに尋ねる
「どっどど、どうして助けたんですか」
かなり動揺している様子で
手を震わせ、身を小さくしている
テンが振り返ると
ちょうど、あの声が聞こえてきた
少女も気付いたようで後ろを振り向く
「聞こえるだな」
「えっえ、あっきっ聞こえるよ
天使の声でしょ」
「天使の声?」
知らないテンを不思議そうに言う
「あっあの大穴以外に天使がいたなんて知らなかったよ」
「大穴?
それに、どうして僕が天使だとわかる?」
何も知らないテンに困惑の色を示す
「そっそうだよ、この街のてっぺんにある大穴
君が天使ってわっわかるのはその刀
龍で出来ている、天使が龍神を殺して出来た神器だよ」
少し考えた後テンは静かに頷いていた
「そうか、大穴に行けばいいのか」
あの声は次第に止んでいった
「これが聞きたかったの?」
「ああ、龍とは戦いがあったと古い本に伝説として載っていたからな」
テンの後ろで光が夜空を翔ける
後ろを振り返りその蒼い流星を見た
それはセイラからの合図だ
セイラからの合図を見ていたテンの後ろで
少女は急に頭を抑え、苦しそうにかがんだ
「ダメ…ダメ…」
自分に言い聞かせるように何度も小さく苦しそうに言い続けるが
瞳は龍のように鋭く
爪や牙は猛獣のように凶悪に変貌し
「ごめんなさい…」
テンは今までにない魔力の気配に
少女に向き直った
龍の魔力は街を嵐のように包み
人々は逃げ隠れ
見える者は少女の様子を少しでも見ようと覗いた
テンの前には龍の角と尾のある少女が憤怒していた
「落ち着け」
冷静に言うが言葉は届かないようだ
テンに向かって襲い掛かった
獰猛な爪を前にテンは刀を握る
一瞬だった、少女の首元に一撃
刀を抜いたら首は飛んでいただろう
気絶した少女を抱えて屋根の上に飛び
その場を素早く後にした
星空から一匹の蝶が宿屋の二階に流れていく
少女は目を覚ました
「ここは?」
ぼんやりと明かりの周りを蝶が舞っているのが見えた
「適当に入った宿屋」
テンは窓の外に煙を吐き遠くの繫華街を眺め、下に広がる星空を楽しんでいた
舞っている蝶がはっきりとし
これまでの経緯が思い出され焦りが襲う
「ごねんなさい」
凶悪に変貌したあの姿が嘘のように小さく謝る
「体調は大丈夫か?」
鬱々と体調を話し出す
「わ私ずっと痛いし、お腹が気持ち悪くて
な何しても上手くいかなくて、すぐに暴走しちゃうし…」
劣等感で濡れた目で堪えるように
「ごめんなさい」
震えた声で言い続ける
人の器に龍の力は強大過ぎたのだろう
「僕の血には癒しの力があるんだ、飲めば楽になる」
「でもそれって」
テンは懐刀を出し手のひらを斬って
少女のベットに近づく
「いいの?」
「ああ」
「捨てないの?」
小動物のように大きな瞳を潤わせている
「そんなことしないよ」
血を飲むほどに頭の痛みが消えていく
少女は思わずテンの腕を掴み手のひらの血をしきりに舐めている
「ねぇ…私はあなたの物だよね」
少し呼吸が荒い気がした
酔っているみたいだ
「君を買ったのは聞きたい事が」
「でぇ、でもきっと大切なはずな物まで売って助けてくれたよね
私はあなたに買われたの、助けてくれた恩返ししたい」
”助けてくれた恩返ししたい”と少女が言うのなら
声を辿るこの旅に少し協力してもらうのも悪くないかと思いつつ
血を飲んだせいか頰を赤らめ潤いのある少女に気圧され
「いや、まあ…」
そんな曖昧な言葉が出た
「名前は?」
「ッ…テン」
手を強く引かれベットに引き込まれる
「私はユイ」
そうなんだ、なんて吞気には考えていれず
「これは…」
テンの手首に赤い痣の輪が一周現れる
「…ハァ…うぅ…
私にもあるよ」
手を引いて首元を近づけ首輪の様な痣をテンに見せつける
そんなユイの熱を帯びた吐息は何か期待しているみたいだ
「どういう事」
「血の契約、私はあなたの物
ずっと一緒だよ」
理解に苦しみながらも手首の痣を見ると
薄くなっている、それどころかスーッと消えていった
「どおしてッッ」
ユイは目を疑うがテンはある事を思い出した
そういえば僕の背中にも赤い痣があるって…
ユイはテンに抱きつき、背中に手を周してまさぐるりテンの刀を睨み付けた
「どうして、刀の方がいいの?」
語気が強い
「どういうこと」
ユイの気持ちは決まっている
「この刀は私が預かるね」
「ダメだ、この刀を手放せばは災いが…」
急な口付け軽く舌が絡まる
酔いをテンうつされそうなテンを押し倒し
「こんなの上書きしちゃえばいいんだよ」
ユイの熱い吐息が頰を撫でる
「う、上書き、そんなことできるの」
頭が回らなくなる
「できるよ」
より愛が深ければ
「何をする気だ」
ユイの熱気にあてられても反抗的に見つめるテン
その様子に煽られながら満足そうに笑みを浮かべてテンを押さえつけている
「私がテンの刀になる」
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